グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

72 / 337
第5章 最後の血
第69話 望の手紙


ある日の夕方 学園

 

寮 望の部屋

 

「ふふん! まあ、ボクにかかれば

 ざっとこんなものさ!」

 

望は他に誰もいない自分の部屋で

思い切りドヤ顔をしていた。

 

「シューティングゲームの最大難易度も

 左手一つでノーミスクリア余裕だな!

 ・・・・はあ・・・・。」

 

しばらくは喜んでいたが

ため息をつく。

 

「・・・しかし、1人だとつまらな・・・・

 くはないが、なんというか、張り合いが

 ないな・・・。」

 

腕を組み、何かを考える。

 

「むぅ・・・・ !! そうだ!

 アイツを呼ぼう! どうせ、アイツなら

 暇しているだろうしな!」

 

そう言って、デバイスを操作する。

 

「まあ、このボクの誘いを断るはずがないだろう。

 よし、さっそく連絡を・・・・。」

 

操作の途中で望の手が止まる。

 

「・・・・・しまった・・・・。

 ボク、アイツの連絡先知らない・・・・。」

 

大きな穴に気づく。

 

「・・・・・! そうだ!」

 

机に向かい、

紙とペンを取り出す。

 

「下駄箱に手紙を入れておこう!

 そうすれば・・・・よし、

 早速さらさらっと・・・・。」

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

「ふわあぁ・・・・。」

 

ロウは大きな欠伸をする。

 

「思えば朝はいつも眠いような・・・・

 ・・・ん?」

 

げた箱を開けると1枚の

紙切れが入っていた。

 

「・・・・?」

 

紙の表裏をペラペラと

確認したが、差出人の名前がなかった。

 

「いたずらか? ・・・16時に部屋・・・?」

 

まったくわからない差出人の正体に

ロウは首を傾げた。

 

「・・・まあ、いいや。適当に

 誰かに聞いてみるか。」

 

 

 

 

 

 

17時

 

望の部屋

 

「・・・・。」

 

「・・・・。」

 

扉を開けたロウの目の前には

仁王立ちした望がいた。

 

「・・・遅い!!」

 

「んだよ、うるせえな・・・。」

 

あまりの大声に思わず

ロウは耳をふさぐ。

 

「まったく、ボクをどれだけ

 待たせる気だ! お前の下駄箱に手紙を

 入れておいただろう!?」

 

「ああ、あれやっぱりお前だったか。」

 

「そうだ! 『16時に部屋で待つ。逃げずに来い。

 来なければ、どうなるかわからんぞ。』って!」

 

「これだろ?」

 

問題の手紙をぺらぺらとする。

 

「そうだ!」

 

「いや、そりゃそうだろお前。これには

 差出人の名前がなかったからな。」

 

「差出人・・・? ・・・・・あっ。」

 

素っ頓狂な声を上げる。

 

「ちょ、ちょっと見せろ!」

 

「ほい。」

 

投げて渡す。

 

「・・・うっ・・・。」

 

「・・・・・。」

 

「ま、まあ、ボクにだって、名前を

 書き忘れるくらいあるさ。にしても、

 名前がないのによくボクだとわかったな?」

 

「だろう? てか、そう書いてあったのか。」

 

「え?」

 

「いや、字が汚くてな。どうにか読めた。

 とりあえず適当に聞きまくって、宍戸に

 たまたま聞いたらお前にたどり着いた・・・

 ってわけだ。」

 

「だいぶ暴言を吐かれたような気がするが・・・。」

 

「まあ、そうだな。」

 

うんうんと頷く。

 

「くそ・・・。」

 

「で、何の用で呼んだんだ?」

 

「ふふん、なぁに、簡単なことだ。」

 

「なんだ?」

 

「ボクと、ゲームで勝負しよう!」

 

「・・・・・。」

 

「・・・ん?」

 

ロウの反応が薄く、思わず

声が上ずる。

 

「じゃあな。」

 

「お、おいおい! 待て待て! どうして

 帰ろうとするんだ!」

 

「あのな、俺はこう見えて忙しいんだよ。

 第一ほかに用事あるし。」

 

「う、うう、嘘をつくな! 嘘はよくないぞ!」

 

「いや、本当だって。」

 

「・・・そ、そうなのか? ほんとに、

 ボクと遊べないほど、忙しいのか?」

 

「ああ。」

 

「・・・そ、そうか・・・なら、仕方ない・・・な。

 ま、また、次の機会で・・・。」

 

目に見えて落ち込んでやがる・・・。

 

「・・・はあ、わかったよ。

 ちょっと待て。」

 

「?」

 

デバイスを取り出し、もあっとを

起動させる。

 

「『1時間ほど、遅れる』・・・っと。

 これでいいだろ? ただし1時間までだ。」

 

「・・・ふ、ふん! 最初からそう言えば

 いいんだ、まったくもう!」

 

一瞬、うれしそうな顔を見せる。

 

「さ、さあ! そんなとこに立ってないで

 こっちに来るといい!」

 

近くの席に促す。

 

「はいはい。」

 

靴を脱ぎ、部屋に上がる。

 

「ほら、早くしろって!」

 

ロウの服を引っ張る。

 

「よいしょっと。」

 

「よし! なんのゲームをしようか?

 レースか? 格ゲーか? 音ゲーか?

 RPGもありだぞ!」

 

「落ち着けって・・・。」

 

「1時間しかないからな・・・・よし!

 ここは2人でできるパーティーゲームにしよう!」

 

カセットを取り出す。

 

「よし、いいぞ。」

 

袖をまくる。

 

「ほら、早くやるぞ! ・・・・えへへ♪」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。