哿の暗殺教室   作:翠色の風

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想像以上に話が長くなったため、2話に分けて投稿します。


09弾 転校生の時間

翌日、俺はいつも通りに登校途中で凛香と会い一緒に登校しているが、

 

「……」

「……」

 

いつもより空気が重く、気まずい……

膝枕の件なのだろうか、凛香がいつも以上に無口になっている。

 

「り、凛香」

「……何」

「今日来る転校生って、どんなやつだろ?」

「……さあ」

「「……」」

ダメだ、俺だけだと2言3言で終わり会話が続かん……

誰かこの気まずい雰囲気を崩してくれ……

 

「お、E組公認の夫婦お二人も転校生の事気になるか?」

 

俺の祈りが通じたのか、後ろから岡島と渚と杉野がやってくる。

岡島、夫婦って何を言ってんだ?

それよりも、今は凛香をからかわない方が良いぞ。

 

「実は俺、聞いた……」ゴスッ!

 

ああ、遅かったか。岡島が吹き飛んでる……

岡島……お前の犠牲は無駄にしないぞ……

 

「バカはほっとくとして……」

「え、放置なの!?」

「烏間先生の体育を受けてんだ。たぶん無事だろ。それに俺のいた学校に比べたらあれは優しい部類だぞ」

 

武偵高の教師はやる本人が化け物だからな。懲罰をくらったらマジで廃人か死体になりかねん。

 

「……」

「渚、キンジのは気にしたら負けだ」

「そうだね、杉野……」

 

杉野に失礼なことを言われたが気にしていたらキリがない、本題に進もう。

 

「それで渚、転校生の事知っているのか?」

「確証はないんだけど、岡島君に見せてもらった写真と烏間先生の文章からしたら女の子の殺し屋じゃないかなってさっき話してたんだ。」

「しかもけっこう可愛かったぞ」

岡島を吹き飛ばした凛香は、杉野の言葉を聞いて俺の横に戻ってくると

 

(転校生でヒスったら、わかっているわよね?)

 

という睨みつけるような視線がビシビシと伝わってきている。

横の殺気にも似た視線を感じたため、俺はただ「そうなのか」と相打ちをすることしか出来なかった。

 

 

「さーて、転校生はもう来てるかっ!?」

教室前の着き、転校生が女子と分かり浮かれている杉野と転校生に純粋に興味を持つ渚が先に教室に入り固まった。

 

「「?」」

 

俺と凛香は渚達が固まったことに疑問を持ち教室を覗く。

そこには俺の身長ぐらいの大きさの黒い物体があった。

しばらく、今日一緒に登校したメンバー全員で黒い物体を眺めていたら、画面らしいところから少女の画像が映り

 

「おはようございます。今日から転校しましました、『自律思考固定台砲台』です。よろしくお願いします。」

 

⦅そうきたか‼⦆

 

顔を見なくても分かる。きっとみんな同じことを思っただろう……

 

「それにしても、殺し屋、武偵ときて次はAIか……政府も大胆な事をしてきたな……」

 

と転校生がAIと知り、ヒステリアモードになる可能性が極めて下がった為か現状への判断が冷静にできた俺はひとまず落ち着いたあと、自分の席で始業のベルまで寝て待っていた。

 

 

チャイムが鳴り、転校生の紹介のため烏間先生が疲れた顔をしながら

「ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ、仲良くしてやってくれ」

と紹介する。

 

(烏間先生も大変だな……)

(私があの人ならたぶん途中で仕事放棄しそう)

(今度あの人にハンバーガーでも買ってあげようぜ……)

(そうね……)

 

幼馴染特有のアイコンタクトでの会話をしている間に、殺せんせーはAIを生徒として認めたようだ。

そのまま殺せんせーの授業が始まる。

さて、転校生はどんなふうに暗殺を仕掛けてくるんだ……

そう思った直後、黒い物体の横から、ショットガンや機関銃が出てきて殺せんせーを狙う。

何故か俺の方にも飛んできたが、きっと誤射だろう。

先生に向けて飛ばした弾幕は全て避けていた。

 

「機関銃2つにショットガン4つですか、まだ他の生徒が撃つ方が弾幕は濃いですね。あと、授業中の発砲は禁止ですよ」

「すいませんでした、殺せんせー。続いて攻撃に移ります」

 

おい!人の話ぐらい聞けよ!

しかも俺に向かってくる弾幕も増えているし……

弾幕がやみ、殺せんせーがナメた時の顔をしている。

あの一瞬で何が起こったんだ?

 

「作戦は上手いですが、1度似たようなことをされましてね。意識外からの射撃も警戒していれば、どうという事もないのですよ」

「ブラインド失敗。次の作戦に移ります」

 

 

次の弾幕に移る前に殺せんせーを狙いながら俺の頭にもポコポコと当ててくるAIにとうとう俺はキレた。

 

「さっきから俺の頭にポコポコ当てやがって、痛くはねーけど鬱陶しいんだよ!なんか恨みでもあんのか!」

「恨みはありません。E組の中で唯一正面から触手を3本破壊した生徒のデータも入手せよと開発者より言われました。開発者が言うには、その生徒は人間離れした事をやるため私の進化に役立つと」

「俺なんてそこらへんの学生と大差ねーよ」

『お前と一緒にするな!』

 

おかしい……人間ができる事をやっているだけだろ?

 

「これ以上の会話は不要と判断します。続けて攻撃に移ります」

 

午前の授業中は転校生の攻撃でまともに聞ける状況じゃなかった。

 

 

 

昼休みに入りBB弾が散らばった教室を片付けた後、昼飯がない俺は外で昼寝をしていた。

 

「やっと見つけた、こんなところでなにしてるのよ?」

「凛香か、お前が昼飯持ってくるなって言うから飯食っているところにいたくないしここで昼寝していた」

「そう、あとこれ……」

 

そういいながら凛香は、俺の隣に座り四角いものを渡してくる。

 

 

「これは?」

「……弁当」

「は?」

「勘違いしないでよね。別に白雪さんに対抗とかキンジが家でもコンビニ弁当とかばかり食べているから心配とかそんなんじゃないから」

 

凛香に押し付けられるように弁当を渡してきた。

 

「てっきり、膝枕の件で怒ってるのかと思ったんだが」

「あれは……だし、別に怒ってないから」

 

前半部分は声が小さく聞こえなかったが膝枕の事は怒ってないと分かったため、ひとまず俺は安心する。

ここは何も聞かずに大人しく渡された弁当を食べるか。

 

さっそく弁当を開けてみると、ウインナーや卵焼き、おにぎりなどの弁当の王道と呼べるようなものが入っている。

凛香も自分の分の弁当を食べ始めたため、俺も食べ始める。

 

(普通に旨いな……)

 

2人とも口数は少ないほうのため、食べている間喋りはしなかったものの朝のような気まずさはなかった。

弁当を食べていると、時々凛香はこちらの顔を見てきたが顔に何かついてたんだろうか?

 

 

結局平和だったのは昼休みのみで、午後の授業や放課後の補習もBB弾の弾幕でまともな授業がおこなわれることはなかった。

てか、補習の時まで撃つなよ。掃除するの俺1人なのに……

 

 

 

 

~凛香side~

 

「これぐらいで終わろうかな」

 

そろそろキンジの補習も終わる頃の為、待っている時間を利用してやっていた射撃訓練を切り上げる。

キンジや烏間先生にいろいろとアドバイスをもらい、今では外す方が珍しいほどまでに命中率が上がった。

 

 

校舎前で待つが補習が終わる時間になってもキンジが来ないため、暇を持て余した私は空になった2つの弁当をつい見てしまう。

ヒステリアモードじゃないときは感想などの気の利いたことを全然言わないが、キンジは顔に思っていることが出やすい。

食べている時に、時々アイツの顔を見ると『普通に旨いな……』と思っているのが分かり内心嬉しかった。

 

(明日は何作ってあげよかな)

 

そんな事を考えているとようやくアイツが校舎から出てきた。

 

「今日はいつもより遅かったわね」

「転校生が補習まで弾幕張るから1人で掃除してたんだ……」

 

ちょっとキンジが気の毒に思えてくる。

 

「転校生のあれ、殺せんせーを殺すまで続くのかな?」

「いや、俺にも向けてくるからガムテープを借りてグルグル巻きにした。少なくとも明日はないだろう」

 

今日のようにはならないのは嬉しいけど、そんな事をして大丈夫なんだろうか?

そう思いキンジに聞くと

 

「先生が生徒に危害を加えるのはダメでも、生徒が生徒に危害を加えるなって規約はない」

「……へりくつ」

「うるせぇ」

 

幼馴染と夕焼けが終わりかける中、そんな会話をしながら下校した。




5日ほど旅行に行くため、更新は一時止まります。

次回で転校生の話終わるといいなあ
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