哿の暗殺教室   作:翠色の風

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想像以上に難しい…


01弾 転校の時間

任務の依頼を受けてから5日後、俺は烏間さんが連れられてこれからの拠点となる住居である椚ヶ丘中学校から徒歩十数分の場所にあるマンションの1室に今はいる。烏間さんは、この後受け持っている教科の授業があるらしく、俺を部屋に案内するとすぐに学校に行った。俺の登校は明日かららしい。

 

「まずは盗聴器とかの確認だな」

 

烏間さんを疑っているわけではないが、『武偵憲章7条。悲観論で備え。楽観論で行動せよ。』な為念には念を入れ部屋を調べ始める。

部屋は一人で暮らすには少し大きく、家具、家電なども防弾仕様で一通りそろっている。

部屋を一通り調べ盗聴などがされている様な痕跡も見られなかったため、まずは情報科(インフォルマ)に依頼していた椚ヶ丘中学校についての資料の確認からするとしよう。

 

 

1枚目の報告書を読み簡単にまとめると

・学力でクラスが振り分け、今回行くE組は2年3学期から始まる特別強化クラスで落ちこぼれや素行不良な者を集めている。

・E組のみ本校舎から1km離れた旧校舎にて劣悪な環境の中授業が行われている、また本校舎組(教師も含め)からのE組へのいじめや嫌がらせが堂々とおこなわれており、通称エンドのE組と呼ばれている。

・この環境の差は物理・心理的な差別により本校舎側の学力向上を促している。

・本校舎復帰の条件として学年50位以内に入るとあるが劣悪な環境のため非常に困難である。

・また、E組の校舎は現理事長が開いていた私塾だが、現在の学校との理念とは真逆のものであった。

・現在のE組の生徒は、教師が変わってから明るくなっている。

(教師は烏間 惟臣(年齢不詳)、最近は外国人教師としてイリーナ・イェラビッチ(20)が雇用された。 )

 

 

ここには書いてないがE組が変わったのはきっとあの黄色いタコであろう。

それに烏間さんは国の人間だが、この外国人教師は十中八九で殺し屋(裏の人間)だ。

写真が添付されているため確認すると、そこにはスラブ系の美女が映っている。

 

「……要注意人物だな」

 

これで色仕掛けからの暗殺(ハニートラップ)が専門なら、確実に()()()()()()

要注意人物が教師をやっている現状に頭を悩まされつつ、回避する方法を考えていると、2枚目以降の報告書が床に落ちた。

 

「これはE組生徒のか……」

 

そういえば幼馴染のあいつはどうしているのだろう。昔来た年賀状にはこの進学校に入学したと書いていたな……。

 

小学校の時よく巣鴨の実家で遊んだ感情表現が下手だった幼馴染を思い出しながら名簿を確認していく。

特に女子についてはな。

万が一教室とかで()()()()()()()()になったら自殺ものの黒歴史を作りかねん。

ヒステリアモード、正式名称をヒステリア・サヴァン・シンドローム(HSS)俺の家系に伝わる体質で簡単に言うと性的に興奮するとキザなスーパー人間になってしまう厄介でしかない体質だ。

これのせいで中学の時ひどい目にあった為なるべく女子を避けて生活してきたが、今度行く中学校にいる幼馴染もこの体質を知っている。

まあ、あいつは悪用とかしないからそこのところは心配がないが見られた時の気まずさが半端ない。

途中で紙が止まる。

 

「マジかよ……」

 

頭が痛くなってきた。なぜならそこには先ほど思い返した幼馴染の名前が書かれていたからだ。

 

 

~???side~

学校の用意をしていると懐かしい写真を見つけた。

まだ小学生のころの写真で幼馴染みと幼馴染みのお兄さんと一緒に写ってる写真だ。

この頃はまだ椚ヶ丘に居らず巣鴨に住んでいた。

良く近所に住んでいた1つ年上の幼馴染みの家に遊びに行き、あいつが好きだった金花の『揃いぶみ』を一緒に食べたりしてたんだっけ。

あいつのお兄さんがいる時は、毎回飽きずにあいつと2人でねだってお兄さんの曲芸みたいな技を見せてもらっていたんだよね。

たぶんあの頃が1番楽しかったと思う。

まあ、小学校5年生の時にちょっとしたハプニングが起こり、あいつが必死に隠してたことを知った時はちょっと気まずかったけど……

 

そして、あいつは小学校を卒業する頃に「兄さんみたいになりたい」とか言って神奈川の武偵校に行った。その後私も親の都合で椚ヶ丘に引越し椚ヶ丘中学校に進学した。

気づけばそこで私は落ちこぼれになってしまった。

今は隔離された校舎にて授業を受けている。

最初は辛かった教室も3年生になってから来た先生達によって、今は大変だけど楽しい教室に変わっている。

そう言えば、今日転校生として武偵が来るという噂がある。

武偵と言って思い出すのはもちろん1つ年上のあいつ……

「高校生なんだから、キンジじゃないわよね……」

 

そんな事を考えていると学校にに行く時間になったため、私は見つけた写真を写真立てに入れいつも通り学校(暗殺をし)に行った。

 

 

~キンジside~

あのあと幼馴染がいる問題は後回しにし、平賀さんに頼んだ物の確認と学校の付近を偵察したあとは銃を点検してさっさと明日にそなえ寝た。

起床後、早めに椚ヶ丘中学校に向かった俺は現在本校舎にいる理事室に挨拶に行っている。

 

「失礼します。東京武偵校より着任しました、遠山金次です」

「初めまして遠山君、ようこそ椚ヶ丘中学校へ」

 

目の前にいるのが理事長の浅野學峯だ。笑みを浮かべているが裏で何を考えているか分からないような人物に見える。

 

「E組に行く目的も知っている。少し前に中間テストは終わったため、期末テストでの君の学力に期待しているよ」

 

と形ばかりの言葉をもらい、本校舎での発砲禁止などの詳細を言い渡された。

その後E組がある旧校舎に向かうが、

 

「見せしめとはいえ本校舎から1kmとか遠すぎだろ……」

 

愚痴を言いつつ山を登っていくと校舎が見えてきた。

 

「硝煙の臭いがしたため、念の為見に来ましたが新しい転校生でしたか」

 

横から声がしたため振り向くといつの間にかターゲットであるタコがいた。

 

いつの間に横にいたんだこいつ。

あと鼻が無いように見えるが臭いが分かるのか……

 

「烏間さんから紹介されました、武偵の遠山金次です。」

「武偵…なるほど、殺し屋がダメなら次は武偵ですか。私の事は殺せんせーと呼んでください。せいぜい殺せるといいですね~」

 

こいつ、絶対に俺のことを嘗めているな。その縞模様を見ると余計にムカついてくる。

ムカつくがまだ殺すときではない。

 

「ああ分かったよ、殺せんせー」

 

始業のチャイムが鳴る。

 

「ではさっそく皆さんに紹介しましょう。ついてきてください。」

 

そう言われ、殺せんせーについていき、教卓の横で自己紹介を促されたから挨拶をする。

 

「遠山金次です。よろしくお願いします。」

 

不特定多数に自分のことを語るなと武偵高で叩き込まれたため名乗りだけすますと、1人の女子が立ち上がり驚いた顔をしている。

 

「なんであんたがここに来てるの!?」

 

やっぱり、避けられないよな……

立ち上がったのは俺の1つ年下の幼馴染である速水凛香だった。




次回は少し戻ってキンジ紹介前のE組の様子から入ろうと思います。
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