今日は暖かかったようですね。まあ引きこもりからすれば変わりませんが←
今回は、前回出てきた(すでにバレバレかもしれませんが)謎の人物とのやりとりがメインです。
では、どうぞ。
2016/3/18 22:07 文章中の誤りを訂正しました。
yuuto side
「…ん?…ん?え?」
光が眩しくて、ぼんやりと目を開ける。少しずつ記憶が戻ってきて、今までに起こった事を思い出した後、現状を確認する。よし。五体満足。それから、周りを見渡す。
「どこだ…此処」
そこは、白い大きな部屋だった。こんな部屋を作った覚えはない。
ふと胸元に目がいく。当然機械を装着してはいないが、ネックレスもない。盗まれたか?
そして、近くにいたはずの裕の姿も見えない。
「裕?どこだ?くそった…ん?」
動こうとして、自分が縛られていることに気付く。これは…鉄チェーンとダイヤル錠か。えらく古風だな。いや、そんなことよりなんでこんなもので縛られてるんだ?
それはどうでも良い。裕を、俺にこの程度の拘束を仕掛けた奴を見つけるのが先だ。
(これがもし夢じゃないんだったら、犯人は馬鹿なんだろうな)
ふとそう思う。こんなもの、俺の前ではごく簡単な
………
……
「…ふう、これでよしっと。さて、情報を集めるか。現状、一番の課題は裕を見つけること。次に、こんなところに連れてきた奴を見つけることだな」
鉄チェーンとダイヤル錠から体を解放し、そう独り言を漏らす。
ふと思う。
(そういやぁ、妙に落ち着いてるなぁ。なんでだろう)
自分で考える。確かに空恐ろしかったが、同時にワクワクしている自分がいる。
「…これが、フラグって奴かもな」
さて、探すか。そう思った時だった。不意に、壁の一部が音もなく開いた。
「…な、なんで拘束されてないの?」
目の前に居たのは…なんだこいつ?
随分メカニックな…うさ耳?それに…なんかこう…おとぎの国みたいな服装をしている女性だった。
ん…?うさ耳?
「束さん!?」
そこにいたのは、物語の中にいるはずの人だった…
tabane side
「束さん!?」
は?初対面の凡人になんで親しいように呼ばれなきゃいけないのさ。
「は?初対面の凡人になんで親しいように呼ばれなきゃいけないのさ」
あ、口に出ちゃったか。まあ良いよね、こんな奴相手なんだから。
相手は凄く混乱しているようだった。こういう時は尋問のチャンスだって、前にちーちゃんが言ってたのを思い出した。だから私は、思いつく限り怖い形相をして、詰め寄った。
「お前、どこの国の凡人?」
さあ、なんて返してくるかな。まだ機体は見てないからね。この凡人を脅して所属国を聞き出してから見ておこう。
…とか思ってたら、相手は急に怒ったような顔になってから、信じられないような返答をしてきた。
「先に俺の質問に答えてからにしてもらうぞ。なぜ俺を此処に連れてきた?もう1人は無事なんだろうな?無事じゃなかったら…ただじゃ済まさんぞ」
何言ってんのこいつ。少し気になって、私は話を進める。
「もう1人って…お前と一緒に倒れてた奴?あいつなら此処とは別の部屋に置いておいたよ。一応生かしてはいる。というか…別に私がお前らを連れてきたわけじゃないよ?気付いたら私のラボで倒れてたけど?」
それを話した途端、相手は少し考え込んでから、急に納得したというような顔で言った。
「分かった。束さんの質問に答えよう。信じてもらえないと思うが、この世界の外から…きたんだろうな、多分」
「は?」
「いやだから、多分俺の作ったISもどきの起動試験中に、間違って飛ばされてきたんだと思う。ちょっと俺の機体をいじらせてくれない?横で見てて良いからさ」
「何馬鹿なこと言ってんの?空間を超えるなんてそんなことがあるわけが」
「あるかもしれないだろ?そりゃ、今あんたが俺を疑ってるのは分かるし、疑われて当然の立場だ。だが、あれは俺の作った機体だ。触らせろ。すべてはそこで話してやる」
剣幕に押されるようにして、私は頷いてしまった…しまった。
「それじゃ、案内してもらうぞ。いや、先にもう1人とも合わせてくれ。あいつがいないと話が始まらん」
「分かったよ。ただ、妙なことをしたら…分かるね?」
「当たり前だ。なんなら、先に解析しても良いぞ」
「そうさせてもらうよ。ところで…一つ質問をするから、答えてね。お前はあれを『ISモドキ』と言ったね。それはどういうことだい?君は男だろ?男はISには乗れないはずなんだけど」
「ああ、俺たちの世界には、束さん達の活躍を描いた書物があってな…そこに出てくる『IS』という兵装を…少なくとも俺たちの世界では架空の兵装だったそれを、俺が俺らだけが乗れるように作ったんだ」
その後、こいつは自分達の世界の事を話してくれた。そして、自分達が現状帰る手段を探していて、そのためにはこいつらのISを調べるのが手っ取り早いのも分かった。
「それにしても、もしそれが本当なら…お前はこの束さんと同じくらい天才ってことじゃないか。…よし、名前を覚えてあげるから、名乗りなよ」
「記憶に留めてくれるとは、嬉しいね。俺は悠人。黒崎 悠人だ」
「ふーん。じゃ、ゆーくんだね。よろしく、ゆーくん」
「その人の呼び方の法則は変わらないんだな…こちらこそ、よろしく、束さん。さて、裕の元に連れて行ってもらえるか?」
「分かったよ。行こう」
yuu side
「ぅ…!おい、裕!」
「ん…?」
目を覚ますと、目の前には悠人がいた。そういや、なんかエラーが出たんだっけ。
「あぁ、エラーは直ったの?」
「いや、それがな…どうやら、俺が何かを間違えたせいで、ISの世界に来てしまったらしい」
「ふーん、そうなんだ。…え?」
「その証拠にほら。こちら、本物のISの製作者、束さん」
「ハローハロー、みんなのアイドル束さんだよっ♡」
「…えーっと、どうしてこうなった?」
「それを今から調べに行く。束さん、裕の拘束を解除してやってくれ」
「分かったよー。ほい!これでおっけい!そんじゃ、行くよー!」
拘束が解かれ、先導する束さんの後ろで、悠人と話す。
「なんか、原作と少し性格が違うような?」
「お前もそう思うか?俺もそう思う。原作通りなら、いつの間にか海にドボンとかまであったかもな」
「怖いこと言わないでよ…」
「え?私そんなことしないよ?大切な人質をいきなり海にドボンなんてさ。そうだねぇ…私だったら取れる情報はとってから海にドボンかな♪」
「…やっぱりあんまり変わらないかも」
「お、おう「ところでさ、」ん?」
不意に、束さんが聞いてくる。
「ゆーくんじゃない方の奴の名前聞いてなかったね。名前は?」
「ゆーくん?」
「ああ、それは俺のことらしい。なんかいきなり束さんに付けられた」
「じゃあ僕かな?僕は白垣 裕です」
「うーん、それだと、どっちもゆーくんになっちゃうなぁ。それじゃ、しーくんとくーくんで良いかな?」
「僕は構わないですよ」「俺も問題ないな」
「じゃあそれでいこう!それにしてもくーくん、どうやってあの短時間で鎖から抜け出したのさ。びっくりしたよ」
「ああ、あんなの知恵の輪と同じだ。うまく組み合わせを外せば、ロックを解除しなくても抜けることはできる」
「流石悠人というかなんというか…」
「やっぱり天才なんだねぇ〜♪ あの短時間だと私でもできるかどうか…いや!私だったら鎖ごと引き千切るかな?」
「「怖ぁ…」」
そんな雑談をしながら、僕たちは神威とディザスターの元へと向かった。
yuu side
俺たちのいたところからさらに地下、少し大きめの区画。そこに神威とディザスターはいた。その2機を包んでいるこれがハンガーって奴か。なるほど。
「さて、それじゃ束さん。少なくとも機体が疑わしくないことを証明するために、解析して良いぞ」
「もうやってるよー。…え?なにこれ。コアナンバー不明、しかも1つの機体に2個?更に兵装数がラファールより多い…なるほどね。確かにくーくん、この束さんよりも天才かもしれないよ」
「どういう事?僕にはなにがなんだがさっぱり」
「2人の質問には後で答えるよ。それより束さん、今回俺らが飛ばされてきた原因を見つけたいから、席を代わってくれないか?」
「私の見たい事は終わったから良いよー。ほい、どうぞ!」
束さんに代わってもらい、席に座る。…ん、これは…
「束さん、キーボード良い趣味してるじゃないか。なるほどね、この配置の方が楽だ。今までのは使いにくいからな、元の世界に戻れたら作るか」
「お?さっすがーわかってるじゃん♪いいねいいねー、私たち似た者同士だね!」
横から見ていた裕は…
「…なにこれ。すごい面倒くさいキーボードだね。円形なんて」
…まあ、だろうな。
「俺からすればこっちの方が使いやすいな…ああ、なるほど、そういう事か。どうやら位置バグみたいだ」
「位置バグ?」
「うん。転送された後の2機の機体の位置を決める座標を間違えてた。こんな座標、あの世界にはありえないな」
「あー、つまり、今ここで装着しなおして交換しようとしても」
「恐らく、束さんが初めて俺らを見つけた位置に戻るだけだろうな。無論、俺らの世界に帰るなんて事は今はできない。…この能力は封印だな。しかも、最初に起動した時の影響で操縦者がしっかり決まった。神威が俺、ディザスターがお前だ」
「楽しみだったんだけどなぁ…」
「なるへそーそのための2つのコアだったんだね。そことあともう一つ、拡張領域があまり束さんの作ったISと変わらないはずなのに、神威…だっけ?そっちの方の兵装が多いんだけど、それはどうやったの?」
「それはな、拡張領域に兵装本体ではなくて兵装の設計図だけ入れて、その場で周囲の陽子、中性子、電子を融合させて兵装を作り出しているからなんだよ。デメリットとして、呼び出し速度が少し遅い事、周囲に素材が足りないと作れない事があるが、メリットとして、一度壊された兵装でももう一度呼び出す事で元の効果を使用できるようになる」
「ふむ。なるほどねぇ。便利だねそれ。そんな事束さんにも考えつかなかったなぁ…
…うん、よし!ねえねえしーくんくーくん。君たちは今何歳かな?」
「俺らは14才、本当なら2週間後の4月から中学3年だ」
「うんうん。少し早いかもしれないけどタイミングとしてはいいねぇ。
この世界から帰る方法が見つかるまで、束さんが衣食住を提供してあげるよ!このままだと、無一文で生き抜いていかなきゃいけないでしょ?しーくんや、特にくーくんにそんな事をさせるのは人類社会のためにもったいないからね!」
「いいのか?それならばありがたいな。だが、そんなうまい話がタダであるはずもない。
…そうだな。この2機の機体データの常時閲覧許可、それでどうだ?裕、別に構わないよな?」
「悠人がいいのなら」
「うんうん。物分りが良くて助かるよー。だけどそれだけじゃないんだよねぇ」
「他に何をすればいいんだ?」
「とても簡単なお使いを頼むかもしれないから、その時はよろしくね♪」
「実戦、か。別に構わないぞ。その代わり、訓練スペースがあったら使わせてくれ。まだ動かしてから1時間も経ってないからな」
「どんどん好きな時に使ってくれて構わないよー。そいじゃ、改めてよろしくね、しーくん、くーくん」
「ああ、よろしく」
「よろしくお願いします」
こうして、俺たちは束さんの元で生活するようになった。
…まあ、仕方ないか。できるだけ早く、元の世界に戻る方法も見つけるとしよう。
えー、初めて傍線をつけられる事を知りましたので、取り入れてみました。
なかなか良くなったんじゃないでしょうか。
それにしても、この2人随分とポジティブですね。羨ましいです。
次回から、束編を始めようと思います。束編では、ヨーロッパのとある国に行き、ヒロインの1人と関わります。前回の紹介を見てくださった方達ならば、すぐにわかると思います。
では。
篠ノ之 束 の紹介を一部変更しました。