グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
<ロウたち、再び移動中>
移動中、結希から連絡が入り、その地点に向かっていた。
「・・・あら? あれは・・・。」
紗妃の視線の先には、
子供の結希がいた。
「あー! あれ、あやしい人!」
子供紗妃が2人組の男を指さす。
「あいつらか・・・・・・・ん?」
一瞬、ロウの目に2人の
男の顔が映った。
「!!」
ロウは驚きで目を大きく見開いた。
「・・・・あいつは・・・・。」
「? どうかなさいましたか?」
「・・・いや、なんでもねえ。」
「しかし、なぜ宍戸さんが・・・。」
「てか、あれ、手を引っ張ってねえか?」
紗妃がデバイスで宍戸に連絡する。
「宍戸さん! 何をしているのですか!
あなたが攫われてしまいますよ!」
『わかってる! 通報したから監視を続けて!』
「な、なにを悠長な・・・・・。」
『魔法を使ってはダメ! 私たちはグリモアの
生徒を自称している!』
「・・・ああ。ここには戸籍はねえし、
警察に見つかりでもしたらいいわけできねえしな。」
「う・・・・わ、わかりました。」
どうにか納得する。
「み、見ていることしかできないということですか・・・?」
「・・・わたくし、お役に立てないのでしょうか?」
「・・・・・・・・いってくる!」
「・・・え?」
子供紗妃が前に出る。
「いって、あやしいひとに
つれてかれないようにしてくる!」
「わたくしも行きます! じいやたちがきっと、
さがしてくれています! じいやたちがいれば、なにも
怖くありません!」
子供葵も前に出る。
「・・・では、わたくしはじいやを探しましょう。
一刻も早く場所がわかるように。」
「冷泉さん!」
「氷川さん、ロウさん。他の人とあの誘拐犯が
逃げないように監視しておいてください。
探してきます!」
そう言って、葵は駆け出していった。
「・・・・・ああもう! ではどこまで行っても
絶対に目を離しませんからね!・・・しかし、
なぜ自分から危険な目に・・・?」
「いわゆる囮ってやつだ。あの2人組、
子供に興味があるらしいからな。」
「・・・確かに、そうですね。」
「・・・! 警察が来たな。」
「ええ・・・・。はあ・・・・
やれやれ、心臓に悪いですね・・・・・。
・・・あ。」
「どうした?」
「こ、子供たちがこっちに走ってくる・・・!」
「・・・・なに?」
ロウが確認すると、確かに
こちらに向かってきていた。
「警察までこっち見たぞ。・・・・やばい!
隠れろ!」
「は、はい!」
急いで物陰に身を隠す。
「けんきょです! けんきょ!」
「・・・ドキドキしました!」
「・・・あれ? お姉ちゃんたちは?」
「・・・本当に心臓に悪いな。」
「まったくです。」
数分後
犯人たちは通報を受けた
警官によって、逮捕された。
「これで一件落着、か。」
「ええ、そうですね。」
「もうだいじょうぶ?」
子供紗妃がロウと紗妃のもとに来る。
「ええ。・・・よく逃げてきましたね。
・・・今回は事情が事情ですが、いけませんよ。
危険なことはいっぱいあります。1人で街に出ないように。
いずれ、自由に出歩けるようになりますから。」
にこりと笑う。
「うん!」
「・・・・・・。ん?」
ロウは心たちのところへ行く。
「もう、かなしくない?」
「ええ、大丈夫です・・・・。」
もう1つの人格の方か・・・。
「おげんき出たならよかったけど・・・
・・・・あ、そうだ。」
「? どうしました?」
「心に話しかけてきたおじちゃん、
名前言ってたよ。」
「・・・・・名前?」
「うん。えーっと・・・・・ま、
まがやまって・・・言ってた。変な名前でしょう?」
「・・・・・・・・・・
!! ま・・・間ヶ岾・・・!」
表情が険しくなる。
やっぱり、あいつだったか。
ロウは間ヶ岾の顔を確認していた。
「・・・気を付けてください。絶対にその人に
関わらないよう。絶対に! いいですね!」
「う、うん、わかった・・・・・。
・・・知ってるの?」
「・・・とても、危険な人です。
・・・・・・もし、もし許されるのなら、
あなたを裏世界に・・・・。」
その瞬間だった。
「・・・・・あ・・・・。」
ロウたちは再び、
霧の嵐に飲み込まれた。
魔法使いの村
「・・・・戻ってきたか。」
周りの確認すると、
元の場所に戻っていた。
「全員いる?」
結希が確認する。
「はい、無事です。・・・大丈夫ですよね。」
「ええ、私たちは戻ってきました。
それにしっかり言い聞かせましたし。
大丈夫だと信じましょう。私たちなのですから。」
「すぐにまとめるわ。裏世界の状況。
それに・・・・次の探索で、1つ謎が
解けるはずよ・・・・・。」
「・・・・・・・・・
・・・・私は・・・・・・。」
翌日
風飛市内
廃ビル
「なんだよ、話って。」
ロウは義人を呼び出していた。
「おっさん、間ヶ岾については何か
わかったことはないか?」
「いや、なかなか尻尾を見せねえが・・・・・
奴がどうかしたのか?」
タバコを咥え、火をつける。
「昨日、過去の風飛に行ったんだよ。」
「過去?」
「ああ、そこではちょうど、風飛市連続児童
誘拐事件が起こっててな・・・。」
「・・・ああ、署のやつから聞いたことは
あるが・・・・・。」
「その事件に間ヶ岾が関わってたんだよ。」
「・・・なに?」
「・・・同じなんだよ。
「そうだったか・・・。わかった。
もうちょい詳しく調べとく。」
「頼む。」
義人は立ち去ろうとするが
「・・・なあ、ロウ。」
「・・・なんだ、おっさん。」
「お前、まだあの事隠してんのか?」
「・・・・・・。」
景色を見たまま黙り込む。
「誰か1人にでもいいから
話した方がいいんじゃねえのか?」
「・・・・・大きなお世話だ。俺のことに
立ち入らせるつもりもねえし、巻き込むつもりもねえ。」
「・・・そうか。んまあ、せいぜい抱えとけ。
いずれ限界が来るだろうけどな。」
「・・・・・・・。」
ロウはそのまま、1時間近く
景色を見続けた。