グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

97 / 337

通算100話突破しました。

これからも応援よろしくお願いします。




第93話 忍者

学園

 

校門前

 

「で? このくそ眠い中

 どういうクエストでたたき起こしたんだ?」

 

「ま、まあまあ落ち着いてくださいッス

 先輩。」

 

若干不機嫌な顔のロウを

なんとか宥める梓。

 

「実は、偶然にも自分の故郷から

 クエストの依頼が来てまして!」

 

「お前の故郷? ってなると・・・

 確か、伊賀か。」

 

「そッスよ! いやぁ、忍者なら今回の

 魔物くらいラクショーなんですが・・・・。」

 

「?」

 

「いろいろ重なって里に戦えるものが

 ほとんどいないんですよ。」

 

「何があったんだよ・・・。

 なるほど、だからお前に白羽の矢が

 立ったってわけか。」

 

「そうゆうことッス! それに、せっかくですから

 伊賀の里に興味ないかなーって思ったんですが・・・。」

 

「旅行みたいに言うな。」

 

「とーにーかーくー! 行きましょーよー!」

 

腕をグイグイと引っ張る。

 

「はあ・・・わかったわかった。

 行けばいいんだろ?」

 

「やったー! ではでは、

 よろしくお願いするッスよ!」

 

 

 

 

 

<ロウ、梓、移動中>

 

 

 

 

山奥

 

「いやいやぁ~ すみませんねぇ。

 遠出になっちゃって。」

 

「ああ、だいぶ遠出になったな。」

 

「でもま、デートってことで! なかなか

 地方のクエストはないっすからね。」

 

「言ってること白藤と

 大差ねえぞ。」

 

「え、マジッスか・・・。」

 

少し顔をしかめる。

 

「んで、この辺にあるのか?」

 

「ええ、この御斎峠一帯は伊賀忍者の

 隠れ里があるんです。山の中に入ると、

 罠とかいっぱいあるんスよ。」

 

「なるほど、他のやつじゃ時間がかかるな。」

 

そう言ったロウを横から

ナイフが襲う。

 

「『ROOM』『シャンブルズ』!」

 

ナイフをまったく関係ない

方向に移動させる。

 

「言ったそばでこれか・・・。」

 

「忍者のトラップは容赦ないッスからねぇ。」

 

「ったく、めんどくせえ・・・。

 とっとと終わらすぞ。」

 

「うぃッス! ではちゃちゃーっと

 切り上げて遊びに行きましょう!

 ・・・っと、さっそくっすね。」

 

一気に梓の目つきが変わる。

 

「ん、あれは・・・。」

 

2人の前に何個もの

目をつけた赤い鬼のような魔物が現れる。

 

「『タクト』!」

 

鬼を空中に浮かべ

動きをとれなくさせる。

 

「くらうッス!!」

 

梓は懐から小型の

黒い球体のようなものを投げつける。

 

魔物にぶつかった瞬間、

あたりに響く大爆発を起こした。

その音に思わず、ロウは耳をふさいだ。

 

「・・・なんて威力だよ・・・。」

 

「ほいっと、一瞬で終わりましたねー。」

 

「ああ、ほぼお前でな。」

 

「にしても・・・。」

 

梓はあたりを見渡す。

 

「前に比べてずいぶん罠が多くなったッスねぇ・・・。

 ここの罠って魔物もそうなんですけど、

 甲賀忍者のイタズラ対策なんですよ。」

 

「イタズラ?」

 

「ええ、昔っから仲が悪くてですねぇ。

 ちょっかいかけてくるんです。」

 

「・・・1つ思ったが」

 

「はい?」

 

「こんなに罠仕掛けられるんなら、

 そいつらでどうにかなるんじゃないのか?」

 

「確かに、討伐対象の魔物くらいなら

 余裕でどうにかできるッスけど・・・。」

 

やっぱりそうか・・・・。

 

「海外に派遣されるのとか多くなったんで、

 戦力が少ないんですよね。忍者志望も

 減ったし・・・。」

 

「それで、手が足りなくなったらお前が

 呼ばれるってわけか。」

 

「そーゆーことッス。外部の力は

 頼らないんです。まあ、自分は今回は

 ちょっと特別でして。」

 

「・・・特別?」

 

「とにかく、念には念を入れて先輩も

 お連れしたわけです。もし里の秘密を知っても、

 ナイショにしといてくださいよ?」

 

「何があるんだ?」

 

「・・・その・・・お尻ぺんぺん

 されちゃうんで・・・。」

 

「ん?」

 

ぼそぼそとしゃべったため、

聞き直す。

 

「な、なんでもないッスよ!

 さあ、行きましょう!」

 

「・・・?」

 

 

 

 

<ロウ、梓、移動中>

 

 

 

 

「さっきからさっぱり姿

 見せなくなったな。」

 

何度も周りを見るが、魔物の

姿を確認できない。

 

「うーん・・・どこ行ったんスかねぇ・・・。」

 

「・・・やけに焦ってるな。」

 

「そんなことはないッスよ?

 ・・・けど、この魔物、早く倒さないと

 いけないんで・・・。」

 

「?」

 

「けどそーいえば、このままただ手伝ってもらうのも

 あれですねー・・・。」

 

腕を組んで考え始める。

 

「・・・そだ!」

 

「なんだ?」

 

「手伝ってもらう対価に先輩の質問、

 なんでも答えましょう!」

 

「なんでも?」

 

「ふふふ・・・どです? 先輩。なんでも

 質問してもいいんですよ?」

 

「ふむ・・・。」

 

質問を考え始める。

 

「あ、ちなみに彼氏はいないッス。募集も

 してないのであしからずー。」

 

「聞いてねえよ。」

 

「聞いてねえよって・・・もう少し興味を

 示してくれたっていいじゃないッスか・・・。

 あ! ありきたりな質問は潰しておくッス!」

 

「ありきたり?」

 

「行くッスよ。好きな食べ物は納豆。嫌いな食べ物は

 匂いの強いもの(納豆以外で)。趣味は武器収集で

 特技は隠密行動。夢は伝説の武器を収集することッス!」

 

「・・・大体言ったな。」

 

「さぁーほら先輩! これ以外の質問、

 かもーんッス!」

 

「・・・・。」

 

黙り込んで考える。

 

「・・・じゃあ」

 

「さあさあ、なんですか? 先輩。」

 

「お前、なんで忍者をやってるんだ?」

 

「・・・ふむ、核心を突く質問ッスねー。」

 

「普通に暮らしてれば忍者になろうなんて

 そうそう思わないだろうしな。」

 

「カッコよく言うと・・・それが、

 運命だからッスかね。」

 

にやりとする。

 

「運命?」

 

「自分、代々忍者の頭領を務めている

 家系の人間なんすよ。」

 

「なるほど、決められたレールの上を

 歩くしかないってわけか。」

 

「そーゆーことッス。それが自分が忍者を

 やってる、絶対的な理由。まあ、普通の

 女の子の生活に憧れることもあるんですけどね・・・。」

 

「・・・そうか。」

 

「・・・たはは、なんかシリアスなムードに

 なっちまいましたね・・・反省反省。

 ・・・・!」

 

梓が何かの気配に気づく。

 

「・・・来たか。」

 

ロウは刀を構える。

 

2人の前に先ほどより

大きい魔物、そしてそれを囲って

魔物が数体ほどいる。

 

「『ROOM』!」

 

「よぅし、これで行くッス!!」

 

手をかざし、炎で攻撃する。

 

「『ラジオナイフ』!」

 

周りの魔物を次々と

切り裂いていく。

 

それと同時に梓の炎を

浴び、霧散する。

 

「『タクト』!」

 

魔物の周りの地面を隆起させ、

逃げ場をなくす。

 

「これで・・・・・終わり!!」

 

目にも止まらない速さで

クナイで魔物を攻撃する。

 

「さて、これで終わりッスね、先輩。」

 

「・・・・・。」

 

「? 先輩?」

 

「今攻撃してたのか?」

 

「え、ええ? 見てたッスよね?」

 

「いや、全然。」

 

「こ、これが忍者ッスよ! 目にもとまらぬ

 早業! あ、魔物は倒したら霧散するんで死体とかは

 ないです。」

 

「・・・・・。」

 

疑う目で梓を見る。

 

「ウソじゃないですってホントに!」

 

「んじゃあ、もうちょっと探すぞ。」

 

「ええ・・・・しかたないなぁ。じゃあ

 もし自分の言った通り全部倒してたら

 ・・・甘味奢ってください! 伊賀のほうに

 いい店知ってるんです。」

 

「いいだろう、行くぞ。」

 

「あ、言いましたね? 約束ッスよ?」

 

2人はさらに奥に進んでいった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。