哿の暗殺教室   作:翠色の風

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あけましておめでとうございます。
年末に書き上げたかったのに間に合わなかった……


そして最新刊読んで、考えていたのちのちに登場させる予定のキャラと原作のキャラが被ったorz





今話も短めです


72弾 選択の時間

「殺せんせー、教えてください。僕は何になるべきなんでしょうか?」

 

ウー先生に会った翌日、殺せんせーによる進路相談で僕は開口一番にこう尋ねた。

こう尋ねたのも、僕が進路相談をしたのが一番最後だったのが理由だ。

速水さんや律、神崎さんの選択は武偵だった。

 

「憧れた人に近付きたいから」

「私はお兄ちゃんの……私に感情を与えてくれた彼の傍にずっといたいんです」

「彼の役に立ちたいのも理由だけど、助けた誰かに『ありがとう』って言ってもらえたのがうれしかったからかな。あはは、改めて言うと何か恥ずかしいね」

 

カルマ君は官僚、杉野はプロの選手だった。

 

「影で仕切るってかっこよくない?」

「俺にとって1本目はやっぱコレだからな。もちろん勉強とか(2本目)からも逃げるつもりはないぜ」

 

皆、目標が……自身が思い描く未来があった。

僕自身が誇れるモノなんて少ない。

せいぜい、ウー先生に教えてもらった技や数少ない才能ぐらいだ。

これらが活かせる職種なんて決まっている。

 

――『殺し屋』

 

ウー先生に言われるまでは『武偵』という選択肢は考えてなかったが、たぶん一番才能にあってるのは武偵よりも殺し屋だと思う。

 

「殺せんせー、僕の中ではなんとなくだけど人の顔が明暗に見えていました。明るい時は安全、暗い時は危険っていう風に。今まではよく分かってなかったけど、死神の一撃でそれが変わりました。見えるんです、相手の波長が、相手がどんな感情でいつ油断をしてるのか。多分……ううん、今なら死神にやられた事と同じ事ができる確信があります。僕にとっての唯一といって良い才能と技。殺せんせー、僕は殺し屋になるべきなんでしょうか?」

 

それが自問自答した僕の答え、2周目を考慮しなかった問だった。

 

「……君ほどの聡明な生徒だ。殺し屋になるメリット・デメリットを考えて今の発言をしたのでしょう。それを含めて言います。渚君、君には殺し屋の才能が備わっていることを先生は保証します。波長だけじゃない、君の勇気も君が身に着けた技術も含めてです。ですが君の勇気は自棄も含まれています。君が身に着けたモノは殺し屋にとって重要なスキルです。ですが今すぐ決断する前に、君がなぜその才能を見につけたかを振り返る必要がある。それを踏まえてもう一度、進路の相談をしましょう」

 

殺せんせーが僕の手に触手を添えながら、そう諭してくる。

技術は師がいた。なら才能は?

その要因なんてひとつしかない。

ある人の顔色を窺って、自分という存在を殺して過ごしていたのだから。

僕の才能に関わっているのは母さん以外考えられない。

……今晩話し合ってみよう。

 

人知れず話し合うことに決意を抱いていると、目の前で殺せんせーが出かける準備をしていた。

具体的に言うと、バスケットに駄菓子を詰め込んでいる。

この人がやりそうな事を考えると、この後の行動は簡単に分かるけど果たしてお見舞いとして駄菓子の詰め合わせはありなのだろうか?

 

「殺せんせーはこの後キンジ君のお見舞いですか?」

「良く分かりましたね。彼がう〇い棒やチロ〇チョコに喜んでくれたらいいんですが……あとお見舞いもかねて彼にも進路相談をするつもりです」

 

なんでだろう。キンジ君が食べる前に先生や律が全部食べる姿がありありと思い浮かべれる。

 

「じゃあ、殺せんせー。これで失礼します」

「はい、気をつけて帰ってくださいね。では面会時間も迫っていますので先生はこれで失礼します」

 

そう言って、殺せんせーは窓から出て行った。

今日は母さんは早く帰ってくる日だ。

なるべく機嫌を損ねたくないため、僕も校舎を出るのだった。

 

~キンジside~

「じゃあキンジ。また律や有希子と来るわ」

「おう」

 

面会時間も終わりそうになった頃、色々と荷物を持ってきてくれた凛香が帰った。

明日は念のため検査が待っている。

 

「今日の夕食はなんだろうな」

 

そんなことを一人つぶやきながら何気なく窓を見るとそれはいた。

 

「……はぁはぁ。入院する幼馴染に甲斐甲斐しく一人お見舞いに。これでE組にもとうとうカップルが」

 

下世話なタコがう〇い棒を食べつつメモ帳片手にピンクの顔をして何か書いていた。

女が苦手な俺のところに来ても、殺せんせーが好みそうな話題なんてないのにな。

ため息をつきつつ、殺せんせーが張り付いている窓を開ける

 

「なんの用だよ、殺せんせー。下世話なことがしたいなら他を当たったほうがいいぞ」

「いえいえそんな事をしに来たわけじゃありません。あ、これはお見舞いの品です」

 

そう言って、何個か食べたであろう大袋が開いている菓子を置く殺せんせー。

数分前の自分を振り返ってからその発言をしろ殺せんせー、あと見舞い品なら先に食うな。

 

「すいません、先生の所持金がアレなものでつい。と、少し逸れましたね。今日は君の進路相談をするのに来たのです」

 

進路相談って言っても、今は任務で中学にいるが実際は高校生だぞ俺。

 

「俺はもう武偵高に進学してるぞ?」

「ええ、ですから君の場合は目先の進路というよりも将来どうなりたいかですね」

 

『どうなりたいか』か……

思い浮かべるのは、今も武偵として国内外で活躍する兄さん、そして亡くなった父さんの姿。

 

「今は武偵高にいるけど、正直どんな職業に就くなんて考えてなかった。ただ兄さんや父さんのような誰かを救える人になりたいな」

「確かキンジ君のお父さんは烏間先生と同じ」

「ああ、公安所属だった。それで兄さんは武偵。どっちも俺の憧れだよ」

「誰かを救う人ですか。君の夢の選択肢は幅広く選べますね。ある程度は絞る必要はありますが、なるべく多く選べるように学力も必要ですね。HSSと折り合いをしつつ検討していきましょう」

「やっぱりそうだよな……って、今何言った殺せんせー⁉」

 

今、サラッととんでもない事言わなかったか⁉

 

「ニュヤ?学力がいると「その次だよ‼」ああ、HSSの折り合いについてですね。安心なさい、誰にも言っていませんよ」

 

やっぱり、俺の聞き間違いじゃなかったのか……

この先生は察しが良すぎる先生だ。

いつかバレると覚悟はしていた。

だがもうバレていたなんて。

 

「……いつ気づいたんだよ」

「確信を持ったのは、あのプールが爆破された時ですね。昔、君と同じ体質の人物と海外で会いましたから」

 

そんな前からかよ。しかも俺以外のヒステリアモードにあった事があるのか。

兄さんなら俺の苗字で気づきそうだから、全く赤の他人。

遠山家以外にもこの遺伝体質の人がいるんだな。

 

いつか会ってみたいと思ったところで、俺はあることに気付く

殺せんせーはヒステリアモードについて知っている。

じゃあ、もちろんトリガーについても知ってるってことだよな?

 

「……なあ、ヒステリアモードに慣れる訓練とか称して変な事やんねーだろうな?」

 

例えばエロ本を買ってこさせるとか……

そんな事を言われたら、記憶を消されても不登校を決めよう。

 

「君の中学時代の事が無ければやっていたかもしれませんね」

 

そう真面目に答える殺せんせー。

HSSを知ってるんだ。もしやと思ったがやっぱりそっちも調べ済みだったか。

中学時代の嫌な記憶。女性にとっての独善的な正義の味方。

中学より前に凛香にバレていなければ、今以上に女を避けていたかも知れない。

 

「君の能力は思春期にとって非常にデリケートな問題です。それに君の将来を左右させるものでもあります。ですから時間をかけてもいい、ソレとどう向き合うのか君なりの答えを見つけなさい。もちろん相談はいつでも受け付けますよ」

 

その言葉に不覚にも俺は涙が出そうになった。

律や凛香、それに殺せんせー。

家族以外にも俺という存在をフィルターなしに見てくれる人たち。

俺はホントに恵まれてるな。

 

「じゃあ、その時は気兼ねなく相談させてもらうぜ。殺せんせー」

「まあ、相談する前に地球が爆発するかもしれませんがね~ヌルフフフ」

 

たく、この先生は……

 

「そうだ、キンジ君。君に一つ聞きたいことがあります」

「なんだよ、殺せんせー?」

「速水さんがつけてるネックレスの石はキンジ君が拾ったと聞いたのですがどこで拾ったのですか?」

 

なんでそんな事を?

それに聞くなら俺より凛香の方がいいんじゃねーか?

 

「殺せんせーも修学旅行で会っただろ? 俺のもう一人の幼馴染がいた神社だよ」

「ば、場所は?」

「青森だよ」

「なぜ緋を祀る星伽がアレを……」

 

星伽のご神体なんて知らないが、そもそもアレはたまたま遊んでる途中に見つけた石なんだが。

 

「なあ殺せんせー、あの二色の石何かあるのか?」

「2色⁉ 色は‼」

「確か緋色と翠色だったな」

 

殺せんせーに肩を掴まれ、素直に俺が言うと殺せんせーがワナワナと触手を震わせ

 

「『全なる一(オール・ワン)』の研究は彼ではない…………爺、俺の生徒に手下をけしかけていたか」

「ッ⁉」

 

今まで感じた事がない濃密な殺気が殺せんせーから溢れる。

ソレは死神が発した殺気が可愛くみえるものだった。

呼吸すらできない。すれば最後、俺は死ぬ。そう思わせるほどの殺気だった。

 

「あ……昔の事を思い出してつい。すいませんが調べなければいけないことが出来ました。色々とありがとうございます」

 

さっきまで発していた殺気は霧散し、息ができるようになった頃には殺せんせーはいなかった。

あの殺気……どんなことがあってもあそこまでの殺気は感じたことはなかった。

日が重なるごとに殺せんせーの謎が増えていく……

殺せんせーはいったい何者で何を知っているのだろうか。

 

それを答えてくれるものは誰もおらず、ただ外から吹く風にユラユラとカーテンがはためくだけだった。




せっかくなのでE組のメンバーに持たせたい銃をアンケートにて募集したいと思います。
なるべくアンケートの結果に反映させようと思います。
詳しくは活動報告をお読みください
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