大和SIDE
「ええと、担任の福原慎です」
担任の福原先生は黒板に名前を書こうとしたが、チョークが無くてかけなかった。
……どうなってるんだよこの教室は。
「ええと、まず設備の確認をします。ちゃぶ台、座布団。不備があれば申し上げてください」
『先生、俺のちゃぶ台の脚が折れています』
「木工ボンドが支給されているので自分で直してください」
『先生、俺の座布団、綿がほとんど入っていません』
「我慢してください」
『先生、すきま風が入って寒いです』
「分かりました。では、ビニール袋とセロハンテープを申請しておきます」
本当に教室か!?
兄貴から話は聞いてたけど……それよりひどい!
「ええと、では自己紹介をしてください。まずは木下君から」
「分かったぞい。ワシの名は木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。よろしく頼むぞい」
まずは秀吉から。へ~、あいつ、演劇部に所属しているのか。
「……土屋康太」
次は背の小さい暗そうなやつ。……なんか、こいつは違った意味でただ者ではない。そんな気がする。
「あやつはムッツリーニと呼ばれておる」
「ムッツリーニ? 何でだ」
すると、秀吉がこっそりと教えてくれた。
「むっつりスケベだからじゃ」
……成る程な。てか、男子の人数が多すぎないか。
「島田美波です。海外育ちで日本語は読み書きが苦手です。趣味は……」
おっ、女子もいるんだ。まともな人もいるんだな……。
「吉井明久を殴ることです」
前言撤回。まともじゃない。
「あう、島田さん……」
「はろはろー、吉井。今年も一年間よろしくね」
振り返ると、困っている明久が……どんまい明久。
さて次は、明久の番か。
「吉井明久です。一年間よろしくお願いします」
……普通にやってるな。さてと、次は俺の番だな。
「浮雲大和だ。趣味は漫画を読むことだ。俺は喧嘩が強い、そう思うやつがいるなら俺にかかってこい。いつでも相手になってやる」
俺はすこし挑発的な自己紹介をした。さて、どうなるか。
「あ、あの、遅れてすいません……」
すると、そんな声とともに桃色の髪の毛の女の子が入ってきた。確か、あの子は……。
「ちょうどよかった。姫路さん。自己紹介をお願いします」
「は、はい。姫路瑞希です。よろしくお願いします」
そう、明久の思い人、姫路瑞希だ。
「あ、あの質問してもいいですか!?」
「は、はい」
「どうして、ここにいるんですか」
……失礼な質問だな。
「ええと、試験途中に高熱で倒れてしまって……」
『『『成る程』』』
……みんな納得している。まあ、俺は驚かなかったけどな。
「ああ成る程、俺も熱(の問題)がでてFクラスに……」
「ああ。化学のあれだろ? むずがしかったよな」
「俺は弟が事故にあったと聞いてそれどころじゃなくて……」
「だまれ、一人っ子」
「前の晩。彼女が寝かしてくれなくて」
「今年一番の大嘘をありがとう」
……本当にバカばかりだ。
「で、では、一年間よろしくお願いします!」
「姫路さん、やっぱり可愛いな~」
姫路は顔を赤くして恥ずかしそうに席に座った。
明久はほんわかとしている。……明久の隣か。よかったな。
久しぶりの投稿。次回は大和の隠された顔が明らかになります。