哿の暗殺教室   作:翠色の風

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キンジに野球をさせるか、バスケの監督をさせるかで悩みました……


16弾 球技大会の時間

イトナが休学してから1週間がたち梅雨が明け始めたころ、球技大会のメンバー決めが行われた。

球技大会は6月末に男子は野球、女子はバスケットボールをトーナメント式で行われる。

 

「なんでE組だけ書かれてないんだ?」

 

トーナメント表にはA~Dまでしか書かれていない。

 

「1チーム余るから俺達E組は余興試合(エキシビジョンマッチ)に出るんだよ」

 

俺の疑問に三村が答えてくれる。

 

「見世物として、部の選抜メンバーたちと戦わされんだよ。E組はこんな恥かくことなるぞって警告の意味も込めてな」

「ああ、()()()()()()か……ほんと、ここはこんなのばっかだな」

 

木村の言葉に思わずため息をついたが、片岡のやる気がなぜかすごかった。

 

「今年のE組は暗殺で基礎体力ついているし、良い試合して全校生徒を盛り下げようみんな!」

『おー!』

 

本校舎のヤツラを見返そうと片岡によって士気が上がる。

律もやる気が出たのか、ラクロスのラケットみたいなものを制作して

 

「片岡さん、ゴール率100%のボール射出機を制作してみました。」

 

おいおい、試合にでるつもりなのか⁉

 

「……律、お前が試合に出るのはいろいろマズイ。当日は大人しく誰かの携帯にいろ」

「なんでですか?」

 

律は本気で分かってないようだ……

 

 

 

球技大会は良いのだが1つ疑問がある。

 

「俺が出ても大丈夫なのか?」

 

まず俺は他の奴より年上だ、さらに本校舎のヤツラには武偵であることを秘密にすると理事長と決めている。

あまり目立つようなことは避けておきたいのだが……

 

「理事長が言うには『遠山君もE組の生徒だ。存分に球技大会を楽しんでくれ』だそうだ」

(よーするに武偵1人増えたところで戦力は変わらないから好きにしろってことか……)

 

烏間先生から理事長の許可があることを教えてもらい、嘗められている現状に少しイラッとくる。

 

「じゃあ、遠慮なくやらせてもらおうじゃねーか」

「キンジも参加するし、杉野もいるからもしかしたら勝てるんじゃね-か?」

「俺はそこまで野球できねーぞ。期待すんな」

 

前原の言葉に過度の期待をしないように一言言って、杉野を見ると何とも言えない顔をしている。

 

「野球を3年以上続けていたあいつらとほぼ野球未経験の集まりの俺達じゃ勝つ以前の問題だわ……」

 

杉野はそう言っている割には諦めているような顔ではなかった。

 

「……けど勝ちたいんだ。好きな野球で負けたくないし、何よりE組のみんなで勝ちたい! まあ、無理かもしれねーけどな」

「杉野、『諦めるな、武偵は決して諦めるな。』だ、やってみなくちゃ分からないだろ? それに殺せんせーを見てみろよ」

 

俺の言葉に皆が殺せんせーを見ると、ユニフォームに着替えやる気十分な姿だった。

 

「こ、殺せんせーも野球をしたいのはよく分かったけど、何する気なんだ?」

「杉野君、先生一度は熱血ものをやってみたかったんですよ。今回は熱血スポ魂コーチです。

殴らない代わりにちゃぶ台をひっくり返します」

『なんでちゃぶ台⁉』

「にゅや⁉ 君たち〇人の星を知らないのですか?」

 

(昭和アニメの内容を知っている方が少ないんじゃないか……)

 

「そ、そんなことは置いといて、最近目的意識をしっかりと持ち始めた君たちの心意気に答えてころ監督が勝てる作戦を教えてあげましょう」

 

殺せんせーの作戦のもと、球技大会まで練習が続いた。

 

 

 

 

球技大会当日、俺と凛香一緒にいつも通りの時間に登校する。

ここ最近は何故かよく俺の携帯にいる律も一緒だ。

いつもと違い凛香がどこかそわそわしている。

 

「凛香どうかしたのか?」

「別に……」

 

いや、絶対に何かあるだろ……

俺が何かしたか考えていると律が俺の携帯から凛香に聞こえないぐらいの大きさで喋りだした。

 

「キンジさん、キンジさん」

「どうした律?」

「速水さんを見て気づいた事はありませんか?」

「……ああ、髪型か」

 

そういえば、いつもと違い髪を後ろで2つに束ねているな。

 

「そのことがそわそわしている原因だと思いますよ」

「そうなのか?」

 

律に指摘されたため、改めて気づいたかのように凛香に髪型の事を聞く。

 

「そういえば凛香、髪型変えたんだな」

「‼。……うん、バスケをやるときに邪魔かなと思って。変?」

「いや、似合ってると思うぞ」

「そ、そう……」

 

髪型を言ってから学校に着くまで、心なしか凛香は嬉しそうだった。

 

(髪型ひとつでそこまで嬉しいものなのか?)

 

思った事をその日の夜に携帯にいた律に聞いたら

 

「キンジさんって、私より女心を理解していませんね」

 

と俺の理解度は機械以下だとダメ出しされた。

 

 

 

 

球技大会が始まり、最初はトーナメント戦が行われたがさして興味がなかったため時間まで寝て過ごした。

 

『それでは最後にE組対野球部選抜の余興試合(エキシビジョンマッチ)がまもなく始めます。参加選手はグラウンドに集まってください』

「キンジさん、起きてください。試合が始まりますよ」

「……律?お前女子の方に行かなかったのか?」

「はい。キンジさんは前に『大人しく誰かの携帯にいろ』と言いましたので」

「あまりよくわないが、良いか。それよりももう時間だったな」

「はい!頑張ってくださいねキンジさん!」

 

律に応援されつつ集合場所となっているベンチに行くと寺坂たち3人を除いた他全員がすでに集まっていた。

 

「やっと来たかキンジ。来ないかと思ったぞ」

「すまん、磯貝」

 

心配させた磯貝に謝りつつ、すでにウォーミングアップを始めている野球部を見てみる。

ウォーミングアップなのに動きが違う。向こうも気合十分なようだ。

 

「そういえば監督は殺せんせーがやるんだろ?どこにいるんだ?」

 

見当たらない殺せんせーについて聞く。

そもそもあの先生、一般生徒に見つからないようにどう指示出すつもりなんだ。

 

「あそこだよ。烏間先生に目立つなって言われたから」

 

渚がそう言いながら、遠くに転がっているボールを指している。

 

「あそこにはボールしかないだろ?」

 

菅谷も俺と同じくボールしか見えないようだ。

 

「そのボールをよく見てみなよ」

 

カルマに言われ菅谷と2人でよく見る。

やっぱり普通のボールにしか見えないが……

 

「「あ……」」

 

1つだけ帽子をかぶっていた、どうやら殺せんせーがボールに紛れていたらしい。

渚が言うには顔色とかで指示を出すようだが、ボールに紛れているのに色とか変えて目立たないのか?

殺せんせー見ていると顔色が青緑、紫、黄土色に変わる

 

『殺す気で勝て』らしい

 

これを見て磯貝が学級委員らしく皆をまとめる。

 

「俺等はもっとデカいこと目標があるんだ。あいつら程度には勝たないとな杉野」

「確かにな……よっしゃ、やるぞ皆‼」

『おう!』

 

こうしてE組対野球部選抜組の戦いが始まった。

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