コミケ行くはずが戦争を仕掛けられている件   作:スティレット

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 おはようございます。こんにちは。こんばんは。初めての人ははじめまして。なじみの人は毎度ありがとうございます。これの前に当たる時間軸の作品の感想で要望をもらいまして、勢いで執筆してみました。なので例によって不定期です。楽しんでいただければ幸いです。


まただよ

 俺達は今、コミケに行くために銀座線を目指していた。

 

「暑い~」

 

「しっかりしろルイズ。お前達がコミケを見たいって言うから連れて来たんだぞ」

 

 場所は東京、銀座。最近ジャパニーズオタク文化に興味を持ったうちの婚約者達の為に、そして、「そういえば俺この世界に転生してコミケに行ったことが無いな」と脳裏に浮かんだ考えと共に、ある意味日本最大級の祭りを見に行くところだ。

 

「日本の夏は湿気が凄いわね。これじゃあ私の微熱もいまいち燃え上がらないわ」

 

「え、でもキュルケ、夕方涼みながら縁側でスイカ食べたのは美味しかったじゃない」

 

「それはそうだけどぉ」

 

 うん、実際日本の夏なんかよりエルフの住むサハラの方が暑い。テファの本能にはそう刻まれているんだろうか。

 

「こら、シャルロット。どさくさに紛れて魔法を使って涼まない。ここは日本なんだからな」

 

 こいつ等は私服だが、スーツケースには魔法学院の制服を詰め込んでゴロゴロと引きずっている。ホグワーツのコスプレと言い訳するつもりで杖の所持の許可をやった理由がこれだ。

 

 と、和気藹々と談笑しながら目的地に向かって歩いていると、なにやら向こう側が騒がしくなってきた。

 

「・・・・・・なんだ?」

 

 

 

 外を見たら、何故かワイヴァーンが飛んでいた。

 

 

 

「は?」

 

「ねえ才人、あのワイヴァーン背中に人が乗っているんだけど」

 

 こともあろうに、そいつらは街の住人を襲い始めた。

 

「おいおいおいおいおい」

 

 今の俺の武器は護身用にグローブくらいしかもって来てないぞ。一応拳部分にスパイクが付いているヤツだが、あんな街中で魔法の秘匿とか無視する連中と係わり合いになりたくない。

 

「逃げるぞ!」

 

「分かったわ!」

 

「応戦しないの?」

 

「ダメ、数が多すぎる」

 

「テファ、手を離してはダメですよ」

 

「うん、シエスタ」

 

 それぞれが返事をしたところで制服は投棄、どうせ制服以外大した物は入っていない。日帰りの予定だったし。そして俺はグローブを着ける。これで刀剣をパリィするくらいならなんとかなる。

 

 俺は最後尾でそれぞれはぐれないか確認しながら逃げていると、なにやら警官にがなり立てる人物が居た。

 

「皇居だ! あそこは元江戸城だから立てこもるんだ! 半蔵門があるだろ!? あっちに誘導するんだ!」

 

「シャルロット!」

 

「何?」

 

 俺は日本語を魔法なしで読めるシャルロットを呼んだ。

 

「この地図の、ここにみんなを連れて向かってくれ! 俺は小細工してくる!」

 

 ポケットに入れっぱなしで捨ててなかったパンフレットに書かれていた地図を指差し、指示を出す。

 

「ん、分かった。あまり無茶しないで」

 

「おう!」

 

 俺は逆方向へ駆け出した。

 

 

 

「この辺でいいか」

 

 シャルロットに皇居に向かうよう指示をだした俺は、近場のトイレまで引き返してきた。

 

「フェイス・チェンジ。ユビキタス・デル・ウィンデ」

 

 顔を変えて変装した後、まずは偏在を唱え、囮兼砲台を確保。偏在と共に一斉にトイレから外へと飛び出し、とりあえず都民を襲っている奴等に攻撃することにした。

 

『ライトニング・クラウド!』

 

 敵の死体をバリケード代わりにするため、こちらに向かってくるワイヴァーンや兵士に一斉に雷を放つ。

 

「仕上げだ! クリエイト・ゴーレム!」

 

 半自律行動可能なガーゴイルだ。ただし大きさは20メートル程、目くらましには丁度いいだろう。

 

 後は全て偏在に任せよう。俺はガンダールヴの力をフルに使い全力で撤退した。

 

 

 

 俺が半蔵門近くまで逃げてくると、メイジ三人娘がシエスタとテファをかばい、空を飛ぶ奴等を撃ち落としているところだった。

 

「あちゃー」

 

 うん、まあ仕方が無い。咄嗟の判断だったんだろう。それより怪我がなくてよかったと考えるべきか。

 

「みんな、大丈夫か?」

 

「なんとかね!」

 

 キュルケがいい笑顔で答える。つくづくハルケギニアの貴族って戦闘民族なんだなぁと思った。

 

「おい、あれって・・・・・・」

 

 それを見ていた人々からはどよめきが出てくる。

 

「安心しろ! 俺達はホグワーツ出身者だ!」

 

「ポッターじゃねえか!」

 

「あ、さっきの人」

 

 警官に皇居へ避難誘導するよう頼んでた人だ。なんか機動隊みたいなのに囲まれている。

 

「あー、うん、なんだか分からんがお嬢ちゃん達が助けてくれたのは分かった。だけどここは危ない。避難を優先してくれ!」

 

「ありがとう! お兄さん名前は!?」

 

 お兄さんと言うのはアラサーっぽい人におじさんと言うと傷つきそうという配慮だ。

 

「伊丹だ!」

 

 そう言うなり機動隊の人たちと行ってしまった。

 

「とにかく、ここに居ても仕方が無い。どこか鏡を探して、ワールド・ドアで逃げよう」

 

「あの軍勢はどうするの?」

 

 ルイズの質問は最もだ。

 

「この国の治安維持部隊が鎮圧する。大丈夫だ。それに置き土産もある」

 

「分かったわ」

 

 たまに今のルイズは物分りが良すぎるとか思ったりもする。昔なら「貴族は敵に背中を見せないの!」とか言ってる。

 

「テファ、鏡の近くに人が居たら、俺はカメラをなんとかするからテファは忘却を」

 

「うん」

 

 今はまだ混乱しているからこんな会話も堂々と出来るが、収まってきたらいよいよ俺達の逃げ場がなくなる。それに騎兵だろうが鉄砲には勝てないだろう。信長が証明している。

 

「みんな、杖は持ったか? 行くぞォ」

 

 俺はこの台詞を言うなら丸太を持ちたかったなと、場違いなことを考えていた。




 プロローグなので短め。調子が良ければ早く書き上げます。
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