気がついたら艦これの世界にいた。自分が設計した他の艦と共に 作:小鳥遊 小佳夏
その戦いは一方的で、もはや戦いと呼べるものかすら怪しかった。
「大和! 赤城! 大丈夫か!」
私は小笠原攻略艦隊旗艦としてここまで全員を無傷のまま連れてきた。そしてあと少しというところで・・・。
「私は大丈夫です。それよりも、あいつを・・・」
すでに轟沈寸前になっている大和がその敵を指差す。そいつは人型だが単艦だった。駆逐艦サイズでクリーム色の髪を腰まで伸ばした少女。それも武装を見る限り巡洋戦艦レベルの代物。あとは魚雷発射管を装備しているというくらいで特筆することはなかった。それに深海棲艦だ。いくら完全な人型で未確認の個体だからといっても、正規空母2隻の航空攻撃と戦艦2隻の砲撃に耐えられるわけがない。もし無理でも改二の駆逐艦たちもいる。そう思って慢心したのがいけなかった。
そいつはありえない速度で迫ってきた。50、いや80ktは超えていたと思う。そいつはその速度にこちらが戸惑った一瞬で近づき主砲と魚雷で攻撃してきた。さらには噴進弾のようなものまで撃ってきた。慌てて回避行動をとったが足の遅い大和に命中。赤城は交わしたと思ったが、どういうわけか魚雷に意思があるように赤城に向かっていき命中。すでに二人とも轟沈寸前だ。
「ぽいぽいぽーいっ!」
「やらせないよっ!」
「一航戦の誇り、こんなところで失うわけにはいきません!」
護衛の夕立と時雨と加賀航空隊の攻撃もそいつはその圧倒的な速度で躱し、機関砲みたいな武装で反撃する。すると航空機は面白いように落とされ口径が大きいのか、夕立と時雨もあっという間に中破する。加賀も誘導式としか思えないコースで迫る噴進弾の連続攻撃で中破した。あれでは第二次攻撃隊は出せないだろう。
「後続の艦隊は・・・」
私たちの後詰をする艦隊に連絡を取ってみても、そちらは別の深海棲艦の艦隊と交戦中でこちらの援護にこれそうもない。鎮守府にこれを知らせようとしてもノイズがひどくて連絡が取れない。
「くそぉっ!」
私が41cm砲で砲撃してもそいつは面白いように避けていく。なぜか電探が動かないのも大きい。弾着射撃をしようにも、偵察機は飛ばす側から落とされる。大和たちがほとんど動けない中、私だけが撤退するなんていう選択肢は初めからない。後詰の艦隊がこちらに来られるようになるまでなんとか持たせるしかない。
「やれるだけ、やってみるしかないか!」
私は絶望的な状況だが、なんとかそいつを引きつけ轟沈艦を出さないために動く。早く救援が来ることを信じて。
その頃の硫黄島攻略艦隊
「何なのよ、あれはぁっ!」
硫黄島攻略艦隊旗艦の私、陸奥は突然飛来した飛行物体に攻撃された。飛行機のような翼を背負った少女による絨毯爆撃だ。今まであんな深海棲艦は見たことがない。それに突然襲いかかられたのもあって私、武蔵、蒼龍、飛龍、陽炎、不知火のうち私、武蔵、陽炎、不知火が一気に中破にされた。迎撃機を上げようとしても上げたそばから誘導弾としか思えない噴進弾によって撃墜された。私と武蔵が砲撃しようにも三式弾はなぜかはじかれ、高角砲や機銃もあまり効いている様子ではなかった。対空電探がなぜか機能せず自由射撃になったのが痛かった。その後、その少女が搭載していた大口径砲により残りの艦も中破に。追い討ちに大型爆弾を投下されロケット弾による攻撃も行われ私たちは一人残らず大破。そこでその深海棲艦は後続艦隊がいる方へと向かっていった。
「私にもわからんな。新種の深海棲艦としか言えん」
「とりあえず、このままでは攻略戦どころではないわね。後続艦隊と連絡を取って撤退しましょう」
後続艦隊に連絡を取ってみると、その深海棲艦は艦隊を全員轟沈寸前にした後撤退したそうだ。なぜ沈めなかったのかはわからないけど、轟沈艦が出なくてよかった。
それから無事後続艦隊と合流できた私たちは一路横須賀鎮守府へと向けて進路をとる。
こうして硫黄島攻略戦は失敗した。
次は超兵器戦になると思います。