グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第7話 秘密を守る

再び、報道部部室

 

「で? 今度はなんだよ?」

 

カップラーメンをすすりながら尋ねる。

 

「実は、あんたと行ったクエストの

 記事、あるじゃん?あれの見出しが

 全然思いつかないのよ・・・・。」

 

「はぁ?」

 

まったく予想していなかった

頼みだったため、思わず素っ頓狂な

声を上げた。

 

「・・・内容はできてんのか?」

 

「それは・・・まあ、うん。」

 

・・・触れないでおくか。

 

「んで、見出しは何か思いついたのか?」

 

「ぱっと思いついたのは

 『怪奇!特派員の見た真実!街を占拠した

 ゼリー怪物にあられもない少』・・・

 いや、なんでもない。あんたのその顔見たら

 続ける気なくなったわ。」

 

「賢明な判断だ。」

 

「ほ、本命はこの中よ!」

 

そういって分厚い紙の束を取り出した。

 

「・・・全部で何個浮かんだんだ?」

 

「ざっと100くらいね。これでも

 だいぶ絞ったんだけど・・・。」

 

「どうせさっきにみたいに

 数稼ぎで思いついたやつだろ?」

 

「なーによ、まだ全部読んでないのに。

 ・・・あっ、これとかどう?」

 

「んん?」

 

見出し候補を指さす。

 

「『希代のパパラッチ岸田夏海によるドッキリ!

 スライムちゃんのお宅訪問』!」

 

「却下。」

 

「じゃ、じゃあ『新聞記者は見た!凄惨な

 事件現場に残る謎の液体と政府の関係とは!?』は?」

 

「却下だ。第一、あのスライムに政府の

 せの字もなかったろ。」

 

2つの見出しに黒線を入れて消していく。

 

「こ、これくらいのセンセーションな

 見出しは当然だって!

 ・・・まあ、省くつもりではいたのよ?」

 

「・・・。」

 

信用できない目付きで見る。

 

「だから、その、ギャグよギャグ!

 だから・・・全部ボツ、だわ・・・。」

 

目に見えて力が抜けていく。

 

「終わったな、適当につけて諦めるんだな。」

 

「いやよ!だって部長に

 『たまには僕より面白い記事を書いてくれよ。』

 って言われたのよ!」

 

「知るか。」

 

「今すぐ手伝って、そして慰めてよ。」

 

「だから知るかっての。」

 

冷たくあしらう。

 

「あーもう!だったら、ジュースあげるから!

 あ、あと・・・・あんパンも・・・・。」

 

「・・・はあ、わかったよ。」

 

「よーし!ぜぇったい!部長に一泡吹かせてやるわ!

 そうなったら、夜食の買い出しに行かないと・・・・。」

 

「夜食?」

 

「当然、2人分よ!今日は寝かせないわ!」

 

「」

 

まじか・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

廊下

 

「くそ・・・まさか朝まで考える羽目に

 なるとは・・・・。」

 

あくびをし、ふらつきながら

歩く。そのとき、曲がり角から

誰かの話し声が聞こえる。

 

「あっ!?」

 

「ん?」

 

 

 

 

<5分ほど遡り>

 

 

 

「はーい、どうもー! 応援ありがとー!

 これからもよろしくねー!」

 

ピンクのショートカットの女子生徒が

多数の男子生徒に向かって手を

振っていた。

 

「・・・ふぅ。」

 

周りにいなくなってから

ため息をつく。

 

「あー疲れたぁー。」

 

高い声から少し低くなる。

 

「やっぱ楽じゃないなぁアイドルって。

 テレビに出てないときくらい、素で

 いさせろっての。」

 

口調が荒くなる。

 

「だるぅ・・・あっ!?」

 

「ん?」

 

 

 

<現在に戻り>

 

 

 

「あ、あなたいつからそこに・・・!

 あ、絢香ちゃんだよー?」

 

「?」

 

有名・・・なのか?

 

目を細めて見る。

 

「う・・・も、もう遅いよね・・・・。

 はぁー・・・ばれちゃったよ・・・。」

 

「ばれた?」

 

あの口調の話か?

 

「何の話だ?」

 

「とぼけないでよ!あたしはアイドルなのよ!」

 

「へえ、それはすごい。」

 

軽く手をパチパチとさせる。

 

「ありがとう・・・じゃなくて!

 アイドルはイメージが大事なのよ。

 だから学校でも演技はかかさないの!

 言ってる意味、分かるわね?」

 

「・・・・ふむ、つまりどういう意味だ?」

 

意味は分からなかったようだ。

 

「・・・ああもう!ちょっと来て!」

 

「?」

 

手を引っ張られる。

 

なんなんだっての・・・。

 

 

 

<ロウ、絢香移動中>

 

 

屋上

 

「はあ・・はあ・・

 誰もいない・・わね?」

 

「ああ、俺らだけだ。」

 

「意味が分からないっていうなら、

 わかりやすく言うけど、あたしのオフを

 知られたら大変なことになるの!」

 

「・・・大変なこと?」

 

いまいちピンと来ない。

 

「ようするに、私の生死にかかわると

 いっても過言じゃないの!本気で!!」

 

ぐいっと詰め寄る。

 

「・・・はい、わかりました。」

 

あまりの迫力に敬語になりながらも

了承した。

 

「いい!? あたしを死なせたくなかったら

 誰にも、絶対に言わないでね!!」

 

はぁ・・・めんどいな・・・・。

 

 

 

 

<時間は流れ>

 

 

 

 

放課後

 

「さぁて、いちいち購買で

 カップ麺買うのめんどいし、

 スーパー行って買いだめするか。」

 

そう言ってロウは

風飛市のスーパーの前に来ていた。

 

「とりあえず、しょうゆ、塩、

 味噌を10個ずつ買ってくか・・・・ん?」

 

スーパーに入ろうとしたロウは

近くのある建物を見つける。

 

「ゲームセンターか・・・・

 ・・・・! もしかしたらあれがあるかもな・・・。」

 

どこか懐かしい目になる。

 

「・・・ちょっと行ってみるか、うん。」

 

 

 

 

<ゲーセンに入店>

 

 

 

 

「え~っと、あれはないか・・・?

 あれは・・・・!!・・・・あった。」

 

ロウが見つけたのは

スロットだった。

 

「にしてもやっぱり人は多いな・・・。

 学園性もいるし。」

 

格闘ゲーム機には

学園の女子が何人も倒していた。

 

「さてと・・・・。」

 

ゆっくりとスロット台に座る。

 

「これで、いいのか・・・?

 よし、スタート!!」

 

 

 

<数十分後>

 

 

 

「いや~もうけもうけ。」

 

ロウの両手には大量の食べ物が

入った紙袋があった。

 

「やっぱ衰えてなかったな~。

 ・・・ん?」

 

格闘ゲーム機の前で足が止まる。

 

「え?」

 

さっきまでゲームをしていた

学園生が振り返る。

 

「?」

 

ロウの顔を見るなり慌て始める。

 

「え、えと・・・あの・・・

 ええい!あんた!!」

 

「はい?」

 

「あ、アタシと格ゲーで勝負よ!!

 勝ったらアタシの言うことを

 聞きなさい!」

 

「??」

 

なんなんだ、一体・・・。

まあ別にいっか、どうせゲームだ。

 

「よしわかった。」

 

ロウはゲーム機の椅子に

腰かけた。

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