大和side
桜が咲き誇る四月、俺は文月学園に転入した。
俺は新しい出会いと楽しそうな行事に胸を躍らせ、文月学園へと向かった。
「貴様、噂の転校生か?」
文月学園に着くなり、浅黒い肌をした巨体の男に貴様よばわりされた。……体から発するオーラからこの人は只者ではないということを感じる。いつか、この人と戦ってみたいな。
「はい、そうです。ええと、あなたは?」
「俺はこの文月学園の補習担当教師、西村だ。わかっていると思うがお前はFクラスだ」
「わかりました。そのクラスには吉井明久という生徒はいますか?」
「いるが……知り合いか?」
「ええ、まあ」
俺はあいまいに答えて、教室へと向かった。
「……ここは本当に教室なのか」
俺はAクラスの教室の前にいる。その教室は通常の五倍ほどの広さだ。
「とりあえず、代表の顔ぐらい見ておくか」
俺と明久が狙うAクラス、その代表の顔を一目見ようとすると、覗き込むと壇上に黒髪の長い美しい女性がいた。あれが、Aクラスの代表か? きれいだな。まあ、木下さんほどではないけどな。
「……霧島翔子です。よろしくお願いします」
霧島翔子か。よし、名前と顔を覚えたぞ。ついでに教室の様子も……って、黒板代わりに巨大なディスプレイかよ。贅沢だな。まあ、敵情視察もこれくらいにして、Fクラスにいきますか。
……本当にここは教室か?
俺はFクラスの教室を見てそう思った。だって、プレパブ小屋みたいだから。Aクラスと大違いだな……。
意を決して、教室に入ると……。
「早く座れ、このウジムシ野郎「ヒュンっ!」って危な!」
いきなりたてがみみたいな髪型の長身の男に、ウジムシ呼ばわりされた。ムカついたので、カッターを投げてやった。
「人をいきなりウジムシ呼ばわりするとはいい度胸だな……」
「す、すまない。知り合いと間違えてな」
「……知り合いなら余計にダメだろ。俺は浮雲大和。大和って呼んでくれ」
「ああ、俺は坂本雄二。このクラスの代表だ。よろしく」
俺と雄二は握手をした。……こいつが代表か。こいつを説得すれば、試召戦争ができるのか。
「とりあえず、適当に座ってくれ」
……席も決まっていないのか。
とりあえず、窓側の一番後ろの席が空いていたのでそこに座ることにした。
俺は何気なく、隣の席のやつを見て、驚いた。何故なら、木下優子と同じ顔だったからだ。しかし、そいつは男子の制服を着ていた。ということは、こいつは男か。
「? どうしたんじゃ、お主」
「い、いや、何でもない。俺の名は浮雲大和。よろしく」
「大和じゃな。わしは木下秀吉。よろしくじゃ」
やっぱり、木下か。でも、何か言葉がジジ臭くないか?
「なあ、秀吉。お前に双子の姉か妹はいないか?」
「ああ、姉上がおるが……知り合いなのか?」
「ああ、ちょっとな」
予想通り、双子だったのか。でも、本当にそっくりだよな。まあ、秀吉は男だし、木下さんはかわいいからな。
それにしても、遅いな明久。
「遅れてすいません」
「おい、さっさと座れ明久」
「……わかったよ雄二」
噂をすると、明久がやってきた。なるほど、雄二の知り合いって明久だったのか。
「よう、明久。やっと来たのか」
「あっ、おはよう。大和」
「何じゃ、お主ら知り合いだったのか」
挨拶をしている俺たちを見て不思議そうな顔をする秀吉。
「ああ、ちょっとな。明久、いよいよだな」
「うん、雄二のことだから乗ってくれると思うよ」
俺と明久は顔を合わせて笑った。そんな俺たちを見てさらに不審そうな顔をする秀吉。
そして、よれよれな服を着ている先生が来て、HRが始まった。
やっとFクラス登場。次回は自己紹介です。そして、あのキャラも登場。