今回キンジはほぼ出てきません。
~凛香side~
雨が降っているためキンジの補習を待っている間どうしようかと悩んでいると、何故か補習を受けているはずのキンジがウロウロしている。
「キンジ、何やってるの?」
「凛香か、殺せんせーどこいったか分かるか?補習の課題で聞きたいことがあったんだが……」
「私は見てないわ」
「そうか……」
キンジは高校生のくせに寺坂以上に勉強ができない。
その為こうして毎日放課後補習を受けている。
今は殺せんせーもいないらしい。
仕方ない、この勉強面で少し頼りない幼馴染の手助けでもしますか……
「どこ?」
「ん?」
「だから、どこが分からないの?教えれそうだったら私が教えるから」
「すまん、助かる」
「これは貸しだからね」
「ああ」
教室に戻り、国語関連を私が数学などを律が教えた。
どうやら、キンジは数学がかなりダメみたい。
キンジに2人がかりで、勉強を教えていると何やら生暖かい視線を複数感じる……
視線を感じた方向を見ると、殺せんせー、茅野、矢田、倉橋、岡野がニヤニヤしてこちらを見ていた。
殺せんせーなんかメモを書いているため、ムカついた私はキンジに銃を借り野次馬に向けて発砲しようとしたところで
「待って、それエアガンじゃなくて本物でしょ!?撃たないで速水さん!」
慌てた様子で潮田が止めてきた。
仕方なく、銃をキンジに返すと
「凛香も武偵高の奴らみたいになってきたな……」
と苦笑いをしていた。
失礼な、キンジに聞く限りだが私はそこまで野蛮ではない。
キンジに一睨みした後、私は渚達がなぜここにいるかを聞く。
「実は速水さんに頼みたいことがあって」
「内容によるわ」
「実は……」
内容を聞くと、どうやら前原が受けた屈辱に対して仕返しするらしい。
だからなのか、いつもより前原の顔が暗い。
確かに理不尽だと思うが、正直あまり気乗りがしない。
悩んでいたら、矢田がこっそりと私の耳元でこう言った。
「もし手伝ってくれるなら、話題の映画のチケット2枚あげるよ。キンジ君を誘って今度
デートという単語を聞き、私の中の天秤が傾いた。
「仕方ないわね。手伝うわ」
渚などがキンジも誘おうとするが、殺せんせーと私で止める。
作戦の内容的にいなくても問題なさそうだし、なによりこの壊滅的な数学をどうにかしないといけない。
律にキンジの勉強を頼んだあと、私達は仕返しする現場に向かった。
ターゲットは喫茶店のオープンテラスにいる五英傑の瀬尾とそのツレだ。
私達は今その喫茶店の向かいにある民家の2階にいる。
民家には倉橋と矢田が交渉して上がらせてもらった。
私の仕事は、タイミングを合わせてコップにこのBB弾みたいな下剤を入れることだ。
渚と茅野が変装してやってきた。
見た目は完璧におじいさん、おばあさんだ。
「パーティー用の変装マスクをちょいっと
どうやらあれは菅谷のお手製のようだ。
ターゲット達にも気づかれていない。
渚達の合図を待つ。
それにしても喫茶店デートか……
キンジとしているところを想像しようとしたが、あの鈍感が誘ってくるはずがない。
思わずため息が出た。
「そろそろ合図がくるぞ」
杉野に言われ、意識を切り替えてスコープを覗く。
渚がサラダを落とし、ターゲットがそちらに意識を向ける。
それを合図に私と千葉は下剤をコップに向けて撃った。
「HIT!」
「動き回らないし、チョロいね」
私と千葉の仕事が終わり成り行きを見守る。
ターゲットは下剤が効きはじめ、トイレに駆け込もうとするが茅野が事前に入っており100m先のコンビニを目指して醜くケンカしている。
そこに木の上で待機していた人が枝を落とした、ターゲットは汚れた服装のままコンビニに駆け込みトイレを前で取っ組み合いをしているのが見えた。
仕返しは成功だ。
前原も教室にいた時より顔が明るくなっている。
「やべ、俺これから他校の女子と待ち合わせてるんだった。
皆、今日はありがとな、また明日な」
……仕返しの前に、あの女の敵をつぶせば良かったわね。
荷物を取りに教室に戻るとキンジが力尽きていた。
「律は鬼だった……」
「あ、速水さん。キンジさんの補習の課題ちょうど終わりましたよ」
「ありがとう、律。キンジ力尽きてないで帰るわよ」
キンジはノロノロと帰る準備をし、一緒に下校する。
「それで、みんなでやった仕返しはうまく言ったのか?」
「まあね、最後はちょっと釈然としなかったけど……」
「?」
そこでさっき仕返しの現場になった喫茶店が見えた。
「……キンジ、勉強教えた貸しだけど何かおごってよ」
「何かって何をだよ?」
「そうね、とりあえずあそこの喫茶店に入りましょ」
「仕方ねーな……」
財布の中身を確認するキンジを引き連れて、私達は喫茶店に入っていった。
後日映画のチケットをもらったが、烏間先生に仕返しの件がばれて関わった人全員が怒られるのだった。
次回は烏間さん大活躍……かも?