矛盾な部分等があったため、文章の書き換えを行いました。
E組対野球部の試合が始まり、最初はE組からの攻撃だった。
「やだやだ、どアウェイで先頭打者とか」
木村がぼやきつつ、バッターボックスに入る。
殺せんせーの指示は、最初は見送りらしい。
ズドン!
進藤の球がキャッチャーのミットに収まり、良い音が鳴る。
俺の携帯にいた律が計測すると球速は140kmらしい。
(あれで140kmか……あんなに遅かったか?)
殺せんせーによる
そのため銃弾の速度に見慣れてしまい140kmが遅く感じてしまうという理由もあったのだ。
(あれで140kmなら、蘭豹が酔って投げてくる潰した空き缶は170kmを優に超えてんじゃないか?)
そんな事を思っているうちに二投目が投げられる。
木村がその球を今度はバントした。
これが殺せんせーが考えた作戦だ。
内容は簡単野球部は強豪で、さらにピッチャーである進藤が投げる球は140kmとプロ並みに速い球を投げる。
しかし他の事までプロ並みかと言われたら違い、そこを突くようにひたすらバントの練習をしたのだ。
木村がセーフティーバントをきめ、続いて渚もバントで塁に出た。
「やっぱ、
「まあ、
千葉と前原があの事を思い出しているみたいだ。
確かにアレは色々とひどかったな……
なんせ、殺せんせーが投げる
それのおかげで、あとから140kmで練習した時はかなり遅く見えて皆進藤相手にバントが完璧にできるほど上達したんだがな……
気づけば三番の磯貝も塁に出ている。
「いっちょ、決めてくるわ」
そういって、4番の杉野が殺せんせーの指示でバントの構えで進藤の球を待つ
進藤を見ると、この状況を理解しきれていないのか戸惑いの表情を見せながら球を投げた。
「進藤のやつ殺られたな」
俺のつぶやきと同時に杉野の構えがバントから打撃に切り替わり、打った球は深々と外野を抜けていった。
「走者一掃のスリーベース!なんだよこれ、予定外だ。E組3点先制!」
放送席からの声で分かる通り、本校舎組は唖然としている。
次の打席は俺だ。
「進藤には悪いがもう1点ぐらいもらうぞ」
バッターボックスに立ち、殺せんせーの指示をみる。
(好きなように打てか……なら、少し頑張ってみるか)
俺が打撃の構え、進藤は先ほどと同じく内角高めを投げてきた為1球目から打つ。
『杉野に続いてまたまた打ったー、だがE組遠山良いところを見せようとしたがただのキャッチャーフライに!』
放送席の言い方に少しイラッとしたが、確かに打った球は真上に飛んでしまいキャッチャーフライになってしまった。
「すまん、ダメだった」
「ドンマイ、キンジ。相手は140kmなんだ仕方ないさ」
ベンチに戻り磯貝に励まされていると、野球部の方からドサッと人の倒れる音がした。
誰が倒れたか気になり、そちらを見るとそこから一人の男がグラウンドに出てくる。
「審判、タイムを」
出てきたのは理事長だった。
「なんで理事長が?」
『今入った情報によりますと野球部顧問が試合前から重病で部員は心配で試合どころじゃなかった為、理事長が先生がこの試合の監督を引き継いだようです!』
渚の疑問に放送席からまるで答えるように説明が流れた。
理事長がタイムの間に何か野球部に吹き込んだのか、目つきが先ほどと違っていた。
タイムが終わると野球部はバッターから通常では審判に注意されそうなほど近距離で守備を固めてくる。
「こっちがバントしかないって見抜かれてるぞ」
「しかもあそこまで近づかれたら、バッターが集中出来ねーぞ!」
菅谷がため息をつき、岡島が文句を言っている。
「審判は向こう側だから、期待できないね」
竹林が言う通り、E組に味方するようなヤツはここにはいない。
殺せんせーもどうやらお手上げ状態なようで顔を手で押さえて落ち込んでいた。
瞬く間に3アウトになってしまい交代になってしまった。
俺は打撃のみだったため、ベンチに残る。
「何やってんの、キンジ?」
後ろから誰か声をかけてきた為、振り向くと凛香だった。
「凛香か、俺は打撃だけだから守備の間はベンチだ。女子はもう終わったのか?」
「うん、負けたけどね。男子はどう?」
そう言いながら凛香は近づいてきたが、さきほどまでバスケをして汗をかいていたためかどこかジャスミンを思わせるような匂いが凛香からする。
「あ、ああ。途中から理事長が来て、今は勝ってるが正直どうなるか分からない」
凛香の匂いにヒスりそうになるのを必死に抑えながら凛香と試合を見守る。
この回は、杉野の変化球で野球部の攻撃を抑えることができ無失点で攻守が入れ替わる。
次の打席はカルマの番なのだが、カルマは打席に入らない。
「どうした?早く打席に入りなさい。」
審判がカルマに打席に入るように催促すると
「ねえ、これズルくない理事長?」
突然カルマはクレームを言い始めた。
「こんだけ邪魔な位置にいるのに審判の先生も注意しないし、おかしいと思わない一般生徒も守備位置理解できないくらいバカなの?」
煽ってもただブーイングがとぶだけなのは明白なのになぜ言うのか俺には理解できなかった。
案の定一般生徒からブーイングがとび野球部の守備の位置も変わらぬまま、連続三振ですぐに守備になってしまった。
この回でも杉野が抑えるかと思ったがここでアクシデントが起きた。
野球部が打った球が運悪く杉野の足にに当ったのだ。
「タイム!」
杉野の容態を見るため磯貝が審判にタイムを取った。
俺も杉野を見るためにグラウンドに行く。
そこまで酷くはなかったが、踏ん張りがききそうにないためこれ以上は投げれそうにないらしい。
「……どうする?」
磯貝が皆に誰が投げるか聞く。
杉野の代わりに投げれる奴なんてここにはいないぞ。
そう思っていると、皆が俺の方を見てくる。
「もしかして、俺が投げるのか?」
『うん』
「無茶だ!俺は変化球も投げれないぞ」
必死に無理だというが足を痛めた杉野にも頭を下げられた。
「キンジお前しか頼れないんだ、もし打たれても負けても誰もお前を責めない。だから頼む」
「……はぁ、わかった」
はんば諦めるように承諾し、俺はベンチに予備に用意されていたグローブを取りに行く。
「キンジ、杉野の様子は?」
「そこまで重症ではなかったが、これ以上投げれそうにないから俺が投げることになった」
「大丈夫なの?」
「分からん」
凛香にグラウンドでの出来事を話しながら、グローブを探していると
「あ……キンジ」
「どうした?」
「少ししゃがんで」
「?」
凛香にしゃがむように言われ、素直に従うと凛香が先ほど以上に近づいてきた。
その為、凛香の匂いがより一層濃くなる。
ドクン!
凛香の匂いを思いっきり吸ってしまい、血流を抑えきれなかった。
「頭にゴミついてたわよ。……キンジ?」
「ありがとう凛香、この回どうにかなりそうだ」
「え……なんでなってるの?」
「そうだね、いい匂いがする君のおかげかな」
「‼」
俺の言葉で理解した凛香はみるみる顔が赤くなり、俺から少し距離を空ける。
「……今は時間がないから後で説教ね」
「ごめんね。今度お詫びさせてもらうよ」
凛香に一言謝り、改めてグラウンドに出る。
「渚」
「どうしたのキンジ君?」
「ど真ん中に俺が投げるから、ミットは最初からそこに構えててくれ」
「でもそれじゃあ、打たれるんじゃ?」
「大丈夫だ、俺を信じてくれ」
渚に指示を出し、ピッチャーマウンドに立つ。
どうやら、バッターは俺の事をカモだと思っているみたいでニヤついた笑みを浮かべている。
(なら、この遠山桜散せるものなら散らしてみな!)
ズドン!
『……』
ミットにボールが収まる音以外聞こえてこない。
『な、なんだーあの球の速度!進藤選手並に速いぞ!』
放送席の声で我に返った生徒たちは騒めき始める。
この球速の原理は簡単だ。
今回は肘のみを桜花の要領で一瞬で振り抜いただけだ。
その際に微調整をして振り抜く速度をおおよそ150kmほどに抑えないといけないのが難点だがな。
(言うならば、『桜花一分咲き』ってところか……)
多分、マッハでも投げれそうだがこれ以上の速度になると渚が捕れなくなる。
それに一般生徒の目もある為、そこそこに抑えなければならない。
そのまま、3人続けて三振を取り杉野がいない中無失点に抑えられた。
「どうにかしたぞ」
「ありがとうキンジ。あんな速い球投げるなんて、最初から俺じゃなくてキンジがピッチャーで良かったんじゃないか?」
「杉野、僕が耐えきれないよ……」
杉野の言葉に渚が真剣にやめてくれと訴えてた。
手に当たらないようにコントロールしたはずだったが問題があったのか?
「速すぎるのと、衝撃がね……」
渚は少し遠い目をしていた……
3回表になり、こちらの攻撃になったが相変わらずの前進守備のため三者凡退で終わってしまった。
こちらの守備になり、また先ほどのように打ち捕ろうとピッチャーマウンドに立つと理事長が何か指示を出している。
「橋本君。手本を見せてあげなさい」
俺は普通に投げると負けることが分かっているため、先ほどと同様150kmの速さで投げる。
バッターがやってきたのはバントだった。
(やられた!)
俺はボールの行った先を見たが、やはり守備の練習をやってないためバッターが塁に出てしまう。
理事長は手本を見せるという大義名分で俺達と同じ作戦をやってきたのだ。
そのまま、1人2人と塁に出て気づけば満塁に確か次の打席は……
「ノーアウト満塁で迎えるバッターは、我が校が誇るスーパースター進藤君だ!」
アイツを見れば打ってくるのが一目で分かる。
俺はどうするべきか悩んでいると、後ろからカルマと磯貝がやってきた。
「2人ともどうしたんだ?」
「カントクからの指令」
「キンジは気にせず投げてくれ」
何をする気かと思うと2人は前進守備を始めた。
そこで先ほどのクレームがこれを認めさせるものだと気づく
(殺せんせーもやるな)
その前進守備に対して理事長も好きにしろと認める。
(あそこまで近づかせて、本当に『殺す気で勝つ』だったとは)
カルマと磯貝が前進守備として、バッターボックスまで近づいたのだ。
「気にせず振りなよスーパースター、キンジ君の球を邪魔なんてしないから」
カルマが進藤に挑発して、理事長が構わず振れと指示する。
俺が投げると、進藤はカルマ達をビビらせる為なのか大きく振ってきた。
それに対して2人は最低限の動きで避ける。
「ダメだよそんな遅いスイングは。俺達を殺す気で振らないと……」
(進藤の心を殺したか……)
見ると進藤は恐怖で小刻みに震えている。
なら、もうこの試合は終わらそう。
そう思い俺は、普通に投げる。
「う、うああああああ」
進藤は小さく悲鳴を上げながら腰が引けたスイングを振る。
それをカルマが捕り、ホーム、三塁、一塁の順番にボールを投げていく。
『ゲ、ゲームセット!なんと、E組が野球部に勝ってしまったー!』
こうして、球技大会はE組の勝利に終わった。
ヒステリアモードが解けたあと、俺は烏間先生に目立つ行為をするなとう厳重注意と凛香による説教が待っていた……
余談だが凛香への詫びは7月12日に俺のおごりで買い物に付き合えと言い渡されたのだった。