哿の暗殺教室   作:翠色の風

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今回、ガストロ戦に入りますがその前に出席番号についての補足です。
キンジは転校生の為、律の前に来たため27番になります。
その為、律とイトナのみそれぞれ28番、29番となり他の人に関しては変わりありません。


35弾 信頼の時間

目的地まであと3階となり、ここからは私兵の見張りがいるVIPルームに入る。

当然、階段前にも屈強そうな見張りが2人いた。

 

「おいおい、また見張りかよ。しかも超強そうだし」

「私達を脅している一味かな? それとも無関係の人が?」

「そんなのどうでもいいだろ、どのみち倒さねーと通れねーんだ」

 

桃花の言葉をばっさり切り捨てた寺坂の言う通り、私兵の為先ほどのような手は使えず無力化以外の方法はない。

 

「寺坂君の言う通りです。そして倒すには君が持っている武器が最適ですねぇ」

「ケッ、透視能力でもあんのかテメーは。……? 確かここに2つ入れてたはずなんだが」

 

一瞬で見張り2人を無力化するものを寺坂は持っているようだが、なかなか見つからないようでリュックの中を探す。

全員がまだなのかと寺坂を見ていると、見張りがいるであろう場所からバチバチと音が鳴り続けて人が倒れる音がする。

その音に反応した俺達が見ると

 

「寺坂君、スタンガンなんていつの間に用意していたの?」

 

いつのまにか、渚がスタンガンを持って倒れた見張りの横に立っていた。

おかしい、ヒステリアモードの俺でも渚が移動したことに全く気付かなかったぞ。

 

「いつの間にスタンガンを取ったんだ渚?」

「殺せんせーが最適の武器があるって言った辺りだよ。見張りが2人共油断していたから、前に武偵高のウー先生に教えられたことをやってみたんだ」

「教えられたこと?」

「うん、何個かね。その中の1つが気配の消し方、ウー先生曰く『気配は殺すものでも消すものでもない。()()()()()()()()()()()()』って、教え方は死ぬかもってくらいスパルタだったけどね……」

「じゃあ、不意打ちやり放題だね」

「ううん、僕じゃまだ未熟で気配を溶け込ませながら出来るのは歩くことぐらいなんだ。今回はスタンガンだったから上手くいったけど、ナイフとかで攻撃しようものなら通用しないと思う」

 

カエデやカルマの質問に苦笑しながら律儀に答えている渚だが、ウー先生中学生相手に何教えてんだよ……

 

「渚君、今回は上手く行きましたが一人での行動は危険ですので控えてください」

「はい、殺せんせー」

「少々驚く形でスタンガンのお披露目がありましたが、見張りの胸元を探ってみてください。もっと良い武器が手に入りますよ」

 

殺せんせーの言う通り胸元を探るってみると、日本の警察御用達のニューナンブM60が出てくるではないか。

 

「千葉さん、速水さん、烏間先生が精密射撃できない今、この銃は君たちが持ちなさい」

「キンジがいるんじゃ?」

「千葉、俺は自分の(ベレッタ)があるぞ」

「けど、だからっていきなり……」

「君たちが最もコレを使いこなせるからです。ただし2人とも殺すだけは禁止ですよ」

「大丈夫だ、お前たちの射撃能力なら相手を銃弾で傷つけずに倒せる」

「「……」」

 

フォローを入れてみたが、パーティールームでの狙撃のことを思い出してか曖昧なうなずきしか返ってこなかった。

 

「皆! 雇われた殺し屋はあと多くても1人か2人だ、行くぞ!」

『おう!』

 

2人の状態が心配だが、時間もあまりない。

皆を鼓舞して上のコンサートホールに向かう。

 

「……⁉ 全員隠れろ! 敵が来た!」

 

敵の存在にいち早く気づいた烏間先生の指示でばらけるように広がり、それぞれ客席の裏に隠れる。

 

「…………15いや16匹か? 呼吸からしてほとんどが十代半ばか、動ける奴全員で来たな」

 

驚いた、呼吸音で見抜くなんてな。

 

「言っとくがここは完全防音、人殺しの準備ができてねーなら大人しくボスに頭下げに行け」

 

――――バァン!

 

位置的に凛香だろう、忠告してきた敵の銃を狙って撃つが外れてしまい後ろのライトに当たる。

 

「なるほど忠告した俺への回答がそれか。暗殺を受けた中学生……マズイ仕事だと思ったが、存外美味ぇ仕事みたいだな!」

 

その言葉と同時に敵が照明をつけ、凛香に向かって発砲した。

 

(マズイ、あのままいけば客席の隙間を縫って狙われる!)

 

――――パァン‼ ――――ギインンンンッ‼

 

そう思った俺も即座に立ち上がり発砲、()()()()に当てる。

銃弾撃ち(ビリヤード)

文字通りビリヤードのごとく相手の銃弾を当てることで軌道を変え、凛香に迫っていた銃弾は見当違いのところに飛んでいく。

 

「てめー、今何した?」

 

立ち上がって発砲したことによって、俺は敵にバレてしまったが仕方ない。

 

「俺の大切な子に当たりそうだったから、ちょっと銃弾に当てさせてもらっただけさ」

「銃弾に当てただと⁉ ック、ハハハ面白れー、軍人時代でもそんな事をするヤツはいなかったぞ!」

「軍人?」

「ああ、そうさ。下にいた2人と違って俺は元軍人でね。幾多の経験で敵の位置の把握や銃の調子を確かめる術を身につけた。中学生相手に遅れは取らないつもりだったが、まさかお前みたいなヤツがいるなんてな」

「俺はただの学生だ。凛香!相手は位置を把握しているそのまま待機、殺せんせーは俺と一緒に指示を頼む」

「分かりました。千葉君、先生とキンジ君で指示を出しますのでここぞという時まで撃たないでください。後、渚君も相手は実銃ですのでさっきのは禁止です」

「もう一人だと⁉ どこから喋って……」

 

殺せんせーは客席最前列に置いてもらっている。

 

「俺達は学生、アンタみたいな熟練のプロ相手にするんだハンデを貰うぜ」

「ちっ、お前みたいなのがいる時点でハンデみたいなもんだろ!」

 

――バァン!――キィィィン!

 

俺に向かってくる弾丸を『銃弾撃ち』や『銃弾切り(スプリット)』で防ぎ

 

「寺坂、吉田! それぞれ左右に3列!」

 

また、俺の射撃によって相手が避けると

 

「死角ができた! このスキに茅野さんは2列前進です!」

 

相手の死角を利用しどんどん隠れている皆をシャッフルさせていく。

 

「くそ、ややこしいことしやがって。だがたった十数人、誰がどの位置にいるかだいたい分かったぜ」

「そうか、だがここからついていけるか?」

「へ?」

「出席番号12番!1つ隣に移動して準備しろ」

「バイク好きは左前に2列進みなさい!」

 

そうここからがシャッフルの真骨頂、出席番号や特徴などで今度は指示をする。

俺以外の姿を知らない相手はこれで誰がどこにいるか分からなくなるだろう。

 

「千葉君いよいよ狙撃です。次の指示のあと君のタイミングで撃ちなさい」

「凛香は状況に合わせて千葉のフォローを頼む、敵の行動を封じるぞ」

 

俺と殺せんせーが指示を出したが、2人がひどく緊張してるのは先ほどの状態からして間違いないだろう。

 

「凛香、千葉、お前たちだけがプレッシャーを抱える必要はない! 武偵憲章1条『仲間を信じ、仲間を助けよ。』俺が、いや俺達がいる!」

「そうです。外した時は人も銃もシャッフル、さらにキンジ君には近接を仕掛けてもらう戦術に切り替えます。君達の横には同じ経験を持つ仲間がいる、安心して引き金を引きなさい」

 

さあ凛香、千葉、2人の成長見させてもらうぞ。

 

「「出席番号12番、立って狙撃‼」」

「ビンゴ! 12番が銃を持っている奴だってのは分かってんだよ!」

 

――バァン!――ギインンンンッ‼

――バァン!

 

「お前が銃弾を弾くことも計算済みで2発連続撃たせてもらった。これで1人殺った……って人形だと⁉」

「アンタが12番を狙って、さらに俺の『銃弾撃ち』も計算にいれているのは分かっていたよ」

 

出席番号12番は()()だ。

菅谷にはダミー人形を制作させ、最後のブラフを用意させてある。

 

「千葉、決めちまえ」

「オーケー、キンジ」

 

――――バァン!

 

千葉の銃声がホールに響く。

 

「へ、へへ、残念だったな。ハズレだ、これでッグハ⁉」

 

千葉に向けて銃口を向けようとした瞬間、狙い通りに破壊された金具により吊り照明が敵にぶつかる。

 

「く……そが……せめて……一人」

 

最後の1発だと言わんばかりに今度は俺に銃口を向けるも、凛香の狙撃によってそれも阻止され敵はそのままドサッと倒れた。

 

「やぁっと当たった。さっきからアンタ、キンジを狙いすぎなのよ」

「敵は倒れた、皆は拘束を頼む」

 

皆に頼んだ後、前列にいた殺せんせーに俺は近づき

 

「殺せんせー、これで良かったんだよな」

「ええ、ありがとうございます」

「じゃあ、俺は凛香達を褒めにいってくる」

「ええ、私の触手の分も頼みます」

 

 

「さっきの敵は遠山君1人で良かったんじゃないか?」

「確かに烏間先生の言う通り、先ほどの敵どころか今回の殺し屋全員、()()()()()()で対処できる相手でした」

「なら……」

「どんな人間にも殻を破るチャンスが何度かあります。しかしそのチャンスは強敵や経験を分かつ仲間達に恵まれてないと活かしきれません。私は教師としてそんな場を用意してあげたかったのです。その為、遠山君にも過度に手助けしないように頼みました、と言ってもキンジ君はカルマ君のところで私の意図を察してくれたんですけどね」

「……そうか」

 

 

 

 

――――目標地点まであと2階




渚を強化、まだウー先生に教えられていることがあるため鷹岡戦は原作と多少異なった展開になります。
あと気配を溶け込ませる技術についてですがイメージをするなら死神が教室に入ってきた時の感じです
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