※サタスペ解説 亜侠について
本編に入れたかったが機会がなさそうなので前書きに入れます。
サタスペプレイヤーは亜侠とよばれる職についてさまざまな依頼を解決していくわけですが、亜(半端モノ)侠(ヤーさん)というわけでヤクザ予備軍およびチンピラがプレイヤーの立ち位置になります。
チンピラなので命が軽くダイス目しだいでコロッと死んだりします。
今までセッションをやって最速は初回セッションの初ターンにナニワ地下帝国に行ってサクッと死んだのを見たときですねぇ。さすがに爆笑しました。
殺は困っていた。
自分が想像していた授業とあまりに違うために……。
しかしこのままでは自分のためならず、ひいてはクラスメイトに迷惑をかけてしまうことになるのは明白である。こんなことを宣言するのはちと恥かもしれないが勇気を出して担任の超生物に提案することにした。
「えーっと、殺せんせーだったっけ? ちょっと授業で教えている箇所が自分にあっていないようなんだが、なんとかなりませんかね?」
「おや、そうだったのですか。君の学力はまだ把握できていませんからねぇ。このあとにでも小テストを行うのでそれから考えましょう。それに全体授業の時間は我慢してください。個別の補講などは受け付けますので」
「テストするだけ無駄だと思うがねまあいい。了解した」
「ヌルフフフ。すみませんねぇ。こちらも色々急だったもので準備が追いつかなくてしまって」
「いえ、こちらこそ無理を言ってすみませんでした」
結局授業中の間殺は腕を組んでまったく身動きせずすごしていた。
そして授業が終わり休み時間、殺せんせーがマッハで作成した小テストを殺に配る。
枚数は5枚それぞれ国、数、理、社、英の小テスト用紙だ。
とりあえず5教科の学力を確かめるつもりだろう。
クラスメイトは未知の転校生の実力を把握するために興味津々といった風に遠巻きに眺めている。
「お手並み拝見ってところかな」
「結構勉強できるのかな?」
「勉強はともかく貫禄はあるよねー。同い年とは思えないくらい」
赤毛の少年、赤羽 業。女顔の少年、潮田 渚。まな板の少女、茅野 カエデもまた興味深そうに眺めている。
殺は5枚の小テストを一枚ずつじっくりと眺めた後。クラス全体が凍りつくような発言をした。
「一問たりともわからん」
「「「は?」」」
そのとき時間が止まったような感覚を確かにここにいる全員が共有した。
え? なになに? わからない? 普通少しくらいは解けるもんだろう。もしかして殺せんせーの作った小テストがそんなに難しかったのか? そんな思いを打ち砕くように殺は言葉を続けた。
「というより、読めん」
「「「はぁ!!」」」
それからは蜂の巣をつついたかのような騒ぎが起きた。
「ねーよ!」
「読めないって……読めないって」
「え? なにこれギャグ?」
「むしろどうやって生きてきたんだよ!」
「あーなるほどね。こりゃ確かに授業内容が自分に合わないって発言するわけだ」
ギャグでも冗談でもないことは殺のまじめな顔つきで明らかだ。
つまり彼は5教科の学力以前の問題として文字の読み書きが一切できないのである。
現代日本において文字の読み書きは小学校までには必ず覚える必須事項である。
15歳にもなってまさか文字の読み書きができないとは想像もしていなかった。
そして誰よりも焦っていたのは黄色の超生物だった。
殺せんせーは冷や汗をだらだら流しながら教室中をびゅんびゅん飛び回りながら焦っている。さっきまで驚いていた3-Eが逆に冷静になってしまうほどの焦りようだった。
「あ、あわわわわ。どどどどうしましょう? 心を傷つけた!? まさか読み書きができないとは!? クラスの見世物になるような状況にしてしまいました。ハッ!! 不登校とかになったらどうしましょう? ま、まさかクビになったりとか……!!」
「殺せんせーテンパリ過ぎでしょ……」
「本人が堂々と座っているあたりシュールよね」
「読み書きができない荒事屋は珍しいわけじゃないからな」
「ホントにどんなところで生活してたのよ」
ある程度騒ぎが収まってきたあたりで建設的な提案をしたのはやはり当事者である殺だった。
「というわけで、まずは読み書きから教えてもらいたい。ちなみにある程度教養がみんなに追いつくまで殺しにかかる気は一切ないから」
「見世物みたいになってしまったことを本当に謝罪します。ええ、読み書きから丁寧に指導します。早く覚えてぜひみんなで殺しに来てください」
「なるべく早く追いつけるように努力しよう」
※サタスペ解説 教養について
サタスペのステータスは5種類の環境値と2種類の天分値に分かれており、教養は環境値のうちの一つ。
教養1だと母国語、オオサカベン以外の会話ができず。読み書きが一切できない。
主に情報収集時に役立つがなくてもそんなに不便ではない。
特に戦闘特化の場合は戦闘、肉体が最優先、武器を維持する関係上生活あたりも必要になってくるため、教養や恋愛などの数値は最低値なことも多い。
ちなみに教養1は原始人レベルの教養。
結局殺せんせーが分身して、殺にだけ読み書きを教えるということで対処した。
割と隙がなさそうに見えた転校生の意外な一面にクラス全員がほっこりしたとか何とか……。
そして放課後になっても補講を希望し、かなり速いペースで文字を習得することができた。
つまりさっちゃんは原始人。
ちょっと短いですが、次回はビッチ先生回です。