グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
学園
「そうか、ハワイに行くのか。」
「ああ、つっても、遊びじゃねえけど・・・。」
廊下でロウと義人が話していた。
「まあ、いいじゃねえか。お前、
まともな理由で海外なんて行ったこと
ないだろ?」
「・・・・うるせえ。」
「ロウ、少しいいか?」
エレンが話しかける。
「ああ、アメディック・・・先生か。」
「先生? ・・・ああ、そうだったな・・・。」
「・・・いいか?」
「ああ、問題ない。」
「俺は邪魔そうだな。じゃあな、ロウ。」
義人は去っていった。
「さてロウ、突然で悪いが、クエストに出るぞ。」
「今からか?」
急な話・・・いつものことか。
「ちょうど腕試しに適した魔物が
現れた。今日のお前の立ち位置は副官だ。」
「副官? ずいぶん思い切った人選だな。」
「そう言うな。私の隣で指示を出し、
精鋭部隊を動かしてみろ。何かあれば
私がカバーする。思う通りに動かしてみろ。」
「・・・はぁ・・・すぐに支度する。」
「ハワイへの出発がある。万が一にも
遅れられん。昼過ぎには片づけるぞ。
ブリッツクリークだ。」
<ロウ、エレン、移動中>
森
「ロウ、すでにお前はよく戦っているが
これからさらに重要な立場になるだろう。
ただの魔力タンクではなくなっている。」
「魔力タンクってお前・・・・。」
「今回のクエスト目標は対象の討伐。
だが、一皮むけることを期待する。」
「・・・了解、ってところに早速・・・・。」
2人の前にゾウの魔物が現れる。
「行くぞ、ロウ!」
「了解。『ROOM』!!」
青いドームで囲む。
「『
魔物に突きを当てようとするが
するりとかわす。
「下がれ!」
エレンは銃を連射し、
魔物を霧散させる。
「ふぅ・・・。」
「大規模侵攻を乗り切ったとはいえ、
やはり一時しのぎにすぎん。魔物を倒すには
大攻勢をかけなければならいだろう。」
「・・・だが、まだ問題はあるだろ。」
「そうだ。そして、それは何だと思う?」
「霧・・・だな。」
「ああ。霧自体は燃やすことはおろか、
消滅させることもできない。」
大きくため息をつく。
「だが、そこに希望があると分かれば
士気は上がるだろう。」
「希望?」
「誰かから聞かなかったか?
消滅させることができなければ、追い出せば
いいと。」
「追い出すだと? ・・・・・どこに?」
少し考えたが、わからなかった。
「そう、問題は『どこに』だ。宇宙?
あまりにも非現実的だな。一発の打ち上げに
かかる費用が膨大すぎる。」
「んじゃあ、どこに追い出すんだよ。
そんな都合のいいところなんかねえだろ。」
「・・・いいや? 宇宙ではない、別の場所。
それが最近見つかったな?」
「最近? だからんなとこあるわけ・・・・・・
! まさか・・・・。」
最近っつったら・・・・・。
「そのまさかだ。裏世界だよ。
そこに霧を排出する。」
「いや、だがそんなことをすれば
向こうの奴らは・・・・。」
目を大きく開く。
「・・・結果的に自分の首を絞めることになっても
今が大事なのだ。先がない私たちにとってはな。」
「確かに、そうかもしれねえが・・・。」
「それに裏の世界では人類は絶滅寸前だ。
今更魔物が増えたところで・・・・・と、
連中は考えている。軍人としては正解に近いだろう。
だが・・・私は反吐が出そうだよ。」
「・・・・まったくだ。」
<ロウ、エレン、移動中>
「はぁぁ!!」
「『
エレンは魔物を銃で迎撃し、
ロウは魔物を細かく切り裂く。
「ちっ・・・結構数が多いな・・・。」
「おそらく、この先にボスがいるのだろう。」
「だろうな。警戒してるってとこか・・・。」
肩を軽く回す。
「魔物の個体の強さは年々上がり続けている。
これより、先は注意して進め。」
「了解。」
「ついさっきも言ったことだが、お前は
これから重大な責務を背負う。望むと
望まざると、人類の旗頭になる可能性がある。」
「・・・・。」
「だから、お前は自分を守れるようになれ。
だが、体術以外だ。お前の場合、そこはしっかりしている。
・・・魔法だ。たった1つだけでもいい。」
「努力はしてるんだがな。」
・・・全然使えないが・・・。
<ロウ、エレン、移動中>
「! 見つけたぞ。」
2人は今までより何倍も
大きいゾウの魔物を発見した。
その周りを数体ほどの魔物が囲っていた。
「『ROOM』!」
青いドームを張ったとたん、
魔物の一体がロウに突進してくる。
「よ・・っと。」
飛んでかわし、魔物に指をあてる。
「『カウンターショック』!!」
魔物は電撃を浴び、霧散する。
「面倒だな・・・・アメディック・・・先生。
援護を。一気に切り刻む。」
「・・・ああ、わかった。」
そう言って、銃を構える。
それを見たロウは魔物に向かって
走り出す。
「行くぞ・・・・ !」
エレンの後ろから
魔物が3体ほど接近していた。
くそ・・・!
「『シャンブルズ』!!」
ロウとエレンの位置を入れ替えた。
「! ロウ!!」
「ぐお・・・!?」
ロウが魔物3体をどうにか止めるが
徐々に押され始める。
「く・・・・そ・・・・!」
「く・・・!」
エレンは援護に向かおうとするが、
ボスに妨害される。
「・・・・・ちっ。」
ロウは小さく舌打ちし、
魔物を鋭くにらんだ。
「・・・・失せろ!」
その瞬間、ロウから威圧のような
ものが発生した。
「!?」
それは魔物だけでなく、エレンも
震えるほどだった。
「・・・・・。」
魔物はボスともども
うめき声をあげながら、消滅した。
「こ、これは・・・・。」
「・・・? あれ、いつの間に消えた?」
ロウは何もしなかったかのように
周りをきょろきょろと見る。
「ロウ、自覚はないのか?」
「自覚? 何の話だ?」
「・・・いや、気づいていないのならばいい。」
「?」
(霧が霧散するどころか、消滅だと?
ロウが威圧したようにも見えたが・・・・。)
「何やってるんだ? 早く戻って
報告して、ハワイに行くぞ。」
「・・・ああ。」
エレンは1つの疑問を
残しながら、ロウとともにクエストを終えた。