ISもハイスクールも書いている途中なのに、もう一作品投稿するとか……
しかも、主人公はまたもや稟君。
なんだ、この稟メインの作品達は…
どんだけ稟が好きやねん。
まぁ、初のPCゲーがSHUFFLE!だったから仕方ないか!
SHUFFLE!は今でも好きなゲームだし。
ちなみにこの作品、pixivでも投稿しています。pixivでは停滞していますが、ここで投稿したら少しはモチベーション上がるかな?と期待して投稿してみました。
どの作品集もしっかり更新できるよう頑張っていきますが、仕事が忙しくて中々更新できないこともあるので、そこはご了承いただけると助かります。
ただ、生きていてほしかった……
これ以上、喪いたくなかった……
彼女に、笑顔でいてほしかった……
例えその笑顔が、二度と自分に向けられないのだとしても……
それが自己満足だと、彼女を…彼女の周りを苦しめる事になると分かっていても……
自分にはもう、彼女しかいなかったから……
彼女に生きていてほしかったから……
だから、あんな嘘を吐いてしまった……
もしかしたら、他に方法があったのかもしれない。
ただ、時を待てばよかったのかもしれない。
もっと設備のいい病院に行けばよかったのかもしれない。
だけど……
子供である自分には……
そこまで考えられる程の知恵はなく……
あんな幼稚で、愚かしい嘘しか思い浮かばなかった……
結果ーー
「ねぇ…もう一度教えて?」
住宅街にある小さな公園。
暗雲が立ち込め、激しい雨が降り頻る中。其処には、傘も持たずに佇む小さな人影が二つあった。
「お母さんを殺したの……りんくんなの?」
人影の一つは少女。本来ならば可憐で愛らしい笑顔が浮かんでいるその顔には、ただ虚ろな表情が浮かんでいるのみ。
どこか虚ろな瞳で目の前の少年を見つめ、少年の胸元にある両の手はか細く震えていた。
少女に相対する少年は、苦痛を我慢するかの如く、口を真一文字に細め、何かに耐えるかのように、どこか哀しげな表情で少女を見つめ、
「……うん。…ボクが、殺したんだ………」
全てを壊してしまうその一言を口にしてしまった。
瞬間。少女の眼が見開き、彼女は俯く。少年の胸元にある両手はその揺れを増し、彼女の気持ちを如実に表しているかのようで。
「そう……なんだ……」
少女の口から発せられた声は、ひどく揺れていた。
「りんくんなんか……」
少年に向けて発せられるであろう罵倒の言葉に備え、少年は悲しみを堪えた表情を悟られぬように顔を微かに歪める。
「りんなんか……死んじゃえばいいんだっ!!」
言葉の
「ぅ………ぅぁ……ぅぅ………」
少女の瞳から涙が溢れ、少年を突き飛ばして少女は公園の入り口へと走っていく。
突き飛ばされた少年の腹部には小さな包丁が刺さっており、少なくない血液が流れている。地面に倒れこんだ少年は、言葉の刃に刺されたショックと、腹部に走る鈍痛に苦悶の表情を浮かべ、空を仰ぎ見る。
「……ごめ、ん…」
しかし。少年の口から漏れる声は痛みに呻くものではなく、謝罪の言葉で。
「……ごめん、…かえ……で……」
激しくなりつつある雨と出血の二重苦に耐えつつも、謝罪の言葉を発しながら少年の意識は闇に呑まれた……
ー同時刻ー
ー幻想郷ー
此処は、幻想郷と呼ばれる場所。
【外の世界】で忘れられた存在や、『幻想になった』存在が集まるとされる場所。
失われし存在達にとっての《最後の楽園》。
そんな場所の、実在するかは定かではないが、存在すると言われている【マヨヒガ】という場所に、二人の女性がいた。
一人は八雲紫。妖怪の賢者。スキマ妖怪と呼ばれている存在。幻想郷に存在する妖怪達の中でも最古参の存在であり、この幻想郷を創った張本人であり、最強の妖怪と目されている存在である。
そしてもう一人は、美しい金毛の九尾を持つ妖獣ー八雲藍。妖獣の中でも最高峰に君臨する九尾の狐。最強の妖獣にして、八雲紫に仕える式。
「それで、結界に異常はないのかしら?」
「はい、今のところはですが」
手に持った扇子で口元を覆い隠し、表情を読ませぬよう問いかけてくる己が主に対し、頭を垂れて答える。
「ですが解りません」
「何が、かしら」
「結界に異常がない事がです」
分かっていて聞いているのでしょう?と、内心で溜息を吐きつつ藍は言葉を続ける。
「確かに、紫様が意図して外来人を幻想郷へと呼び寄せている事は多々ありました。しかし、予期せぬ幻想入りの方が多い事は火を見るより明らか。だと言うのに、結界には異常がでていないのです」
そこまで言って藍は顔を上げ、主の顔を窺う。
紫は依然として扇子で口元を隠している。尤も、表情を読めたとしても、この主の真意を見抜く事は永年仕えている藍をしても到底無理ではあるのだが。
「数多の予期せぬ幻想入り。いくら忘れ去られた
「そうね。壊れない物なんて存在しえない。どれだけ優れた者が造った物とて、形ある存在は何れ朽ち果てるのが世の定め。それは、この結界にも言える事」
鈴の鳴るような声で言い、紫は立ち上がる。
「しかし、未だに壊れていないという事は限界には達していないという事。それ位、言われずとも解るでしょう?」
「数えるのもバカらしい程の幻想入りがあって尚ですか?俄には信じられませんが…」
「信じられずともそれが現実。貴女もその眼で確かめたのでしょう?結界に異常はないという答を。限界が訪れていないから、結界に異常は出ていない。単純な答でしょう」
「むぅ…納得いかないのですが」
「納得いかずとも、それが厳然とした答よ」
渋い表情で首を傾げる式に苦笑しながら答える紫。
そのまま紫は歩を進め、後で頭を束悩ます式を放置して【マヨヒガ】から見渡せる景色を眺める。
彼女の眼に映るのは、自らが愛している幻想郷の姿。その姿はただただ美しい。それ以外に、この世界を表現出来る言葉もないだろう。寧ろ、余計な表現はこの世界を穢す事にもなりかねない。
「ねぇ、藍……っ!?」
藍に何かを言おうとした矢先、紫は弾かれたように顔を上空に向ける。空には何もない。雲がゆっくりと流れているだけだ。
しかし、紫は確かに感じた。
幻想入りが起きる度に感じ続けていた、この世界に異物が侵入してくる感覚を。
「紫様」
後ろで、藍も紫とモノを感じたのだろう。
その声には鋭さがあり、表情も険しくなっている。
「結界に…」
「そうね。これは、一雨降りそうよ……」
紫と藍の視線の先。
今まで美しい青空だった其処には、いつしか暗雲が立ち込めていて…
紫の言葉を待っていたわけでもないだろうが、やがて雨が降りだし、幻想郷に降り注ぎはじめた。
それは、これから何かが起こる予兆であるかのようで…
紫と藍は、険しい表情のまま空を見ていた。