哿の暗殺教室   作:翠色の風

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お待たせしました。


61弾 変化の時間

俺が殺せんせーを追いかけている間に何かあったのか、夏休みのようにビッチ先生と烏間先生くっつけようとクラス全員で作戦を練ることになっていた。

 

「渚、なんで急にそんな話になったんだ?」

「キンジ君が追いかけてる間に思い出したんだけど、ビッチ先生3日前に誕生日だったんだ。烏間先生からもらえなくてすねてるところ見ちゃってね」

 

ビッチ先生、子供じゃないんだから誕生日プレゼントをもらえないだけですねるなよ……

 

「とりあえず皆、ビッチ先生の誕生日プレゼントの為にもカンパよろしく~」

 

中村が代表して金を集めていき、だいたいが200円前後だし俺も200円中村に渡した。

集まった金はだいたい5000円、後は……

 

「それで何を買うつもりなんだ?」

 

俺の一言に幾人かは困った顔を浮かべ

 

「それなんだよな……ビッチ先生大概の物をもらったことがあるだろ」

「さっき持ってる鍵を聞いたら、石油王からもらったスポーツカーって言ってたね」

 

杉野や倉橋の言葉により一層皆は困り、贈り物を言ってはダメだとなっていた。

 

「がー、全然決まんねえ! キンジは何か案ねえのか?」

「前原、皆で決まらねえのになんで俺に振るんだよ……」

 

体質的に極力避けてる俺が分かるわけねーだろ、女のプレゼントなんて。

最近送ったのは……凛香か。確かあの時贈ったのは……

 

「花なんてどうだ?」

 

あの花屋の男も言ってたよな「花をもらって喜ばない女の子はいない」って。

 

「いいんじゃないでしょうか。調べた限り、大人の女の人に渡すプレゼントでも第一線で通用してるみたいですよ」

 

俺の言葉に律が後押しすると、他の皆も口々に

 

「いいんじゃない、数週間で枯れる物に5千円あの純情ビッチも喜ぶんじゃない」

「誕生日に花束、ロマンチックですね」

「さっそく買いに行こ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

贈り物を決めた俺達はビッチ先生を引き離す係と買い出し班に別れて行動した。

俺は引き離す係になっており、買い出し班の杉野、有希子、茅野、渚、カルマ、奥田、律に買い出しに行ってもらっている。

今は、うまい具合に矢田などがビッチ先生を呼び出して引き離すことに成功したんだが……

 

「ねえ、それでそれで? フランスの男はどういう殺し文句に弱かったの?」

「それはね桃花」

「ァーーーーー」

「キンジさっきからうるさい」

 

仕方ねえだろ凛香!

さっきからビッチ先生が話す内容がヒス的にアウトな内容なんだよ。

ビッチ先生の機嫌を損ねないためにも逃げれないし、せめて情報のシャットアウトくらいさせてくれ。

 

「何よトオヤマ、もしかして照れてるの?アンタもまだまだガキね~」

「ちょ⁉ やめろ、ビッチ先生‼」

 

何を考えてるのか、突然俺を胸に引き寄せたかと思うと頭をガシガシと大雑把に撫で始める。

痛いし、当たってる!ヤバイから、血流がヤバイから!

 

「ヒッ‼ び、ビッチ先生いつもの悩殺ポーズ取ってくれよ」

「あ、この前みたいにピアノ弾いてほしいな」

「え?……上等よ‼片っ端から片付けてやるわ。せいぜい発情しないことねクソガキ共‼」

 

た、助かった。

菅谷たちのおかげで俺はビッチ先生から解放され、ギリギリだったがヒスらずに済んだ。

……小さくだが一部から悲鳴が聞こえてきた気がするがきっと気のせいだろう、鬼の形相の凛香なんていなかったんだ。

 

 

 

ビッチ先生の相手をしばらくしていると、ケータイのバイブが震える。有希子たちからの合図だ。

 

「あ! そういえばこの後用事あるじゃん私達!」

「ちょ、ちょっと全員なの⁉」

 

中村がまず立ち去り、続けて俺達も校舎の中へと引っ込み素早く教室の窓から出て教員室の窓下に集まる。

そこに集まれば、先に買い出し班の皆がそこにいた。

 

「有希子、上手く烏間先生に渡せたか?」

「うん渡せたよ、でも……」

「何かあったのか?」

 

聞けば駅前の花屋に向かう前に、律が世話になった花屋の男性を見つけそこで見繕ってもらったらしい。

 

「たぶん気のせいだけど、そこに花屋の車があるかのような動きだったの。それに花屋の人も本人なはずなのに前と違うように感じたんだ」

「気のせいじゃないか、それに律だったらカーナビのGPSとか逆探知しそうだし」

 

この前の時も岡島のケータイを逆探知したうえ、予測ルートまで立ててたしな。

今回も同じことをやって、花屋の車のほうが近いと判断したんだろう。

 

そう俺が説明すると「確かに律ならできそうだね」と納得し、俺と有希子はビッチ先生達の様子を覗こうとすると

 

――ガラッ

 

「「「あ……」」」

「…………」

 

窓を開けたビッチ先生と目が合う。

 

「こんな事だろうと思ったわ。この堅物が……誕生日に花贈るなんて思いつくはずないもんね」

 

そう言ってビッチ先生は胸の谷間に手を入れ……マズイッ‼

 

「全員伏せろ‼」

 

――ドゥ‼

 

俺の声に反応して全員がしゃがむ。

それと同時にビッチ先生のデリンジャーから俺達がいた方向に向け銃弾が飛んできた。

 

「ビッチ先生危ねぇだろ!あとデリンジャーは狙って撃つんじゃなくて、押し付けて撃つもんだ!」

「キンジ君、今それを注意するの⁉」

 

仕方ねえだろ渚! 修学旅行のあたりからビッチ先生の撃ち方がずっと気になってたんだよ!

 

「見世物のお代よ、楽しんでくれた? プロの殺し屋がガキどものシナリオに踊らされて舞い上がってる姿見て」

「誤解ですイリーナ先生。生徒たちは純粋な好意から……」

「説得力ないわ、タコ記者‼」

 

殺せんせー……メモどころかカメラにボイスレコーダーまで用意しやがって……

せめてこういう時ぐらい真面目にやってくれよ。

 

ビッチ先生は再び俺達をなんの感情も感じられない目で見た後、烏間先生に花束を突き返し

 

「おかげで目が覚めたわ。最高のプレゼントありがとう」

 

そう言って、旧校舎から出て行った。

 

「ちょ、ビッチ先生⁉」

 

それを追いかけようとするも進行方向に殺せんせーが立ち

 

「そっとしときましょう。明日になれば冷静に話も出来るはずです」

 

確かにあの怒り方は今まで見たことがなかった。

今追いかけても余計に怒らせるだけだろうな。

俺は仕方ないかと思ったが、他は違うようで前原や岡野は烏間先生に詰め寄っていた。

 

「烏間先生‼ なんか冷たくないスかさっきの一言!」

「まさか……まだ気づいてないんですか⁉」

「俺がそこまで鈍感に見えるか?」

 

え? あんな態度しかビッチ先生していないのに、まさか気づいてたのか⁉

 

「非常と思われても仕方ないが、あのまま冷静さを欠き続けるなら他の暗殺者を雇う。色恋で鈍るような刃はここでは不要……それだけの話だ」

 

それは殺しのライセンスを持つ者……プロからの言葉だった。

プロに対して誰よりも厳しい人の言葉に誰も言葉は出ず、そのまま烏間先生もいなくなり俺達は解散しざるをえなかった。

 

 

 

 

 

その夜、有希子も凛香も今日はそのまま自分の家に帰り、晩飯を簡単に済ませた俺と律は海外ドラマをボーっと見ながら過ごしていた。

 

「……キンジさん、ビッチ先生大丈夫ですよね?」

「ビッチ先生もプロだ、多少子供じみた所があるが仕事を放棄するような人ではないだろ」

「そうですね……」

 

ソファーに座る律はその場で体育座りになり自分の太ももに顔をうずめる。

 

「キンジさんの言う通りビッチ先生が来る確率は高いはずなのに、それを肯定できません」

「不安なのか?」

「はい……私はビッチ先生ともう会えないように思えて不安です。……もうスリープモードに入りますねキンジさん、おやすみなさい」

「あ、ああ、おやすみ」

 

俺は一言しか言葉を返す事しか出来なかった。

今律のヤツ、()()()()()をしてなかったか?

今までだと、俺が言った感情を仮定と想定してから言う筈なのに……

いったい律に何が起きてんだ?

 

俺は律の変化の驚きから、出て行った扉をただただ見つめるのだった。

 

 

~???side~

 

「……ここで僕の話はおしまいさ。これで分かってくれたかい?僕と君は同じなんだ」

「そうね、私とあなたは一緒だわ。ありがとう、おかげで目が覚めたわ()()

 

ここまで教唆術が上手くいくなんて、しょせんこの女もたいした事がないな。

まあいい、こいつとアイツはあくまで捨て駒だ、さっさとこの仕事も終わらせてあの組織に……

そして全てを手に入れた後、ゆくゆくは……

おっと、先の事に浮かれる前にまずは目の前の仕事だったね。

 

「じゃあ僕と共に協力してくれるかい? ()()()()()()()()()()()




次話はおそらく凛香などのキンジ君以外の視点が主体になると思います。
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