哿の暗殺教室   作:翠色の風

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ホントは昨日にできたはずなのですが、「哿がいけるんだ、妖刕でもいけんじゃね?」という突然の発想でそっちを試しに書いて遅れました。

これで沖縄編が終わり、次回で夏休みが終わります。


40弾 宣言の時間

「ビッチ先生と烏間先生をくっつける?」

 

神崎と肝試しとなった海底洞窟から抜け、少しすると中村からそんな提案を持ちかけられた。

 

「そうそう、見ていてもどかしいからねぇ」

 

他の皆も賛成なようでどうやら拒否権も無いようだ。

仕方なく付き合うことにした俺は、作戦を練る為にもビッチ先生を連れ全員でホテルに戻る。

 

「それにしても意外だよな、あんだけ男を自由自在に操れるのに」

「自分の恋愛には、てんで奥手なのね」

 

木村や茅野の言う通り、ハニートラップの使い手なのだから烏間先生もすぐにオトセそうな気がするんだが……

 

「アイツの堅物っぷりは世界クラスだったのよ、仕方ないじゃない! ムキになって本気にさせようとしている間んに……そのうちこっちが」

『う……』

 

ビッチ先生がホレた要因を説明した顔に血流の不安は感じずともドキッときてしまう。

 

「「キンジ(くん)?」」

 

――――ギリギリギリ

 

「待て、凛香、神崎わき腹をつねるな痛い!」

「キンジ君、『神崎』じゃなくて海底洞窟の時みたいに私の事これからは『有希子』って呼んで。それならやめるから」

「わかった! 有希子って呼ぶからやめてくれ!」

 

そう約束すると神崎……いや、有希子の手は離れたが逆に凛香は離さずにさらにつねり始める。

 

「海底洞窟で! 何があったか! 知らないけど! お盛んなようね! キンジ!」

「凛香、それ以上はちぎれる! マジで勘弁してくれ!」

 

言葉を区切るたびに捻るため、真面目に痛い。

それに海底洞窟では肝試ししただけだろ!

矢田によって凛香は引き離され、俺のわき腹がちぎれることはなかった。

つねられた箇所をさすっていると

 

――――ドン!

「俺も神崎さんと名前で呼び合える関係になりたかったのに」

 

なぜか壁を殴ってブツブツ言う杉野が見えた。

 

「なあ、杉野のヤツ何してんだ?」

「放っておいてあげて、特にキンジ君が声をかけると余計に可哀想だから」

 

渚にそう言われ声をかけるのをやめたが、有希子も名前で呼ばれるのを嫌ってないし杉野も呼べばいいだけの話じゃないのか?

 

「……私のことよりあっちの方が問題じゃないの?」

「それも考えがあるから、両方とも俺たちに任せてくれ!」

 

ビッチ先生が言った問題は分からないが、前原が言うには考えがあるみたいだし大丈夫なんだろう。

こうしてビッチ先生と烏間先生をくっつける作戦会議が始まった。

 

「では恋愛コンサルタント3年E組の会議を始めます」

「ノリノリだな、殺せんせー」

 

殺せんせーの今の姿はサラリーマンのような恰好だ。毎回思うが準備良すぎだろ、殺せんせー。

 

「ええ、キンジ君。なんせ同僚の恋ですからね。女教師が男に溺れる愛欲の日々……良い小説が描けそうです」

『この先生、明らかにエロ小説を構想してるよ!』

「とりあえず、殺せんせーは置いといてさっさとやらねーと時間無くなるぞ」

「遠山の言う通りね。まずは服装からだけど、ビッチ先生の服って趣味が悪いと思うんだよね」

「ビッチ先生露出してたらいーやって思ってるんでしょ」

「烏間先生みたいな、お堅い日本人には合わないよ。もっと清楚にいかないと」

 

俺は恋愛については全く分からないが、確かに大和撫子とかのほうが印象は良さそうだよな。

 

「清楚って言ったら、神崎ちゃんか。昨日の服乾いてたら貸してくんない?」

「あ、うん!」

 

中村の提案で有希子の服にビッチ先生が着替えることになった。

昨日の有希子の服なら露出も少ないし俺の危険性も減るな。

これを気にビッチ先生の服がマシになればいいんだが……

そう考えていると服を持って有希子が戻ってきた為、続いてビッチ先生が着替えるのに席を外した。

 

「なあ、今更なんだが神崎とビッチ先生のサイズ合わないんじゃなーのか?」

『あ……』

 

吉田の一言で全員がその事実に気づいて声を漏らす。

戻ってきたビッチ先生は吉田の言う通り、服のサイズが合わずパツパツな状態でさっき以上に危険な恰好だった。

俺は血流に危険を感じた為、慌ててビッチ先生を視界から外す。

 

「神崎さんがあんなエロイ服着てたと思うと……」

「ッ⁉ キンジ君、ビッチ先生を見ないで!」

 

岡島の一言で恥ずかしくなったのだろう、顔を真っ赤にさせた有希子が俺の視界を手で塞いできた。

至近距離まで近寄られたため有希子の匂いが一段と強くなる。

 

 

「岡島……余計な事言うな!」

 

――――ゴスッ!

 

見えなくても岡島が凛香によって制裁されたのが分かる。俺は心の中で岡島に合掌した。

 

バカ(岡島)とエロい恰好については置いといて、大事なのは乳よりも人間同士の相性よ!」

 

岡野の発言に、これでもかと茅野も首を縦に振る。

 

「じゃあ、烏間先生の好みを知ってるヤツはいるか?」

「前に烏間先生、このCM見て出ていた女の人のことべた褒めにしてたよ。『理想の女性だ』って」

 

矢田が言ったCMを見てみると、その女性は某警備会社のCMに出るアマレスラーだった。

 

『理想の女性じゃなくて理想の戦力じゃねーか!』

「いや、強い女性が好きって線もある、それだとなおさらビッチ先生の筋力だと絶望的だね」

 

竹林の言葉を聞き、蘭豹がどこから聞いたのか烏間先生の事を紹介しろって言ってたのを思い出した。

理想の戦力になる上、蘭豹も黙って大人しくしていたら美人の部類に入る。

あれ? もしかして紹介したらビッチ先生の恋ヤバくないか?

 

「キンジ、何複雑そうな顔してるの?」

「凛香……ビッチ先生のライバルになりそうなヤツを思い出してな」

「ああ、あの人ね」

 

凛香も分かったようで俺同様に複雑そうな顔をしていた。

 

「ちょうどいいや、キンジと速水さん。烏間先生達を景色の良いところで2人っきりにさせるから下見するの手伝ってくれ」

 

そう言って磯貝や渚、茅野が声をかけてきた。

 

「あ、私も「神崎さん、こっち手伝ってもらえない?」え? う、うん」

 

何か怪しい、大半がどこか挙動不審な動きをしている。

 

「皆、何か俺に隠し事してないか?」

「な、なにもないよー。良いから遠山君は下見行ってきて」

 

聞いてもはぐらかされて、俺は倉橋に押されホテルを追い出された。

 

「じゃあ、キンジ達は浜辺の方を頼む」

 

ホテルを出るなり、磯貝がそう言うと俺と凛香を置いてどこかに行ってしまった。

 

「皆、やり方もう少し考えてよ……」

「凛香?」

「何でもない! さっさと下見行くわよ」

 

凛香と共に浜辺を歩いているが、なかなかいい場所が見当たらない。

 

「……ねぇ、キンジ」

「どうした、突然止まって」

 

凛香が立ち止まり、俺を見ずに夜空に浮かぶ三日月を見ながら話し始めた。

 

「昨日はありがとう」

「凛香もか……有希子にも言ったが凛香も俺だけじゃない皆がいたからだろ」

「ううん。キンジが言ってくれたから『俺がいる』って、だから私は安心して引けた」

「ま、まあ、凛香は俺のパートナーなんだろう。だったら、不安とかも半分くらい背負ってやるよ」

「うん、期待してる。あと私、進学先決めたから『東京武偵高』に」

「へ?」

 

凛香が武偵高に?

 

「キンジのパートナーが務まる人なんて他にいないでしょ?」

「……危険なのが分かって言っているのか? 下手したら死ぬことだってあるんだぞ」

「分かっている、それでも行くって決めたから」

 

この幼馴染が一度言った事を撤回しないのは知っている。

俺はため息をついて

 

「銃のほうは大丈夫だが、ナイフは今のままじゃダメだ。学校に戻ったら矯正するぞ」

 

凛香が武偵高に行っても苦労しないように今のうちから教えれることを教えてやるか。

そこまで言うと凛香は初めてこちらを向き、その顔は驚いた顔をしていた。

 

「なんでそんな顔をしてんだよ」

「てっきりキンジは反対すると思ったから……」

「凛香が言った事を曲げない事ぐらい分かっているからな」

「恋愛になると鈍感なくせに」ボソッ

「ん?」

「キンジは気にしなくていい事よ。そうだ、あと1つ宣言しとくわ」

「なんだよ、あと1つって?」

 

俺が聞くと凛香はこちらに歩みよりながら

 

「キンジがタラシなのは知ってたし、神崎や律、あと何人ライバルがでてくるか分からないけど、キンジは私が殺るから」

 

――チュッ

 

「……⁉」

 

そういうと凛香は俺の胸倉を掴んで引き寄せると、小さな唇を俺の口に押し当てた。

俺はあまりの事に何も考えられずに頭が真っ白になる。

 

(俺、キスされてたのか?)

――――ドクン!

 

凛香の唇が離れて、ようやくどこか他人行儀にだがさっきのことを認識することができた。

数瞬遅れて、あの血流が一段と強くくる。

 

「どうせ律もいるんでしょう。今の言葉、神崎にも伝えといて」

 

それだけ言うと凛香は先にホテルの方に戻っていく。

ヒステリアモードの頭でようやく気付いたが、この作戦烏間先生とイリーナ先生だけでなく俺と凛香のも仕組まれたものだったみたいだな。

携帯を見ると時刻は21:00で、律も有希子に伝えるためか携帯にいなかった。

 

「今、戻っても野暮だな」

 

俺はしばらくの間、夜の海を眺めるのだった。

凛香に暗殺宣言されたが、無事に生き残れるのだろうか……

 

 

 

 

 

 

~???side~

「超生物を殺す以外にこのターゲットを連れて来たらいいんだね」

『そうだ、その条件を達成出来たら君の入学を認めよう。彼女によって僕の研究はさらに進むからね、殺さないで連れてきてくれ』

「分かっている、()()()()はあなたの下に生きたまま連れていく」

『君には期待しているよ、死神君』

 

この暗殺さえやりとげたら、あの場所に入学できる。

そうすれば僕のスキルはもっと上がるだろう。

 

「その為にも僕の経験値になっておくれよ、3年E組の皆」




次回か次々回にでも活動報告でキンジのコードネームを募集しようと思います。
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