「持ってきてやったぞ。」
一方通行は天井に破片を渡す。しかし、天井はそれを不審そうに見つめる。少し沈黙が続いたが、天井は視線を一方通行に向け直す。瞬きが忙しい。
「何だ、これは?」
「オマエが依頼した樹形図の設計者の残骸だ。」
天井は口を開け、呆然と立ち尽くす。
(ほら見ろ。天井サンが燃え尽きちまったじゃねェか。真っ白じゃねェか!)
(チッ。どォせこいつがモテる日なんざ永遠に来ねェ。)
「死闘を乗り越え、見事残骸を奪取じゃなくて保護しましたってミサカはミサカは敬礼してみる!」
「任務達成を祝して宴会をしましょう、とミサカはワクワクします。」
灰になった天井とは対照的にミサカ11号と打ち止めは大はしゃぎしている。
「......ははっ、私がモテる日は遠いようだな。しかし、私は屈しない!天井亜雄ファイト!」
「「ファイト!ってミサカはミサカは叫んでみる。(と、ミサカは乗ってあげます。)」」
「ハッ、くだらねェ。『ファイトォ!』だからおい!」
ギャーギャー騒いでいると部屋のドアが開いた。芳川と一人の男が入って来る。
「一方通行はいるかしら。」
「なンの用だ?」
「用があるのは私だ。」
スーツ姿のその男が一方通行の前に立った。サングラスで表情はよくわからないが、緊張しているのはわかる。一方通行の力や今までの行動を知っていれば当然の反応だ。いつ気まぐれで殺されるかもわからない。そんなことを考えているのだろう。
一方通行も経験からこういう連中の頼み事が面倒であることもわかっている。一方通行は男を睨んだ。
「大覇星祭の開会式で宣誓をしてほしい。」
これは予想外だった。
「あン?」
(はァ?)
「つまりだな。」
男は説明を始めた。要するに、世界に放送されるとてつもない運動会、大覇星祭は学園都市の宣伝をする絶好の機会である。そこで一方通行にも協力してほしい、ということだ。
「断『らない!』」
「なに!受けるのか!?」
誰よりも男が驚いている。
「いや、『当然だ。そンな面白そうな行事に参加せずして第一位を名乗れるかよ!協力してやるぜ。』」
(おい。どォしてこンなくだらねェことに俺が協力しなけりゃいけねェンだ?)
(おもしろそうだから。)
「お、おう。ならこのパンフレットと企画書を見てくれ当日の予定だ。」
一方通行のイメージが崩れ落ちたことで戸惑っているが、ホチキスで止められた書類を一方通行に渡した。
「チッ。」
一方通行は何を言おうと第二人格は止まらないことを察し、しぶしぶ書類を読み始めた。
「第一位が参加する......?なら俺も協力してやるよ。」