番外編「それぞれの道」
ファイナルライブは終演後もμ'sの大コールが続くぐらいの大盛況で幕を閉じた。
その後、絵里達4年生は卒業してそれぞれの進路へ向けて羽ばたこうとしていた。
そんなある日、絵里はスマホを見つめていた。
(絵里)『どうしよう……。』
そう考えていた。あの後、勇気を振り絞って修也に話したいことがあるとまで伝えたが、何も進展してない状態だった。そんな彼女に1通のメールが来た。
(絵里)「……穂乃果?」
不思議に思って絵里は、スマホのロック画面を外してメールを読む。そこには、こう記されていた。
絵里ちゃんへ
相談したいことがあるの……
何処かで話せないかな???
と言う内容だった。
すかさず、絵里は「OK」と返信して穂乃果と待ち合わせした場所へ向かう。すると……。
そこには、穂乃果だけではない。美穂や凛や真姫もいた。あの後、ことりはすぐ滝和也のいるアメリカへ行きそこで立ち上げたオリジナルブランド「ベリリンスキー」の社長になった。
ことりだけだはない。花陽やにこもアイドル界に入って二人で頑張ってるみたいだし、希も企業に就職した。海未は、家を継ぐみたいで……。みんなそれぞれの道を確実に決めていた。
(絵里)「で、話って何?」
(穂乃果)「実はね……ここに居るみんな大切な人へ自分の想いを相手に伝えてないって話になって……だから、アメリカで和也君と成功してることりちゃんが羨ましくて……。」
(凛)「絵里ちゃんは、修也君に想い伝えたんだよね?」
(真姫)「どうしたら出来るのか教えなさいよ。」
(絵里)「ほ、穂乃果が、教えればいいでしょ!?この中で一番先に婚約を決めたんだから……。」
そう言って絵里に質問攻めにする3人だが、絵里もまだ自分の気持ちを正直に伝えていないことを教えた。そして、4年前に婚約を交わしていた穂乃果へ振るが説明しにくいからと却下された。
そんな時……
(美穂)「え!?」
美穂の周りにカプセルみたいなのが出現して彼女を閉じ込めた。
(穂乃果)「み、美穂ちゃん!!」
(美穂)「穂乃果、変身しよう!」
美穂の声に頷く穂乃果だが、その穂乃果にもカプセルが出現した。
(???)「引っかかったな?雑魚ども!!」
そう言って絵里達の後ろから出てきたのは、彼女達の青春を散々邪魔してきた悪魔、改造人間だった。
(真姫)「もう、また??」
(凛)「穂乃果ちゃん達を助けるにゃ!!」
そう言って凛や真姫は、カプセルを破壊しようとするが触れた瞬間に凄まじい電撃が彼女達を襲う。
(絵里)「どうすればいいの?」
目の前のことに絵里は、ただ呆然と見てることしか出来なかったと同時に何も出来ない自分が悔しかった。
でも、そこから変わらないと何も始まらない!!
何故だろう……。今の絵里の体は凄く軽かった。
(絵里)「真姫!凛!私も手伝うわ!!」
(真姫)「そうしてくれると助かるわ。」
(凛)「一緒に穂乃果ちゃんを助けるにゃ!!」
三人は、再び力を合わせて同時にカプセルに向かってパンチを放ち込んだ。すると、ゆっくり亀裂が入ったカプセルは、粉々に粉砕されるとそこならヘロヘロになった穂乃果が倒れ込む。
(絵里)「穂乃果!!」
倒れ込んだ穂乃果を絵里はしっかり抱きしめる。微かな意識の中、穂乃果はみんなにありがとうと伝えた。
(???)「何故だ!?何故、人間ごときに破壊されてしまったのだ!?俺様の完全なるカプセルなのに!!」
自慢のカプセルが壊されてパニック状態になっている改造人間だった。
「例え、どんな闇があろうと仲間の絆を壊せれるはずがない!」
「絆の力を甘く見た。それがお前の敗因だ。」
(???)「だ、誰だ!?」
改造人間の質問に答えるように二人の声が聞こえた。そして、次の瞬間近くのビルから現れた二人は、飛び蹴りをして美穂のカプセルを壊すと美穂を抱いてそのまま穂乃果達の前に移動した。
(???)「き、貴様は!?」
(雄介)「まさか、生き残りがいたなんてな。」
(修也)「だが、俺達が倒すことに変わりはない。」
そう、今穂乃果達の前にいるのは少し前までショッカー集団と激闘を繰り広げていたダブルライダーなのだ。
(修也)「絵里、強くなったな。」
(絵里)「私だってちゃんと成長してるってことよ。それより……これが終わったら時間イイかしら?」
(修也)「あぁ、俺はファイナルライブからずっと待ってるぜ。」
後ろを振り向き絵里を会話した修也は、再び改造人間を睨んだ。
(雄介)「修也!」
(修也)「あぁ、行くぞ!!」
雄介は、左腕を腰の位置へ。右腕を左斜め上方向へ伸ばすと、修也は、右方向へ両腕を水平に伸ばす。
そして、円を描くように俺は右腕を右斜め上方向まで持ってくると同時に、
(雄介)「ライダー!!」
と雄介叫んだ。
修也は、ゆっくりと、両手を左方向に持ってきた。
そして、雄介は右腕をネオ・タイフーンのある腰の位置へ左腕を右斜め上方向へ動かすと、修也は左方向で力強く構えると同時に
(2人)「「変身ッ!!」」
掛け声と共に、二人のバックルにある風車が激しく回りだした。そして、雄介仮面ライダーネオ1号の姿、修也は仮面ライダーネオ2号へと姿を変えた。
(???)「だ、ダブルライダー!?」
(2号)「時間が無い、一撃で決めるぞ!」
(1号)「あぁ。」
そう言うと1号と2号は、同時にジャンプすると彼らの必殺技の準備に入る。それは、誰もが知っている仮面ライダーの必殺技……ライダーキックだった。
(ダブルライダー)「ライダーダブルキック!!」
二人同時に放ったダブルライダーキックは、改造人間に当たるとスグに爆発してしまった。結局その改造人間が何者なのか知らぬまま……。
夕焼けが良く見える中、修也はネオサイクロン号を飛ばしてある場所へ向かっていた。そこは、修也と絵里があの約束を交わした公園だった。
(絵里)「覚えてくれたんだ……この場所。」
(修也)「あぁ、俺が今こうして居られるのもここが頭に思い浮かんだからなんだ。」
既に待っていた絵里は、夕日を見つめたがら話を始めた。
(絵里)「ねぇ……修也に話したいことがあるんだけど……良いかな?」
(修也)「あぁ……。」
他には誰もいなく修也と絵里だけの二人の時間が流れていた。すると、絵里は修也の方へ歩み寄り抱きついた。
(絵里)「私ね…怖かった……。修也が何処か修也じゃなくなる気がして……とても怖かった……。」
(修也)「ごめん……。俺が変身する度に絵里には悲しい想いをさせてたんだね。」
(絵里)「でもね……そんな日常が私を成長させてくれた。だからね、修也……その……私と!!……結婚して欲しいの!」
絵里は、頬を赤くして照れながら最後の想いを修也に伝えた。それを聞いた修也は、にこっと笑みをこぼした後、絵里に顎クイしてから自らの唇を絵里の唇に重ねた……。
(修也)「当たり前じゃないか!俺は、絵里を守る。ずっと一緒だ。」
キスを終えた修也は、絵里にそう告げて二人は永久の幸せを手にした……。
本編ではあまり描けなかった修也と絵里でしたが、続編では既婚者になっていて驚いた人も多いと思います。
実は、沼津に行く前に絵里は修也と結婚してたんですね〜。
今回は、一周年記念ということで一番古い作品であるこの作品で番外編を書こうと思い書かせてもらいました。
楽しく呼んでもらえたら幸いです。
これからも宜しく御願いします。