SAO 少女が見たクリアまでの道   作:自家製イチゴ牛乳

7 / 18
時間が一気に飛んで25層から


第7話 25層にて

 私は誰もいない迷宮を駆け回り、マッピングをしていく。

 時々遭遇するモンスター達を自慢の俊敏で置き去りにして、それでも追いかけてくるモンスターは、これまた自慢の隠密を使った暗殺で屠っていく。

 第25層が解放されてからまだ5時間も経っていない現在、この迷宮区は正真正銘私1人しかいない楽園と化していた。

 三時間ほど掛けて、マッピングの1割を終わらせた頃、この迷宮区最初の安全地帯に辿り着いた。

 安全地帯とは、モンスターが出現しない、また、モンスターが侵入出来ない文字通りの安全地帯。迷宮区には基本これが5、6個あり、プレイヤー達はこの安全地帯でご飯を食べたり荷物の整理をする。

 私もプレイヤー達の例に漏れず、NPCが作った中では格別美味しいご飯を床に並べた。

「いただきます」

 そう言って、おかずの1つを箸でつまみ口に運ぶ。

 やはりここのご飯は美味しい。

 何度も食べた味だが、美味しい物は何度食べても美味しいものだな感心してしまう。

 5分もしない内にご飯は空になり、私のお腹が満たされる。

 その満足感が暫く動きたくなくなる無気力症候群を発症させそうになるが、マッピングの事を考えると自然と体が動いた。

 私は第1層以降ボス攻略に関わっていない。そして、これからも関わるつもりもない。

 第1層の攻略が全プレイヤーに行き渡るのと同時に、私の悪評は響き渡った。

 『瀕死のボスを横取りした悪質プレイヤー』

 それが世間様が私に対する認識だ。

 私としてはディアベルさんを助けただけだが、横取りをした事実があるので反論し辛い。

 フロアボスのラストアタックボーナスは強力な装備品だ。第1層のボスのラストアタックボーナスであるコートオブミッドナイトは15層まで現役で使えたと言えばその強さが十分伝わるだろう。

 それ程強力な装備は滅多にドロップせず、ドロップをしたとしても、やはりフロアボスの様にこのゲームに一体しか存在しない強力なユニークモンスターなどからしかドロップしない。

 私はそんな装備が欲しい訳だが、私がフロアボス戦に参加しようとすると、悪評などの影響で世間様の目が痛くなる。

 だから参加していないと言うより、参加出来ない訳だが、それだと強力な装備品を手に入れる機会が減ってしまう。

 装備品が弱いまま次の層へ行くのは自殺行為だ。それが最前線となれば尚更そういった事には気をつけないといけない。

 それ故に、誰よりも早く迷路区をマッピングし、その階層にある宝箱の多くを頂戴させて頂く事で私は現在の強さ、最前線で戦っていけるだけの強さを保つ事方法を取っている。

 つまり私にとって新たな階層が解放された日は、私が一番頑張らない日であり、少しの時間さえも無駄に出来ないのだ。

 それにマップデータは高く売れる。アルゴに渡せばそこそこの値段で買い取ってくれるので一石二鳥。

 私が頑張らない理由は何1つ無く、寧ろ得する事ばかりなので私は迷宮区を駆け巡っていく。

 

 25層が解放されてから24時間が経とうした頃、私はボスの部屋を見つけた。

 今までの層と変わらず大きな扉。この扉の向こうで繰り広げられるであろう死闘は、悪評を持つ私にとっては程遠い場所にあった。

「はぁ」

 小さくため息を漏らし、まだマッピングしていない場所を埋める為、再び迷宮区を駆け巡った。

 

 

 それから6時間程した後、全てマッピングされたマップを眺めて一息ついた。

 見つけた宝箱は112個。そのうち開封した宝箱は28個。

 どうして全て開封しないかと言われたら、これ以上悪評が広がるのが嫌だからだ。

 宝箱には限りがある。一部復活する宝箱もあるが、その数は本当に少ないし、中から出るのは消耗品ばかりだ。

 そんな宝箱を全て開封してしまうと、当然悪い噂が流れる。

 攻略するのが遅いと言ってしまったらそれまでだが、それでも、宝箱を目当てに頑張っている人達もいる。だから、プレイヤー同士の間では見つけた宝箱の内4分の1を開封するのが良いとされているのだ。

 私は誰よりも早くマッピングを終わらせるから、特にそのようなルールは守らないといけない。

「さあ、今回も頑張った事だし早く宿を取って寝よ」

 そう呟いて帰路についた。

 

 

 街に戻ると真っ先にアルゴに連絡してマップデータを渡す約束をする。その時ついでに良い宿の情報を教えてもらい、早速その宿に足を運ぶ。

 結果としては、毎度ながら良い部屋を紹介してくれるアルゴに感謝をしながら荷物整理をする事になった。

 適度に広い部屋にはフカフカのベッド、宿の下には美味しい料理屋さん、窓の外には綺麗な夜景。

 そんな素晴らしい宿であるにも関わらず値段は少し安めで、街の門からも近い。

 文句の付け所のない宿に感服しながら今日の戦利品を確認していく。

 特に特出するアイテムこそ無いが、売ればどれも高値になるであろうアイテム群は私の心を癒していくれた。

 現在私が使っている装備品達はどれも優秀なので、そう簡単にそれらを越すアイテムが出現されたら困るんだけどね。と、内心舌を出して笑う。

 やる事をやった私は、フカフカのベッドに横たわり40時間ぶりの睡眠をとった。

 

 

 一週間後

 私がアルゴに渡したマップデータのお陰で、攻略組のプレイヤー達はサクサクと攻略を進めていった。

 レベルも十分な程上げて万全を期して挑んだボス戦。

 そこではディアベルを中心としたプレイヤー達が何度も調査してボスの攻撃パターンを割り出し、アルゴのような情報屋が様々なNPCから聞き込みをしてボスの弱点を洗い出しにも関わらず、初の犠牲者を出した。

 その事が瞬く間にプレイヤー達に広がり、不安が不安を呼ぶ最悪のスパイラルが構築されそうとしている。

 そんな状況の中、呑気に美味しいご飯を食べている私に一通のメールが届いた。

 それはアルゴからのメール。たった二文しかないメールだった。

『明後日朝10時、第25層攻略会議が大神殿にて行われる。出来れば攻略に参加してほしい』




オリジナル設定ですが、ディアベルさんは聖竜連合と軍の二つを一緒にした感じのギルドを作っています。シンカーさんや、キバオウ達も所属している。という設定でお願いします。
ちなみに、アニメでは軍が大打撃を受けた、と言われていますが、ディアベルさんが指揮をとっていた為被害は少な目です。という設定でお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。