でも、なぜかこちらを書く
読んで下さってる方々本当にありがとうございます。
つまらなかったら全然言って下さい
要望あったら言って下さい
神様(作者)はその願い叶えます笑
深雪の方をちらりとも見ずに
「じゃあ校門の前で待ってるねー」
と本気なのかどうかわからないトーンで言ったあと足早にエリカは去っていった。
深雪がじーっと見つめるのに対してエリカは目すら合わさない
いつもと変わらない光景だった。
⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
放課後、達也と深雪は二人揃って、生徒会室に向かっていた。
ガーディアンは普通、主人の若干後ろを歩く者であるが、深雪は堂々とその隣を歩いている。心なしか、その距離も近く見える。しかし、ピッタリとくっついていないのは、達也の考えるふたりの距離を体現しているからかもしれない。
そして、その深雪は、少し不安な顔をしていた。
「お兄様、失礼に値することであると踏まえた上でお聞きしたい事があるのですが……」
「なんだい?俺たちの間でそんなに気にすることもなかろうに」
「俺たちの……あいだ……」
「…………深雪?」
「あっいえ、何でもありません。いえ、お聞きしたいことはあるのですが」
「いいよ、言ってごらん」
「はい。では、お兄様は、本当に生徒会役員をお引き受けになられるのですか?お兄様がこの学校に来た目的の一つに資料の閲覧というのがあったはずです。生徒会に入ればそのような時間がなくなるような気がするのですが……」
「現状で考えると、まだなんとも言えないな。なにせ、俺たちはまだ、生徒会の事について何も聞いていない」
そんな軽い問答を繰り返している内に、いつの間にか生徒会室と書かれた看板のついた部屋の前に、二人は立っていた。
「いらっしゃい、待ってたわ」
二人が部屋に入るなり、真由美がそう声をかけてくる。いつものような軽い口調ではなく、“会長”としての声色で。
見れば、昼には居なかった生徒が一人、そして、当然ながら風紀委員である摩利の姿はそこにはなかった。
「……?」
「あ、あぁ彼ね。副会長のハンゾー君よ」
達也の何かを促すような視線を受け、咄嗟に説明する真由美。おかげで、名前の部分に関してだけいつもの通りに戻ってしまっていた。
そして、ちょっとした失態に気づいたのか、話をそらすように「本題」に入った。
「まずは、わざわざ来てくれてありがとうございます。早速ですが、生徒会の説明にはいりたいと――」
⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
説明と質問を交えた説得が終わったのは、空が朱色に染まり始めた頃だった。
空も待たせすぎると血を吐きたくなるのだろうか。
「それで……どうかしら?」
遠慮がちにみせて、わざと上目遣いで達也に懇願するかのように言う。真由美は、これをやるときだけ自らの小ささをありがたいと思うのだとか。
「では、最後に一つだけよろしいですか?」
「ええ、構わないわ」
そう、前置きを置いてから一つ間を開け、現生徒会役員を全員眺めてから、言った。
「二科生と一科生の違いは、発注した制服が足りずにエンブレムの有る無しが分かれてしまったことから始まったと聞きます」
生徒会役員としては無論既知の事実。しかし、それを部外者である“彼”が知っているのは、驚きだ。
そういった意味で――深雪は真実驚いて――全員が息をのんだ。
「七草会長……それは……」
しんと静まり返ったその空気を壊したのは深雪のその一言だった。返答に迷っているのか真由美は口を閉じる。
それは、すでに事実であることを認めているようなものであったが、心を決めたのか徐に話し出した。
「残念ながら事実です」
「では、今の、その……」
言い淀む深雪、それも仕方のないことかもしれない。ここに居るのはみな一科生だ。しかも、生徒会の規約で縛られた状態での任命。
現段階で存在している差別について軽々しく口に出せるはずもなかった。
しかし、それでも、真由美が臆することはなかった。
「私は、この学校に差別があることを知っています。知らないわけがありませんね。入学式でさえあんなだったのに……」
酷く悲しそうな顔をして、さらに続ける。
「そして、同時にこの状態を憂いています。私の代では無理でしたが、その改善の第一歩として、次の生徒総会で生徒会役員の一科生縛りを変更しようと思っています!」
いつの間にか、真由美の演説のようになっていたそれは、他の生徒会役員も聞いていなかったのか、皆があっけにとられて終わった。
それに加え
「そこまでは訊いてなかったのですが……」
との達也のツッコミにより、また一時の緩やかな時間が戻ってきた。
その際、真由美が顔を真っ赤にして何処かに恥ずかしさをぶつけるように勢いよく座ったのは言うまでもないだろう。
そんな、しばしの和やかな時間を経てまたもや口を開いたのは達也だった。
「さて、期せずして、会長のご意見は伺いました。自分が聞きたかったのはそのことです。
残りの……そうですね、三年生ということでまず市原先輩はどうお考えかお聞きしても?」
生徒会室の皆の視線が鈴音に集まる。それに狼狽することなくいつものように落ち着いた雰囲気を纏いながら、語り出した。
「私は……そもそも魔法師の優劣というものに興味がありません。いえ、この表現はよくありませんね、非常にくだらないことだと思っている、と言うのが良い表現でしょうか?」
それから始まった鈴音の発言もその後の梓の発言も真由美の意思にもれない、つまり、差別に対して何とかしたい、の旨を述べたものだった。
梓の発言は、
「はわっはわわわわ、ワタシハッ!!」
と、達也の眼光に押され妙にのほほんとした雰囲気の中でではあったが、確かに言った。
そして最後、今同じように服部の元へと視線が向いている。
対する服部は腕を組み、目を伏せていた。
「…………ハンゾー君?」
と真由美がそう言おうと口を開きかけたそのときだった。
「会長達の意見はもっともだと思います。ですが、やはり俺は、同じ考えを持てません」
服部は心内を吐露する。真由美は薄らと気づいてはいた、彼が自分ほど平等を求めていないことを。しかし、口からそのものを聞くのとそうではないのでは、やはり与えられる衝撃が違うのだろう。
言葉が出なかった。
「明日、お答えいたします」
そういって達也は部屋を出て行った。されども、その後その日の生徒会室に言葉が飛び交うことはなかった。
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「たつやくーーーーん」
チッと後ろの方で舌打ちのようなものが聞こえたが幻聴に違いない。そうこじつけた達也は、今校門にいた。
もしや、という疑念があったからだ。
そうしたら案の定いた。
春の訪れを告げる淡赤色の桜を背景に、壁にもたれ掛かる姿は、1枚の絵画のようだ。
達也の存在に気づいた彼女――エリカがそれと同時にニコッと笑ったのに、顔を赤くした男子生徒は少なくなかった。
彼女にとって幸か不幸か――少なからず深雪にとっては幸であったろうが――その中に達也の存在は含まれてはいなかった。
「本当に待っていたのね、エリカ」
どことなくトゲの込められた声で深雪か言う。それは、先ほど無視されたことの意趣返しであったのかもしれない。
またもや、無視されるかという疑念はあったが、さすがに今度は返事が返ってきた
「あれ、久しぶりだね?深雪」
ホントに気づいてなかったのね!?
そう言いたい気持ちをぐぐっと堪え、冷たい微笑でひとこと「ええ、そうね」とだけ。
その様子を見ながらも足を止めない達也は、深雪達が気づかないうちに遠く離れていた。
後ろで現状に気づいた二人が
「たつやくーん」
「お、お兄様っ!?」
と急いで追い掛けてくるのが足音で分かる。
そして、そのとき達也のデバイスに一通の連絡が入った。
深雪達を待つがてら、開いて確認する。
そこには
『明日、風紀委員室に来い』
とだけ、時間は記されていない。
それだけを確認した達也は、素早く仕舞い、何事もないかのように深雪達を待った。
あの書き方はいつも通りだ。
思わず達也はクスリと笑った。
宛名には、『摩利』のニ文字が書いてあった。
連続投稿するわけでもないのにこの終わらせかた
悪いとはおもっています。
異論反論抗議質問何でも待ってます!!