グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
更新できませんでした。すみません。m(_ _)m
学園地下
魔法使いの村
「ロウさん! お疲れさまでした!」
この日、ロウは葵、紗妃らとともに
戦闘訓練を行っていた。
「ああ、だいぶ疲れた。」
「つきましては、香ノ葉さんのご要望で、
お疲れ会を予定しているのですが・・・」
「い、いけません! 片づけが済んだら、
もう放課後です!」
「ったく、相変わらずうるさい奴だ。」
軽く欠伸をする。
「特に白藤さんの発案でロウさんを
誘うなど・・・!」
「・・・?」
葵はわからないという様子で
首をかしげる。
「あ、か、彼女はその、時折、行き過ぎる
というか・・・。とにかく、お疲れさま会なら
ほかの人がいるところでするようにと!」
「はぁ・・・。 ! では、ご一緒するのは
どうでしょうか?」
「え!?」
予想外の提案に驚きの声を上げる。
「風紀委員の方がいるのであれば、
何も問題はありませんから! それに普段あまり
お話もしませんし・・・これを機に!」
「あ・・・あ、ええっと・・・・・。」
返答に困る。
「くくく・・・。」
「笑わないでください! ・・・?」
何か鈍い音が聞こえる。
「い、今・・・。」
そのとき、突如地面が揺れ始める。
「なんだ・・・? くそ!」
デバイスの通話を結希につなぐ。
「宍戸! 何が起こってる!」
『霧の濃度が急速に増加している・・・。
これは、おそらく霧の・・・』
その瞬間、ロウは霧に飲み込まれた。
「・・・さん・・・・
・・ロ・・・さん・・・。」
誰だ・・・・うるせえな・・・。
「ろ、ロウさん!」
「!」
ロウはがばっと起き上がる。
「・・・双海か。」
「は、はいぃ・・・。」
少し声を震わせながら答える。
「あ、あの・・・ここはいったい・・・。」
「さっきのが霧の嵐だとするなら・・・」
「きゃあ!」
「!?」
「ひぃ!?」
急に叫び声が聞こえ、驚く。
「・・・まあ、急に出てきたからな。
周りの奴らも驚いてるようだな。」
「・・・・・あれ?」
「どうした?」
「あ、あれ・・・。」
心が指さした方向には
心によく似た少女が立っていた。
「わ、私によく似てる子ですねぇ・・・。」
「てか、あれは・・・・。
・・・・・ちょっと、耳貸せ。」
「? はい・・・。」
耳をロウに近づける。
「さっきの続きだがな、霧の嵐だとして
この状況・・・たぶん、ここは過去の裏世界だ。」
「え、ええ!?」
「大きな声出すな。」
「あ、はは、はいぃ! 大声ですみません!
わた、わたし、理解するのが遅くて・・・
・・・と、いうことは、あの子供は・・・。」
「お前だろうな。」
まったく面倒なことになったな・・・。
「お姉ちゃんたち、さっきの人たちの
しりあい?」
子供の心が話しかける。
「ふぇ・・・? あ、さ、さっきの
人たちとは・・・?」
しどろもどろになりながらも答える。
「あのね、心に声をかけてきた
お兄ちゃんたち。パパはどこ、って聞かれて
連れて行ってくれるって言ったの。」
・・・それ、まさか・・・。
「そ、そうなんですか・・・ええと・・・
すみません、たぶん知らない人です。」
「あっ!」
「ん?」
声のしたほうを向くと、
紗妃がこちらに迫っていた。
「こんなところに! 何をしてるんですか!」
「ああ、氷川か。」
「先ほどのは霧の嵐ですよ! 飲み込まれた
ということは、私たちはうらせ・・・かい・・・に・・・。」
子供の心を見て、次第に
言葉が詰まる。
「・・・あ・・・あの・・・。」
「そ、そうですよね! 霧の嵐に飲み込まれたら
帰れる保証はないって聞いてたのにすっかり忘れて
子供時代の自分を見て話しかけてしまうなんて・・・。」
次第に土下座の態勢になる。
「いじめちゃダメ!」
「・・・へ?」
子供の心が2人の間に入る。
紗妃が素っ頓狂な声を上げる。
「お姉ちゃんのこと、いじめないで!
泣かせる人、悪い人だよ!」
「あ、い、いえ私は、泣かせるつもりでは・・・。」
「わ、わたしのせいで氷川さんがあらぬ
誤解を・・・!? ああ・・・やっぱりわたしは
ダメなクズ女なんですぅ・・・死んでお詫びを・・・。」
「いじめちゃダメー! 誤って!」
「ろ、ロウさん! どうにかしてください!」
「はあ? なんで俺が・・・。」
面倒だと顔でアピールする。
「その、ふうびキッズの時もそうでしたが
子供の扱いは苦手なんです!」
「はっけん! はっけん!」
どこかから別の声が聞こえる。
「こ、今度は何ですか! って・・・・。」
「ん?」
「怪しい人たち! ゆうかいはんね!
しんみょうにおなわにつきなしゃい!」
笛をぶら下げた紗妃に似た少女が
ロウたちを指さしながら叫ぶ。
「・・・つ、次から次へと・・・。」
頭を抱える。
「・・・とりあえず状況整理だな。」
数分後
「じー・・・。」
「じー・・・。」
子供の心と紗妃が黙って
ロウたちを見る。
「ふ、2人とも疑惑の目でこちらを・・・。」
「それは仕方ないでしょう。子供に声をかけるなど
明らかに事案ですよ。特に今が10年前だとしたら・・・。」
「? なんかあるのか?」
「・・・風飛市連続児童誘拐事件、です。」
「れんぞくじどうゆうかいじけん!?」
驚きの声を上げる。
「そんな事件があったとはな・・・。
・・・それにしても氷川、お前
ガキの頃もあんま変わんねえな。」
「そ、そのことは何も言わないでください!
あと、い、委員長にも言わないでください・・・。
自警団まがいのことをしてなんて知られたら・・・。」
少し顔が赤くなる。
「え、えっと・・・それで、
わたしたち、どうすれば・・・。」
「前に聞いた話じゃあ過去の学園生が事件に
巻き込まれてたはず・・・。ということは、
おそらく今回もそうなるだろうな。」
「え? わ、わたしたちが誘拐事件に
巻き込まれるんですか・・・?」
「まだわからねえけどな。」
「念のため、親のところに帰しましょう。
幸い、私の家は風飛市内です。双美さんはどうですか?」
「え、ええと・・・。」
少し伏せ目になる。
「わ、わたしは隣県の祖母の家に・・・
りょ、両親が亡くなってますから・・・。」
「あ・・・・・す、すみません・・・
事情を知らず・・・。」
「い、いえ、大丈夫です・・・。
それに、た、確かに危ないですから・・・。
あの・・・。」
そう言い、心は子供の紗妃と心に話しかける。
「うん?」
「なあに?」
「こ、ここは危ないから、お姉ちゃんたちと
一緒に帰らない?」
精一杯、にこりと笑う。
「あ。」
「い、いけません! その言い方は・・・。」
「ふぇ?」
「・・・・や、やっぱり・・・。」
「・・・ゆ、ゆうかいはん・・・・・?」
「え? え? えええ?」
訳が分からず、心はあたふたした。