グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
天文部部室
「うーん・・・・うーん・・・。」
ミナは机に伏せて、
うなされていた。
「と、扉が・・・・やみの・・・・
七鍵が・・・真っ暗なくも・・・。
・・・・わぁ!!」
急に飛び起きる。
「な、なんだ・・・寝てたのか・・・
えと・・・なんだっけ・・・。」
頭をポリポリと掻く。
「いっつも夢が思い出せない・・・ん?」
「よぉ。」
「ぎゃああ!!」
視界にロウが入り、
椅子から転げ落ちる。
「サササ、サーヴァント!! な、なんで
ここに!?」
「驚きすぎだろ。ってか、キャラぶれてるぞ。」
「はっ・・・・ご、ごほん。」
ロウに指摘され、1回
咳払いする。
「サーヴァント、なにゆえそこにおるんだ。」
「ああ、たまたま来たら南条に
留守番頼まれただけだ。」
「・・・恋に? そ、それで
恋はどこに?」
「ケーキ屋行くっつってたぞ。」
「け、ケーキ屋に・・・・・?
お、おのれぇ!」
拳を思い切り握りしめる。
「我を置いていくとはそれでも、
永遠の友情を誓った円卓の騎士かぁ!」
机をぽかぽかと殴る。
「ったく、何にも覚えてねえのか・・・。」
「何がだ!」
「俺も南条も起こそうとしてたよ。
何度やっても起きないから出かけたんだろ。」
「・・・そんなの覚えてないぞ!」
「そりゃ寝てたからな。」
「それに、例えそうだとしても、結局
置いて行ったんだから同じだ!」
そう言ってミナは立ち上がる。
「あいつらなど知らん! サーヴァント、
2人で見回りに行くぞ!」
ロウの服を引っ張り、連れていく。
「いや、まだ話は終わって・・・うぉ!?」
「この時にも組織の魔の手は迫っている!
道はないじょ・・・・ないぞ!!」
「まったく・・・・。」
ロウは無理やり引っ張られていった。
<ロウ、ミナ、移動中>
風飛市内
「ぶすぅー・・・・。」
頬を膨らませる。
「機嫌わりぃな・・・・
つか、あからさまに声に出すなっての。」
「機嫌が悪いぃ? 違う! 我は疾風の
魔法使いだ! 機嫌などという俗なものには
左右されない!」
「んじゃあ、なんでにらみつけてんだよ。」
「これは・・・あの・・・・組織の
手の者を見つけ出すためににらみつけてるんだ。」
「・・・・意味あんのか?」
「うう、うるさい! 意味はある!
多分あるから黙ってろ! いいな!」
「へいへい・・・・。」
仕方ない・・・しばらく付き合うか。
<ロウ、ミナ、散策中>
「あっ・・・! こ、ここは・・・・。
ここから闇の波動が出ている!」
「ここって・・・。」
ロウたちが来ていたのは
ケーキ屋だった。
「ケーキ屋か。」
「・・・まあ、確かに、ケーキ屋だな!
たまたまだな!」
たまたま・・・?
「ああ、
いつも誘う・・・。この波動の強さ、
2人で戦うには少し力不足だ。」
「お前がか?」
「そう・・・我が・・・・って違う!
我は強いけどお・ま・え・がな!
お前が弱いから仕方なくな!」
・・・あっ。
「南条たちがいるが・・・・。」
「そうだ、仲の正会員と合流して
共に戦うしかないからな!」
・・・ははぁん?
「じゃあ、敵はどこにいるんだ?」
「て、敵・・・? え、ええと・・・ええと・・・。」
おろおろし始める。
「て、敵は・・・店員・・・じゃなくて・・・
や、闇の波動が・・・・ケーキに・・・・
だから、その・・・・・食べて・・・・。」
声が徐々に小さくなる。
「へぇ?」
「・・・ぅ、うう、うるさいうるさい!
サーヴァントは黙ってついて来ればいいんだ!」
グウゥゥ・・・
「? なんか鳴ったな。」
「こ、これは
眠れる竜の腸のかつてない、戦いの鐘だ!!」
顔を赤くしながら叫んだ。
ケーキ屋
「おい、サーヴァント。恋から聞いたぞ!」
「ん? 何がだ?」
ケーキをほおばりながら聞く。
「お前、我が起きたら、連れてくるように
言われてたらしいじゃないか・・・!」
「ああ、言われた。」
「黙っていたなんて契約不履行だぞ!
ていうか、なんで言わなかったんだ!」
「お前が勝手に行こうとしたんだろ。
俺は部室で言おうとしたしな。」
「そ、そりゃたしかに我が突っ走ってた
ような・・・そうじゃないような・・・。」
「そうだろう?」
コーヒーを口に含む。
「・・・くくく、だがサーヴァントよ。
お前の契約不履行には違いない。」
「・・・ああ?」
「罰としてこれから、一ヶ月毎日腕立て
15回だ。どうだ、こわいだろう、恐ろしいだろう?」
「・・・・・・。」
「これに懲りたら次からは絶対に
言い忘れなど・・・・・」
「・・・・・・。」
ロウは無言で圧をかける。
「・・・は、はい・・・・
調子に乗りました・・・・。」
一気にトーンダウンする。
「何か言うことは?」
「い、いご、気を付けます・・・。
れ、恋にも言われました・・・・起こされたら
ちゃんと、起きます。ゆ、許してください・・・。」
しばらく、ミナはロウに
ビクビクしながら過ごした。