グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
風飛市内 街
この日、ロウはエレンに
呼び出されていた。
「よく来たな。今日、呼びだしたのは
ほかでもない。」
「前に行ったクエストか?」
「そうだ。もう既に報告は終わっている。
だが、私と思えでやることがある。わかるか?」
「・・・・・・・なんだ?」
しばらく考えたが、
わからなかった。
「はあ、私がお前に命令したことだ。
できていたか、確認したい。」
「ああ、あれか。つっても、結局
ほぼお前の指示だったじゃねえか。」
「確かにそうだが、お前にはニ、三
確認したいことが別にある。」
「・・・・なんだ?」
目が鋭くなる。
「そう構えるな。尋問じみたことはしない。
ランチのついでだと思え。・・・・・
そうだな、こうしよう。」
「?」
「お前がこの話を聞くなら、ランチ代は
私が出そう。そうでないなら、ランチ代は
お前が持つ。どうだ?」
「どうだって・・・・・わかった。
話をしよう。」
今あんまり手持ちないしな。
「よし、どちらにしろまずは、店だ。
私はあまりこのあたりをよく知らん。案内しろ。」
「つっても、俺もあんまり・・・・いや、
桃世が働いているファミレスがあった。
そこに行こう。」
「・・・いいだろう、行くぞ。」
<ロウ、エレン、移動中>
ファミレス
「ふむ、下手なところに入ってまずいものを
食うよりいい。ここなら、あとで桃世本人に
文句が言えるしな。」
「・・・・・くく、そんな
冗談が言えるとはな。」
軽く笑う。
「ふっ、私が冗談を言うとは
思わなかったか?」
「前は軍人だったと聞いてたからな。
軍人は大抵冗談を言えないと思ってた。」
「常にあんな態度でいるわけではない。大事なのは
必要な時に必要なスタンスでいることだ。ようは、
メリハリだな。」
「メリハリねえ・・・。」
「それに、今はオフだから、多少隙を見せても
構わんのだよ。」
ふっ、と笑い、パスタを
口に運んだ。
「それで、俺に聞きたいことってなんだ?」
「・・・この間のクエストの最後、
お前から発せられた、謎の力だ。」
「・・・またその話か。」
コーヒーを口に含む。
「だから、あれはなんていうか・・・・
おそらく、俺の力じゃない。」
「大事なのはそこより、発せられた後
魔物の状態だ。」
「魔物の状態?」
「通常なら、そこで霧散するはずだが
あの時は、完全に霧が消滅していた。」
「消滅? ・・・なるほど、それは
気にするか。だが、何度も言うが俺の
力とは思えない。」
「・・・そうか、だがいずれお前のその力が
必要になるときが必ず来るはずだ。
・・・必ず、な。」
「・・・・・。」
「そういえば、桃世はいなかったな。
今は別のバイトか・・・。」
「味はまあ、そこそこだったな。
腹もふくれたし、訓練でもしよう。」
「訓練?」
「そう慌てるな。軍隊式ではない。
ゲームだ。ついてこい。」
<ロウ、エレン、移動中>
ゲームセンター
「ガンシューティングゲームを知っているか?」
「まあ、何度かやったことがあるが。」
鳴海の名前は出さないでおくか・・・。
「あれは銃の扱いはてんで役に立たないが
反射神経を鍛えるのには役立つ。安全に
訓練するならゲームセンターが1番だ。」
「そうなのか・・・。」
「まあ、今日は見ていろ。私が手本を
見せてやる。軍隊式のゾンビ退治を学ぶんだな。
・・・おっと、両替してくる。筐体の前で私を待て。」
そう言って、両替に向かった。
「待たせたな。では、始めよう。」
ゲーム機に金を入れる。
数分後
ゲーム機から大きな音が鳴り、
エレンの記録が新記録として
登録された。
「まあ、こんなものだ。すでに数え切れんほど
やってるから当然だな。」
「かなりやりこんで・・・・ん?」
よく見ると2位の名前に
『JUN』があった。
・・・ぜってえあいつだ・・・。
「どうした?」
「いや、なんでもねえ。」
「? そうか。では、お前もやってみろ。
敵の弾は遅く見えるが、意外と早い。
油断しているとすぐにやられるぞ。」
にやりと笑う。
「・・・クエストで何回も言ったと思うが、
お前はいずれ、重要な人物となる。」
「ああ、言ったな。」
「これからまだまだ、いろんなことを
学べ。近道はない。期待しているぞ。」
そう言って、エレンは去っていった。
「・・・・・もう、散々学んだよ。」
ロウと小さくつぶやいた。