ホントなら完成した時点で乗せるつもりでしたが、一度データが飛びまして……
外部メモリに保存していたこのデータが見つかったので今更ですが投稿しました。
当時、ただキンジに○○させたいがために書いた話です。
これはストーリーと全く関係がない話ですので、読まなくても全く問題がありません。
イトナが休学してから1週間がたったころ、あるイベントがやってきた。
「球技大会か……」
球技大会6月末に男子は野球、女子はバスケットボールをトーナメント式で行われる。
「けど、なんでE組だけ書かれてないんだ?」
トーナメント表にはA~Dまでしか書かれていない。
「1チーム余るから俺達E組はエキシビジョンマッチに出るんだよ」
俺の疑問に三村が答えてくれる。
「見世物として、部の選抜メンバーたちと戦わされんだよ。E組はこんな恥かくことなるぞって警告の意味も込めてな」
「ああ、いつものあれか……ほんと、ここはこんなのばっかだな」
木村の言葉に思わずため息をついたが、片岡はなぜかやる気がすごかった。
「今年のE組は暗殺で基礎体力ついているし、良い試合して全校生徒を盛り下げようみんな!」
『おー!』
片岡によって士気が上がっているが、すまんな……
「俺は球技大会出れねーぞ」
「え、なんでよ?」
「なんでよって言われてもな……そういう契約を理事長としてんだよ」
片岡に聞かれたため素直に答えるが、俺が武偵だということは一般生徒には秘密になっている。その為年齢や身体能力が違うため、球技大会は参加禁止と言われた。
(たぶん見せしめにならないからだよな……体育祭については何も言われてないし)
それを説明すると皆は少し不満そうだが納得してくれた。
俺の理由に納得した女子達が作戦を立てようとすると、今度は律が自慢げにラクロスのラケットっぽいものを見せながら
「片岡さん、ゴール率100%のボール射出機を制作してみました。」
「……律、お前が試合に出るのはいろいろマズイ。当日は俺と一緒に見学だ」
「なんでですか?」
律、本気で試合に出れるとお前は思ってたのか……
律に出れない理由を説明してやっていると、寺坂達は球技大会をサボるようで教室から出て行った。
「そういえば杉野、お前野球やってたよな。勝てそうか?」
「野球を最低でも3年間やってたやつとほとんどが未経験者の集まりだしな……正直勝負にもならねーよ」
絶望的だとか言ってる割には、諦めてるような目をしてないな杉野のヤツ。
「それにかなり強いんだ、うちの部…… けど勝ちたいんだ、E組のみんなで勝ちたい!」
その気持ちがあれば、コイツらなら大丈夫だろ。
それにこんな時のあの先生が何もしないはずないもんな。
杉野の話を聞きつつ、それとなく俺は殺せんせーを見る。
喋ってはないが見ただけで分かった、殺せんんせーも野球がしたいことを。
「ユニフォームなんか着てどうする気だ、殺せんせー?」
「先生一度熱血ものをやってみたかったんですよ。今回は熱血スポ魂コーチです。
殴らない代わりにちゃぶ台をひっくり返します」
『なんでちゃぶ台⁉』
「にゅや⁉、君たち〇人の星を知らないのですか?」
(昭和アニメの内容を知っている方が少ないんじゃないか……)
「そ、そんなことは置いといて、最近目的意識をしっかりと持ち始めた君たちの心意気に答えてころ監督が勝てる作戦を教えてあげましょう」
これで大丈夫だろう。
当日俺達はどうするか、そんな事えお考えていると不意に肩を殺せんせーに叩かれた。
こういった時って、悪い事しかないよな?
まさか……
「それでは男子は私が、女子は遠山君が監督役ということで球技大会頑張りましょう」
「おい!なんで俺が監督なんだよ‼」
「E組である遠山君にも何らかの形で球技大会に関わってほしいと思っての提案だったのですが、なにか問題でもありましたか?」
「問題ありすぎだ殺せんせー!女子だったらビッチ先生にやらせたらいいじゃねーか!」
そう言ってビッチ先生を指さしたが、言われた本人はというと
「バスケって球をカゴにイレるだけのスポーツよね?」
監督以前の問題だった……
いや、まだだ! まだ、女子がOKを言っていない。
諦めんな俺‼諦めたらそこで試合は終了だぞ!
「それに俺なんかが監督なんて女子は嫌がるだろ?」
「遠山君が監督で嫌な人はいますか?」
殺せんせーが女子達に聞く。
ほら、嫌だって声が……聞こえないだと⁉
「まあ、なんだかんだで皆の事よく見てるし」
「むしろやる気が出る子もいるんじゃない?」
片岡、矢田が賛成の声を上げる。
てか矢田、そんな奴いるとは到底思えないぞ。
反対の意見がなかった為、殺せんせーは続けて
「せっかくなのでキンジ君のサポートとして、律さんにも副監督もといマネージャーをやってもらいますね」
「よろしくお願いしますねキンジさん」
律が俺の携帯から声をかけてくる。
やばいぞ、このままじゃ監督をやらされてしまう……
かくなる上はここから逃げよう。
俺が窓から逃げようとしたら、いつのまにか後ろにいた凛香に捕まった。
「キンジ、諦めなさい。監督をやらなかったら、どうせ寝てるだけでしょ?」
「では遠山君、キャプテンの片岡さんと作戦をしっかり練ってくださいね。では男子は着替えて校庭に集合です」
強制的に俺を監督にした殺せんせーは一言そういうと外に出て行った。
ちなみに俺の成り行きを見た男子たちは、終始俺を憐れんだ目で見ていたのだった……
「じゃあ、まずはポジションね」
片岡によって作戦会議が始まった。
俺はというと律に女子の戦力などを分析させどこが適しているかを調べるように頼んだだけだった。
律によれば
PG(ポイントガード)岡野、倉橋、不破、茅野、奥田
SG(シューティングガード)凛香、神崎、矢田、狭間
SF(スモールフォワード)片岡、中村
PF(パワーフォワード)原
C(センター)
(かなり偏ってるな……)
「律が私たちの適したポジションを踏まえて、作戦を立てないとね…・・・」
「つっても片岡、相手の方が実力が上なのは明白だろう、何か案でもあるのか?」
片岡に聞くもこれといった案は出ていない。
「そういうキンジは何かあるの?」
「……」
相手が準備し終わる前に点数を決めることはできないか……
「律、選抜組にたいして速攻を決めることってできないか?」
「そうですね……シュミレーション上でしたら複数のパターンを作れば1ピリオドは防がれることは少ないかと」
律の作戦に賛成か片岡に聞いてみる。
「なるほど攻撃の時は速攻ね……基礎体力も上がって皆足が速くなっているしいけるかも」
「じゃあ、1ピリオドは速攻をメインにして攻めるとして、あとは2ピリオドからの作戦と守備ね……」
女子達は作戦をある程度決めた後は、球技大会前日まで対選抜組の練習をした。
俺はこれ以上することがなく、当日まではボーっと過去の律と一緒にNBAの動画を見るぐらいしかすることがなかった。
球技大会当日になり、女子のエキシビジョンマッチの時間になる。
「それでは最後にE組VSバスケ部選抜組の余興試合を始めます」
放送部によるアナウンスがあったため俺達はベンチに入る。
「スタメンは作戦通り片岡、矢田、神崎、岡野、原でいくぞ」
俺が監督っぽくメンバーを発表すると何故か全員が俺の周りに集まる。
「キンジさん、監督なんですから何か一言お願いします」
俺の携帯にいる律が教えてくれたが気のきいたことなんて言えねーぞ。
「……『仲間を信じ、仲間を助けよ』だ。あいつらにE組の力を見せてやれ」
『はい!』
俺がそれっぽいことを言って、スタメンはコートに行く。
試合が始まる前にルールをもう一度確認しとこう。
・1ピリオド10分の合計3ピリオドおこなう
・50点差でコールド負け
・E組のみ何回でも交代可
試合が始まった。
相手がデカかったため、ジャンプボールを取られ早々と点を取られたがここからが勝負の始まりだ。
「いくよ、みんな!」
片岡の声により速攻が始まる。
神崎から岡野にパスをつないだ後、岡野が素早くドリブルで真ん中を駆ける。
その後、事前に前にいた片岡にパスをつなぎゴールにボールを置くように打つレイアップシュートを決めた。
相手選手はE組がこんなに動けると思ってなかったようで対応できず驚いて動けていない。
ここからが肝心だ。
守備に関しては個々の身体能力が高くもバスケの技術に関しては向こうの方が高い。
その為個々で守るのではなく、場所で守るゾーンディフェンスで守りに入る。
最初は相手も嘗めていたのか防ぐことができ、そこから速攻を仕掛けることができ良い感じに試合の流れを持ってこれたが5分もたったころにはこちらの守りを突破され、点数の入れあいになった。
1ピリオドが終わったときの点数はこちらが28、相手が22とかなりの接戦。
問題はここからなんだよな。
続いての2ピリオド目、メンバーは片岡、岡野はそのままで新たに狭間、凛香、中村を加えて出る。
(作戦通りだと片岡、中村が引き付けて、凛香と狭間がシュートを狙うことになっているが……)
ここで誤算が出てくる。
今までは個々で守るマンツーマンディフェンスだったのだが、相手もゾーンに切り替えてきたのだ。
普通ならファールを取られてもおかしくないほど当たりが強いが、審判はあちら側のためファールにならずボールを取られ点数をとられていく。
「あれを突破する練習なんてしてないよ⁉」
横にいた倉橋が俺にどうするか聞いてくる。
「審判!タイムアウトだ!」
(一度切り替えないとヤバいな……)
残り4分の時点でタイムアウトを取り、一度俺の周りに皆を集める。
(うっ!、女子の匂いが一段と濃いぞ)
汗をかいているかだろう、いつも以上に女子特有の甘い匂いがムワッと俺の鼻にくる。
ヒスらないように心の中で素数を数えつつ指示を出す。
「落ち着けお前ら、アレはお前達が練習したのと同じヤツだ。守備の時にやられて嫌な事をそのままあいつらにやってみろ」
俺の一言で「そうか」と気づいた女子が何人かいるな。
その後律に時間ぎりぎりまで図面付きでのゾーン攻略の作戦を説明させた。
「じゃあ、この後は倉橋、不破、中村、原、奥田が出てくれ」
タイムアウトのついでに疲れがないメンバーに入れ替え、攻撃の仕掛けた。
先ほどよりは攻めているが、このピリオドでE組は36点、バスケ部は46点と差を開けられてしまった。
「どうする……」
相手はこのままゾーンで来るのは明白だ。
俺が律とどうするか考えていると片岡がこちらにやってきた。
「遠山君、少し良い?」
「どうした片岡」
「次の作戦だけど、こんなのはどうかな?」
片岡が提案したのは、確かに有効だったが片岡への負担が先ほど以上にかかるものだった。
「確かに有効だと分かったが片岡への負担がすごいぞ。大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。私が皆を支えてあげなきゃ」
少々不安な部分もあったが、現状これ以上良い作戦がないためその作戦で行く。
律に説明させた後、片岡、茅野、凛香、矢田、倉橋を出す。
作戦は簡単だ。片岡が守りを抜き、状況を有利に持っていく。それだけの事だった。
だがゾーンを破るには有効な手であり、片岡の身体能力だと十分に通用するのだった。
「おい、あのキャプテンを止めろ!」
現に始まって3分、片岡が抜き去りシュートを決めていく。
「すごいです、片岡さん!これなら勝てるかもしれません!」
奥田の言う通り、勝てる可能性が出てきた。
だが、あまりにも片岡一人が頑張りすぎている。このままじゃ……
点数差が縮まり始め、42対50になったところで等々それは起きた。
「クソッ!これならどうよ!」
――ガッ!
「え?ッ‼」
やっぱり、やりやがった!
片岡が抜き去る直前、敵のヤツが足を引っかけてきた。
しかもあの倒れ方、マズいな。
「審判タイムアウトだ!」
それを言って他の女子によってコート外に運び出される片岡の容態を見る。
片岡の足はすでに赤黒く腫れあがっている。
チッ、これならコールドスプレーの1つでも持って来たらよかった。
「俺は片岡を保健室に運ぶ。後は任せれるか?」
そう言うと全員がコクリとうなずく。
それを確認した俺は片岡に肩を貸し、体育館を出た。
「………どうしよ」
保健室に向かう傍ら、片岡がボソッとつぶやく
「なにがだ?」
「私、皆に勝とうって言ったのに……それなのに」
「ケガは仕方ないだろ。誰もお前を攻めねーよ」
「でも……私キャプテンなのに」
下を向く片岡の表情は見えないが、下にはポロポロと雫が2つ3つと落ちていく。
「私、キャプテンなのに……それに勝ちたかったよ」
人一倍責任感を感じてたのだろう、それは普段見せない片岡の姿だった。
「ああ、そうだな」
「うわぁぁぁん」
もう堪えれなかった片岡は、俺に向かって倒れるように泣き出した。
至近距離から匂う片岡の石鹸のような清潔さをイメージできる匂い。
それに女子特有の柔らかさ。
――ドクン
なるには条件が十分そろっていた。
「諦めるな、武偵は決してあきらめるなだよ。メグ」
「え?」
「まだ試合は終ってない。俺が君に勝利を届けてあげるよ」
バレたら色々と終わりだが、この子の笑顔が見れるんだ。
ならやらないわけにはいかないね。
ある事をやった俺は再びコートへと戻る。
点数を確認すると、42対56 時間は残り2分
「おかえりなさい、キンジさ……どうしたんですか、その恰好は?」
「うん、まあ色々とね。律、交代を伝えてくれ」
「はい、わかりました。不破さん、交代を審判に伝えてください」
審判の交代の合図とともに、俺一人がコートへと入った。
「え、誰?」
「でもゼッケンを着てるから私達のチームなの?」
よし、俺を知る陽菜乃や桃花は気づいてない。
なら俺を知らないヤツはまず気づいてないな。
「ちょっとなんでキンジが参加してるのよ!しかもわざわざ女装までして!」
「片岡を見てたら勝たせてあげたくてな」
「はあ、しかもなってるし……これが終わったら問い詰めるから」
凛香にはやっぱりバレたけど、今は見逃してくれるみたいだ。
一番の問題が解決し、凛香の口から知り合いの助っ人が間に合ったと説明してくれる。
そう俺が取った手段は女装だった。
メグには悪かったが、髪の毛を少し切ってもらいそれをメッシュのように入れメイクをしてもらった結果、どうやら俺にも兄さんのように女装の才能があったようでその完成度は高かった。
他のメンバーも若干怪しんではいるが、俺の存在を了承し試合は再開。
なるべく接触しないように、俺自身は周りを繋げる接合部のように動く。
――バサッ
敵が位置に合わせ、仲間を動かす
点と点を繋げるように、凛香達へ隙を作りシュートしてもらう。
気づけば点数は55対56 残り時間は30秒だった。
「このちょっと綺麗な顔してるからって!」
俺への当たりが強くなるが、それでも1人、また1人と抜いていく。
抜くことによって、カエデの周りには誰もいなくなり
――ヒュン……パシッ‼
俺の手から離れたボールはゴール下のカエデへと収まった。
「クソッ!まだよ!」
敵のキャプテンが慌てていくが、今の状況なら間に合う。
そう思ってたが、俺は一つ計算違いをしていた。
「グルルルル、巨乳……」
カエデの巨乳への憎悪を
――ピーー 試合終了 バスケ部の勝ち‼
……メグになんて言おう。
「すまん、勝てなかった……」
「そっか、負けちゃったか」
試合終了と同時に体育館を出た俺は、現在保健室で片岡の隣に座ってあの後の事を説明していた。
「できるならメグに勝ったことを報告したかったんだけどね」
「まさか、私の髪の毛を使ってまで女装して出るとは思わなかったよ」
ばっさりと切ってしまい、ひなのようにショートカットとなったメグの表情は晴れやかだった。
「私ね、今までは私が皆を引っ張らなきゃ、頑張らなきゃって思ってたんだ。でもね、さっきにプレーを思い返しても皆で協力してって言うよりは私のワンマンプレーばっかりでキンジ君みたいにはできなかったな~って」
「そうだね。メグは責任感が強いから」
「だから私は君を見て、本当にリーダーに必要な事を見つけようって思ったの。ほら私って一応クラス委員長だし」
「俺でいいならいくらでも協力するよ」
「あとね……君になら。泣いた姿を見せた君になら私も甘えられそうだし……」
真っ赤な顔で言う最後の言葉を聞き、思わずクスッと笑ってしまった。
いつもは凛々しいこの子がとても可愛いらしかったからね。
「男子はまだもう少しかかりそうだし、もう少しここでおしゃべりしようかメグ」
「う、うん! そうだね」
このまましばらく俺はメグと保健室で他愛のない会話をした。
般若ような顔で保健室に凛香が突撃するまで、残り30分。
なんでか自然とヒロイン化する女子……
この子をヒロインにする予定全くなかったのに、書いた結果こうなる……
キンちゃん、ヤバイ