SAO 少女が見たクリアまでの道   作:自家製イチゴ牛乳

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スマホからの投稿です。そのため、文頭に空白を入れる事が出来ません。申し訳ございませんが、明日、日曜日に修正させていただくつもりですので、その事に関する指摘コメントはしないで下さい。


第5話 攻略会議

 キリトとさようならをしてから1ヶ月程たった現在。第1層はまだ攻略されていなかった。

 私はキリトに少しでも追いつこうとして、レべリングを頑張り、最前線で戦って行けるだけの実力を手にした。

レベルは13。レベル10を超えた時に増えたスキルスロットに索敵を入れ、ソロでも比較的安全に狩りを出来るだけの土台は揃っていた。

 戦い方は隠密を使った奇襲から始まり、俊敏を存分に使ったヒットアンドアウェイで何とかやっている。攻撃は弱点攻撃時に発生するクリティカルを狙って、低い攻撃力を誤魔化している。

 因みに、クリティカルの存在を知ったのには訳がある。今までに度々ダメージの計算が合わなかった事があったと思うが、それがクリティカルの効果らしい。削り切れるはずのHPが残っていたり、逆に削り切れないはずのHPが削り切れたりしたのはそう言う事だ。

 クリティカルの効果は大きく2つある。

 1つはダメージ増加。単純計算で1.5倍になる。

 2つ目は奇襲時にクリティカルが発生すると相手を怯み状態にする事。

 1つ目は説明しなくてもいいが、2つ目は意外と便利だったりする。

 例えばこんな風に……

 

 目の前にいるコボルトと呼ばれる人型モンスター。幸いこちらの存在に気が付いていない。

 息を潜めて隠密を発動させる。

 1ヶ月もの間使い続けた隠密はかなりの熟練度で、今現在だと私がトップだと言い切れる程になっている。

 そんな隠密を発動した私はコボルトなんかに見つかる訳もなく、呑気に歩いているコボルトの背後を取って弱点である首を切りつけた。

「グギャ⁈」

 突然の奇襲に驚いたのか大きな声を上げるコボルト。しかし、その体は現在怯んでいる最中だ。思う様に動かない体である敵に対し、再び短剣で弱点を斬りつける。

 二、三度斬りつけたところでコボルトが怯みから解放され、攻撃姿勢をとる。私はそれを視認すると、再び隠密を発動した。

 コボルトの視界から私が消える。その事に戸惑うコボルトに遠距離から黒い片手直剣を投げつける。

 投擲スキルの1つ。シュートだ。

 効果はシングルシュートと違い、投擲用以外の様々な物を投げれる点だ。

 投げつけた剣はコボルトの弱点である喉に刺さる。隠密を発動していた為、先ほどの攻撃は奇襲攻撃の扱い。そして、奇襲攻撃がクリティカルになると怯みが発生する。

 発生した怯みの最中に再び手に持った短剣で再度弱点を切りつける。

 HPが残り1割程まで減ったコボルトに、短剣ソードスキル、スラッシュを浴びせるとその1割は呆気なく無くなった。

 戦闘時間15秒。それが私の戦闘スタイルだった。

 

 

 先ほどの投げつけた剣、アニール・ブレードを回収して、私は次の敵を探しに動き始めた。

「それにしても、まさか2日目に手に入れたリトルペネントの胚珠が、こんな強い装備になるとはね」

 私は手に持っているアニール・ブレードを見てそう呟いた。

 説明していなかったが、シュートは様々な物を投げれる代わりに、ダメージにマイナス補正がかかる。

 そのマイナス補正を入れても高ダメージを与える事が出来るのは間違いなくこのアニール・ブレードが強いからだ。

「おっと、また雑魚が湧いたか」

 私は索敵に引っかかった雑魚を倒す為に動き始めた。

 

 

 

 

「ふぅ〜」

 私は一人で自らの肩を揉みながら帰路についていた。

 ゲームの中では体が凝るなんて現象は発生しないはずだが、そこは気分の問題だ。この年で肩を揉んで気持ちがいいと思うのは少し変な気がするが、現実世界でも同じ様な事をよくしていた。

「時々親にしてもらっていた事もあったっけ」

 1ヶ月経った現在でも第一層攻略どころか、ボスの部屋さえ発見されていないという現状。一体いつになったら帰れるのだろうか。

 きっと、私を心配してくれている両親に思いを馳せた。

 街の喧騒はすぐそこにある。この調子で歩けば3分も掛からない。

 今日はいつもより多くコボルトを狩れたから、懐が温かい。贅沢をして、少し値段のする投擲用アイテムを沢山買おう。

 贅沢が出来る。その事実が私の歩みを少しだけ早めた。

 

 街に入ると、ピロンとメールを受信した。

「誰だろ?」

 そう言ってみたものの、私なんかにメールを送るなんて酔狂な事をする人は2人しか心当たりがない。

 早速メールを開き送り主を確認してみると、アルゴと書かれていた。

 キリトの紹介で知り合った情報屋のアルゴ。彼女のくれる情報はそのどれもが正確で、使える物が多い。しかし、お金に対して少々がめつい面がある。

 しかし、アルゴからいきなりメールを送ってくるのは珍しい。基本、金を払って知りたい情報をお教えてもらうのが情報屋とその利用者の関係だ。

 だから、情報屋の方からいきなりメールが送られてくるのは本当に稀なのだ。

 不思議に思いながらメールの本文に目を通すと、どうして彼女からメールが来たのか理由が分かった。

『明日の正午、トールバーナの中央広場にて攻略会議がある。会議だけでもいいから参加してみてくれ』

 

 余談だが、私にメールを送ってくるもう1人の人はキリトだったりする。

 

 

 

次の日

 アルゴさんに言われた通り私はトールバーナの中央広場に正午丁度に訪れた。

 既に集まった人は多い事から、このSAOをクリアしようと思う人が多い事が伺える。

 勿論私もその中の1人……ではなかった。

私は街の中だというのにフードを被り、隠密を発動させ、誰にも見つからないように柱の陰に隠れている。

アルゴに言われた通り、会議に参加するだけ。絶対にボス攻略なんてしない。

そんな事を心に誓っていると広場の中心に、青い髪をした男がたった。

「はーい。それじゃあそろそろ始めさせていただきます。今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう。俺はディアベル」

……へ?

「気持ち的にナイトやってます」

今この人は自分の事をディアベルと名乗った。

ディアベルと言えば私は1人しかその名前を知らない。ゲームスタート時に武器屋に案内してもらった人だ。

「そっか、生きてたんだ」

自分に優しくしてくれた人が生きていた。それだけでホッとした。

そんな私の気持ちなんか知らないディアベルさんは、さっさと話を進めていく。

まずは6人ptを組ませて、出来たptの強さや適性を見極め、作戦を立てていく。

作戦を作る時は、アルゴが無料配布した本が役に立っていた。

勿論私は、その全てに参加していない。ずっと柱の陰に隠れている。

一度トラブルが発生したりもしたが、概ね順調と言った感じで話し合いが進んでいく。

最終打ち合わせが終わり、ディアベルさんの「明日は朝10時集合してくれ」という言葉で第1層攻略会議は終了した。

別にボスを倒しに行くつもりは無いが、見学ぐらいなら文句も言われないだろう。そう自分に言い訳をしつつ、明日は9時から迷宮の入り口辺りでレべリングをしようと予定を付けた。

今回の攻略は会議を見ていた感じだと問題無く終わりそうだ。私なんかより強いキリトや、人を纏めるのが上手いディアベルさん、戦闘には参加していないが、このゲームに置いて最も大切な情報の提供をアルゴさん。皆、形は違えどそれぞれの分野で協力しあっているのだ。

不安な要素なんて何1つない。

でもどうしてだろうか、アルゴさんが無料配布した本の最後に書かれた一文に嫌な感じがしまうのは……

私はその一文に目を落とす。

『このデータはβテストを元に作られています』




怯みについて詳細を。怯みとは、奇襲攻撃時にクリティカルが発生すると発動する一種の状態異常だ。敵のレべルや、プレイヤーのステータスなどで多少変わる事はあるが、時間にして約1,5〜3秒程、体を自由に動かせなくなる。
奇襲攻撃とは、攻撃する時敵がプレイヤーを認識していなかった時に発生する特殊攻撃の一種。
シュートのマイナス補正については、本来のダメージの5分の1。
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