ガンダム 一年戦争と称される戦場の中で戦いつづけるひとりの男がいた(ジオン側)   作:ぱみゅぱみゅ

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第7話 さまざまな思惑

 

 同封していたその紙の内容では・・・

 

 

〔ガリス大尉殿はこれにより MS機動中隊 特別編成部隊 設立を認め、中隊長に任ずる。〕

と書かれていた。

 

 

 「これは、どの軍に属するか書いていないのですが?」

その内容に宇宙攻撃軍、突撃機動軍のどちらに属するか書いていないことに気づいて何回も確認したが、見当たらなかった。

 

 

目の前にいたギレン総帥はこちらを見つめて口を開いた

 

 「わからぬか?その紙の通りにどちらの軍にも属していない。

つまり宇宙攻撃軍でもなく突撃機動軍でもない独立した部隊である。」

そう言い放った。

 

 

 「では、どう行動すればいいのでしょうか?」

当然、両方の軍に属していないとすれば行動するべき目的が見つからないことに困惑しつつも聞いた。

 

 「ギレン:貴様には独立部隊員として働いてもらう。基本的には突撃機動軍と宇宙攻撃軍から指示を受けることになるが、どう行動するかは貴様次第だ。」

そう言い、傍らに将棋盤があるのか将棋の駒の歩兵と書いてあるものを手に取った。

 

 「ギレン:これはドズルとキシリアから願い出されたことでもあるから理解してくれ。」

将棋の駒を弄びながら言った。

 

 「ドズル中将とキシリア少将からですか?」

その言葉に思わずに聞き返した。

 

 「ギレン:そうだ、二人とも貴様を将来有望視しているようだ。

 まぁ、それは俺も同じ考えだが。」

 

 

 「そうですか?」

まさかギレン総帥にまで期待されているとは思わず目を大きく見開いた。

 

 「ギレン:ああ、貴様の部隊を全面的に常に最新鋭の機体と最高の部品を与え続け、要求したものをすぐに届けられるように腕がいい技術部に手配するつもりだ。」

ガリスを見据えて冗談ではないと断言するように真剣な表情で言った。

 

 「えっ!?」

大尉に対するものとしてはまったくありえない破格の待遇であり、異例の中の異例で思わず耳を疑った。

 

 

 「ギレン:貴様は仮にもザビ家の一員だからこれくらい与えられても罰はあたらん。」

口角をわずかに吊り上げて目をスッと細めてガリスを見つめて言った。

 

 

 「はっ、ありがとうございます。期待を裏切らない働きを見せます。」

想像し得なかった恩恵に感謝の意をこめて頭を深々と下げた。

 

 

 「ギレン:うむ。突然だが、四日後に貴様の部隊はある部隊と演習を行ってもらう。」

思い出したかのように言い放った。

 

 

 「ある部隊?それはどの部隊ですか?」

演習という言葉を聞くとこれは負けてはならない大事な戦いだと内心そう思いながら、聞いた。

 

 

 「ギレン:それは後ほど秘書であるセシリアから貴様に知らせる。」

 

話を続けて言った。

 「この演習では別に勝とうとしなくていいが、貴様の実力を見せつけて周りを納得させる好機だ。」

この程度くらいやってもらわないと援助する意味がなくなるという風に言った。

 

 

 「はっ!!」

力強い返答をした。

 

その意思を確認すると小さく頷いた。

 

すると何か思い出したのか、口を開いた。

 「ギレン:言い忘れたが、部隊の要である戦艦とクルー人材についてはこちらで用意した。それに、資料とかがあるが簡易なものだから早めに終わらせるように。」

 

 

部隊員に関しては己で選べという意味があるのを感じ取れて頷いた。

資料という言葉を聞くと、明日半日は潰してしまうなと考えていた。

 

 

 「ギレン:報せはこれくらいだ、下がってよい。」

退室を促すように言った。

 

 

 「はっ。では、失礼します。」

そう言い、力強く敬礼して左足の軸を中心に半回転して扉に向けて移動した。

ノブを回して開くとギレン総帥に軽く会釈してから静かに扉を閉じた。

 

 

 

 

彼が去った扉を見つめていたが、視線を将棋の歩兵の裏表に戻した。

なにかを考えていたのか、それを見つめていた。

 

 

すると扉をノックする音が聞こえてふと見上げた。

扉が開いてその姿を認めると口を開いた。

 「ギレン:セシリアか、どうした?」

 

そこにはモスグリーンの制服に身を包んでおり、髪色はブラウンである女性がいた。

心配そうな表情であり、口を開いた。

 「セシリア:ギレン総帥閣下、ガリス大尉にそこまで与えていても大丈夫でしょうか?」

 

ギレン総帥はその問いにもっともな疑問だなと思いながら口を開いた。

 

 「ギレン:ガリスは他の人から見ればこの歩兵の駒のように凡人に見えるが、裏を返すととんでもない奴になるかもしれん。」

 将棋の駒の裏表を回しながら意味ありげに答えた。

 

 

そして、将棋の駒を机上に置いた。

背もたれに身を預けてセシリアの方を見上げた。

 

 「ギレン:まぁ、援助するからにはそれ相応分に見合うように働いてもらえるかどうかだな。」

それができないやつだったら初めから援助はしないという意味も込めていた。

 

 「セシリア:左様ですか。」

ギレン総帥閣下ならではの考えがあるだろうと思い、これ以上問うことはしなかった。

 

 

 「ギレン:それよりガリスの演習相手は決めたか?」

セシリアに問う。

 

 

 「セシリア:ギレン総帥閣下、ええ。決まりました。」

そう言い、手に持っている封筒の封を開いて個人のプロフィールを示す紙を取り出して机上に優しく置いた。

 

「ギレン:ふん、なかなか面白い組み合わせだな。」

その紙を手に取って確認すると軽く笑った。

 

 

「セシリア:あの。気になったのですが、ギレン総帥閣下はどうして演習を行おうと思い至ったのですか?」

 普段、ギレン総帥閣下は総帥という役割もあってジオン首相に比べて軍備、政治などで多忙にしており、演習と言った余興に時間を割くことを嫌っていた。

 

 

その問いに少し考える素振りみせると手に持っている紙を机上に置いた。

 

「ギレン:きみのことだから察しているかもしれんが、今回のことはドズルから申し込みがあったからだ。」

 片手を頬に親指を当ててこめかみに人指し指と中指を当てながら言った。

 

 

 「セシリア:ドズル中将からの依頼ですか?」

ドズル中将からギレン総帥閣下にお願いしてくるとはあまりないから今回のことは珍しいと考えていた。

 

 

 「ギレン:ああ、なんでもガリスの戦闘データを取りたいみたいだ。」

軽くため息ついて言った。

 

 「セシリア:ガリス大尉の戦闘データですか?」

思いのほかの理由で愕然とした。

 

 

 「ギレン:ああ、どうせキシリア絡みの提案だろう。

金とかの負担はドズルとキシリアが負うようだからな。」

 ギレン総帥としては損するどころか、得することがあるという風に言った。

 

 

 「セシリア:左様でしたか。問いが多すぎて申し訳ございません。」

納得した風に頭を下げた。

 

 

 「ギレン:ああ、構わん。それにこいつの相手にガリスがどのくらい戦えるか気になる。」

そう言いつつ視線を机上に置かれている紙の写真に移した。

 

そこには、銀髪を一つに纏めている白人男性で厳格な性格だとすぐわかる表情の姿があった。

名前はアナベル・ガトー大尉と書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギレン総帥がいる建物の出入り口にある自動扉を開いて出てくる男の姿があった。

彼の表情は内心いろいろと思索していたのか険しく眉をひそめていた。

 

 

(演習か・・機体の状況と作戦を確かめないとな)

肩の荷が重く感じていたのかわずかにため息をついた。

 

「しかも部隊設立となると朝から資料を見通しなどしないといけないな。」

軽くぼやきながら夜空を見上げた。

 夜空には人工の灯りが点っていた。

 

 

 (地球からだとどんな感じの眺めかな)

人工の灯りしか見たことないし、地球での暮らしに対して憧れを抱いていた。

そんなことを考えながら自分の家であるドズル邸に向けて歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――宿泊施設 女性専用部屋にて

 

深夜だからか真っ暗な私室の中を電気スタンドの一つの光が照らしていた。

そこには何やら作業している女性の姿があった。

 その女性の紫髪は普段ツインデールしているが、風呂に入ったのかストレートになっていて寝着姿であった。

 

 

 「やっとできたぁ。」

そう言って大きく背伸びした。

 作業したものを手に取って目線の近くまで持ちあげるとニヤけた顔でそれを見つめていた。

 

 「ウフフ、二人とも喜んでくれるかしら?」

明るい声でそう言った。

 

 手に持っているそれは、三つ編みのミサンガであり、模様は白と赤と黒でありジオンの国旗の色を表したのを見て取れる。

 

 「うーん。まだ酔いが残っているし、そろそろ寝るか。」

時計を見ると現在は午前一時半になっていた。

 ゆっくり席を立ち、電気スタンドの電源を切ると辺りは暗闇に包まれ、その中でベッドに身を預けた。

 

(明日渡す時に二人がどんな反応をしてくれるかな)

そう考えながらわずかに微笑んで瞼を閉じて寝息を立てた。

 

 

 

 

 

 

―――宿泊施設 男性専用部屋にて

 

 窓辺に座っている茶髪男性の姿があった。

 

 「三人共に欠けることなくこの戦争を切り抜けられるといいな。」

そう呟いて、夜空に灯りが点っているのを眺めていた。

 

そして片手に持っているものに視線を戻した。

そこには士官学校卒業時に三人が揃っている姿があり、それぞれ笑顔を浮かべている写真であった。

 

 「あの人がいたから辞めずにいられたな。」

まるで感謝の意があるかのように呟いて、彼の表情はわずかにほころんでいた。

 

 




評価と感想を楽しみにお待ちしております。


 ガトー大尉は、漢の中の漢で惚れ惚れしますね。
うまく使いこなせるか不安だけどキャラを崩れすぎないよう気を付けて執筆します。。


 しかし、オリキャラがごさんと出てくることになるかもしれないけど大丈夫なのかな・・

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