とうとうキンジのコードネームが出てきます。
6/12 一部文章の変更をいたしました。
9月も半ばを過ぎた頃、いつも通り学校に行くとため息をついてる木村が目に入った。
「よう木村、何朝からため息ついてんだ?」
「キンジか……ちょっと名前でな」
名前?……そうか、普段皆から『まさよし』って呼ばれているから忘れていたな。
ここに来る前に情報科が調べた資料に載っていた名前を思い出す。
木村の本当の名前は普段呼ばれたりする『
「え、木村君の名前って『まさよし』じゃないの?」
「ああ、茅野とキンジは入学式にいないから知らないのか」
どうやら入学式で呼ばれたようで知ってるのだろう、菅谷が俺と茅野を見て思い出したように言う。
「『正義』って書いて『ジャスティス』って読むんだよ。普段の『まさよし』は武士の情けで皆に読んでもらってるんだ。卒業式でまた呼ばれるのかと思うと嫌ったらねーよ」
後から凛香達に聞いたが、木村の両親は2人とも警察官らしく正義感で舞い上がって『ジャスティス』とつけたらしい。これに関しては自分たちで決められない問題な為、気の毒だなとしか言えないな……
「はぁ、子供が学校でどんだけからかわれるとか考えたこともねーんだろーな」
木村が再びため息をついていると、珍しいことに狭間がこちらにやってきた。
「親なんてそんなもんよ。私なんてこの顔で『
「い、いや・・・」
言ったら悪いが、狭間は名前と真逆のイメージしか思いつかない。
てか綺羅々なんて名前ホントにつける人いたんだな。
「うちの親メルヘン脳のくせに・・・、気に入らない事があったら、すぐヒステリックにわめき散らす・・・。そんなストレスかかる家で育って名前通りに可愛らしく育つわけ無いのにね」
「大変だねー皆。へんてこな名前つけられて」
⦅お前が言うのか⁉⦆
カルマも会話に参加してきたが、『業』と書いて『カルマ』と読むコイツも大差ないだろ……
「カルマはその名前に不満はないのか?」
「俺? 俺は結構気にいってるよ。てかキンジ君がそれ聞く?」
は? なんでそこで俺が出てくるんだ?
「速水さん、キンジ君って次男でしょ?」
「え、そうだけどそれが?」
「やっぱりね。遠山の金さんの家系で次男だから『金次』。ほぼそのままじゃん、変な名前つけられるのと大差ないんじゃない?」
「「「あ……」」」
確かにカルマの言う通りかもしれない……俺の兄さんの名前も『金一』だし。
じゃあ、もし俺の下に弟がいたのなら『金三』になってたのだろうか?
つか、カルマが言った後の皆の視線が同情のモノになったんだが……
「一応言っておくが、俺もカルマと一緒でこの名前に不満はないからな」
「先生は名前に関して不満があります」
俺が言うと同時に殺せんせーが俺の後ろから突然出てきた。
「転校してきた俺にそう呼べって言ったのに何が不満なんだよ?」
「茅野につけてもらった名前、気にいってんじゃん」
「気にいってるから不満なんです。未だに2人程、その名前で呼んでくれないんですよ」
俺や杉野が言うと殺せんせーが2人の教師を見ながら答える。
「だって良い大人が『殺せんせー』とか恥ずいし……」
「速水さんのお母さんやB95のセアラさんは呼んでくれましたよ! イリーナ先生と大きさがほぼ変わらないのに!」
「胸の大きさは関係ないわよ! このエロダコ!」
殺せんせーは何とち狂った理由を言ってんだよ……
そして岡島、お前は鼻の下伸ばしながら殺せんせーに写真をもっているか聞くな!
「そうだコードネームは?」
「矢田、コードネームって?」
「もう一つの名前を作って呼び合うの、凛香ちゃん。ほら、南の島で会った殺し屋さん達、互いに本名を伏せて呼び合ってたでしょ? そういうの殺し屋っぽくない?」
なるほど、二つ名みたいなものか。
「良いですね、ではこうしましょう。皆さんで各自全員分のコードネーム候補を書いてもらい、その中から先生が無作為に選びますのでそのコードネームで今日一日過ごしてみましょう」
無作為か……父さんの『静かなる鬼』や瑠美さんの『立烏帽子』みたいに誇れるものだったらいいんだがな。
殺せんせーの提案によって、コードネームを決めた俺達は体育の為に裏山に行くのだった。
「『
「『
「ああ」
『野球バカ』からの連絡通りならもうすぐ来るな。
「『
「「了解、『人間卒業』」」
警戒していると、再び無線アプリの通知がきた。
「どうした『
「すまねぇ『人間卒業』、包囲の間を抜けられた」
クソッ、確か『女たらしクソ野郎』の後ろには『
そこで仕留めればいいんだが……
「ダメ、『ゆるふわクワガタ』達のところも逃げられたみたい」
『ツンデレソルジャー』の方に連絡が来たみたいで逃げた方向を聞くと、『堅物』は『
「まだ追いつけない距離じゃない。『ツンデレソルジャー』、『神崎名人』先回りして『堅物』を追い詰めるぞ」
「「うん!」」
俺達が追い付くと、『
「『人間卒業』、『
「了解だ、『凛として説教』! 『神崎名人』は『凛として説教』と一緒に弾幕を張ってくれ。
「了解!」
『堅物』の退路は『
後は……
「やはり君たちが来るか、『人間卒業』、『ツンデレソルジャー』」
『堅物』が俺達を見て構える。
俺達はそのまま挟むように近距離から拳銃で『堅物』の体に張ってある的を狙うが、
「それでは的に当てれないぞ」
――――ブンッ!――――ドゴンッ!
俺を蹴りで飛ばし、『ツンデレソルジャー』を投げて攻撃を防いだ『堅物』に隙が生まれた。
(今だ、『
――――パァン!
『ギャルゲーの主人公』の銃声が山に響く。
ただし、当たったのは『堅物』ではなく、『堅物』が持つ木片だった。
「『ギャルゲーの主人公』! 君の狙撃は常に警戒されていると思え!」
甘いな、『堅物』。『ギャルゲーの主人公』も俺達同様にブラフだ。
さあ、決めちまえ……
「「「ジャスティス‼」」」
「何ッ⁉」
――――パパパパパパァーン
「どうでした、1限目をコードネームで過ごした気分は?」
「「「なんか……どっと傷ついた」」」
誰だよ、『人間卒業』なんて考えたヤツ……俺は人間を卒業した覚えなんてないぞ!
「『人間卒業』さん、なんで私は『
「『萌え箱』……俺も分からないから聞かないでくれ」
多分、『
そう思い『メガネ(爆)』を見るとニヤニヤと笑いながら、何故か『鷹岡もどき』を見ていた。
「殺せんせー。なんで俺だけ本名のままだったんだ?」
『鷹岡もどき』が怒鳴りそうになったところで『ジャスティス』がコードネームを選んだ殺せんせーに聞く。
確かに今回のコードネーム、『ジャスティス』だけはそのままだったな。
「今日の体育の内容は知ってましたからね。君が活躍すると思ったんですよ。さっきみたいにカッコよく決めた時なら『ジャスティス』って名前でもしっくりくるでしょ?」
「うーん……」
「名前は人を造らない。人が歩いた足跡にその名前が残るのです。その証拠に周りが認めるほどの実績を残した者は自然と2つ名がつけられます。ですから、もうしばらくその名前……持っておいてはどうでしょうか? 少なくても暗殺に決着が着くまでの間だけは……ね」
もしかして殺せんせーが『
そんな事を考えていると殺せんせーは、黒板に何か書きながら
「今日はコードネームを呼ぶ日ですので、先生の事も以後この名で呼んでください。『永遠なる疾風の運命の王子』と」
その瞬間、全員がキレた。
「ふざけんな! 何スカした名前つけてんだ!」
「しかもなんだそのドヤ顔」
「にゅやッ、ちょ、いーじゃないですか1日ぐらい!」
「良くない! 先生なんて『バカなるエロのチキンのタコ』で十分よ!」
『バカなるエロのチキンのタコ』に向け全員で発砲していると、『堅物』が教室に入ってきて
「『人間卒業』、聞きたいことがある。教員室に来てくれ」
聞きたいことってなんだ?
心当たりはないが、俺は『堅物』と共に教員室に向かった。
「真面目な話をする。だから今からコードネームで呼ばなくていい」
「分かりました烏間先生。それで聞きたい事ってなんですか?」
「キンジ君、君は『京菱イノベーティブ』と繋がりはあるのか?」
京菱イノベーティブ?
確かその会社、自衛隊とかの装備を作る『京菱重工』の子会社だったはず……
「名前は知っていますが、繋がりはありません」
「そうか……実はだな君宛に京菱イノベーティブからつい先ほどコレが届いたのだ」
そう言って烏間先生が部下に持って来させたのは、人が入れるほどの大きさの金属の箱だった。
烏間先生が言うには、中身は分からないが少なくとも爆弾などの罠の可能性はないらしい。
「いったいなんなんだ……」
「あ、届いたんですか?」
と俺のケータイから律が出てきた。
もしかしてこれ律が関わってるのか?
「律君、コレの中身を知ってるのか?」
「はい! 以前ご報告したヒューマノイドです」
ヒューマノイドって……あれは確か完成はまだ先だったろう?
それに平賀さんが作ってたはずなのに、なぜ京菱イノベーティブが……
「私の開発者がどこからかヒューマノイドの事を聞いたらしく、よりデータを集めるためにと、不完全ながらヒューマノイドを作った経験がある京菱イノベーティブに協力を依頼したんです。途中まで作成していた平賀さんと京菱イノベーティブの社長で残りを仕上げたみたいです。それと開発者も少しこの開発に関わっているみたいですよ」
マジかよ……暗殺に不必要なものはいらないって言っていた開発者がそんな事本当に許すのか?
「……あとで俺の方からも開発者と社長に話を伺おう」
俺と同じ事を思ったのだろう、そっちの事は烏間先生が対処してくれるみたいだ。
「ではキンジさん、私のデータを移しますのでキンジさんのケータイをこれに繋いでください」
律の言う通りにケータイと箱をケーブルで繋ぐ。
「全データの移動まで、あと10%………5、4、3、2、1……移動完了しました。ヒューマノイド改め『自 律』起動します」
機械の合成音声と共にフタが開いく。
中にいたのは一人の少女だった。
紫がかった髪に今は閉じている目だが恐らくその目の色は青いだろう。
何故わかるか……いつも見ていたからだ。
椚ヶ丘中の制服に身を包んだ少女の姿は、今まで画面越しに見ていた律と全く一緒の姿をしていた。
律の姿を見ていると、律の目が開き微笑みながら
「おはようございます。キンジさん」
「ああ律、おはよう」
「これが体ですか……思考してから行動まで若干ラグがありますね……」
立ち上がり自身の体を見回しながら、そんな事を律が言っているといつの間にか横には殺せんせーがいた。
「どうやら、改めて『萌え箱』さんを皆さんに紹介しないといけないようですねぇ」
「はい! 私の事は『
この日から律は、『自律思考固定砲台』から『自 律』に変わった。
2限目で皆にも紹介すると、全員驚いていたが律が体を持つことができたことを自分の事のように喜んでくれていた。
余談だがこの後、律と俺と烏間先生がコードネームで呼び合っていなかったことがバレて3人だけ翌日も『
捕捉になりますが、以下はクラス全員のコードネームの一覧です。
殺せんせー バカなるエロのチキンのタコ
烏間 惟臣 堅物→人外
イリーナ・イェラビッチ ビッチビチ
赤羽 業 中二半
磯貝 悠馬 貧乏委員
岡島 大河 変態終末期
岡野 ひなた すごいサル
奥田 愛美 毒メガネ
片岡 メグ 凛として説教
茅野 カエデ 永遠の0
神崎 有希子 神崎名人
木村 正義 ジャスティス
倉橋 陽菜乃 ゆるふわクワガタ
潮田 渚 性別
菅谷 創介 美術ノッポ
杉野 友人 野球バカ
竹林 孝太郎 メガネ(爆)
千葉 龍之介 ギャルゲーの主人公
寺坂 竜馬 鷹岡もどき
中村 莉桜 ギャル英語
狭間 綺羅々 E組の闇
速水 凛香 ツンデレソルジャー
原 寿美鈴 椚ヶ丘の母
不破 優月 このマンガがすごい‼
前原 陽斗 女たらしクソ野郎
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吉田 大成 ホームベース
遠山 金次 人間卒業→新人類
自 律 萌え箱→俺達の夢
堀部 糸成 コロコロ上がり