エヴァンジェリンに憑依した人の日記   作:作者さん

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・魔法世界の非日常の日記

『17Δ〇年 冬 

 

 研究も一時中断。魔法陣を書いてしばらく放置しておくだけの簡単な作業です。試しに400年ぶんぐらい魔法球放置しておいておこうかなww獣の死体とか化石になってくれるだろうか。その辺も気になるが、魔法球なら、魔法球の中なら何とかしてくれる……。

 そして、ちょっと旅行の準備している最中。具体的にはセランに任せておけば大丈夫だろう(適当)。他国へとかの許可やら処理やら引継ぎやらでカオスなことになってる。そんなものに私が触れば、いろいろなところを大爆発させる自信がある。私に研究とか戦いとか以外をやらせようと考えるほうがおかしいだろう、常識的に考えて。だから悠々とセランの部屋へと小間使いをしに行ってやったのだが、渡されたのはメイド服だった。なにそれこわい。いや、仕事着としては案外悪くないのかもしれない。……しかし私は着ない。可愛い服を着るのはいい。だが、着せられたくないだけだ。

 仕方ないからニート状態で本を読む。ソファで寝そべって読書というのは案外悪くない。魔法以外の、他国の法律についての本を読むのも新しい刺激にはなっただろう。』

 

 

『17Δ〇年 冬

 

 流石私の変装魔法だと言わんばかりである。年齢詐称魔法、この魔法は相手に違和感なくその上、外見年齢を変えられると言う素晴らしい魔法だ。大人しか入れない部屋に行くことも、子供の年齢で入場することも全て可能ww! 我ながらとんでもない術を作ってしまったものだww。正直これを一番初めに覚えれば、この世界での初期で苦労しなかったような気がするが、まぁ今はどうでもいい。なんか目覚めた当初に黒いフードアンドローブな変態が居たが、放置して魔法について学びまくったから、上手く立ち回れたと言えば立ち回れたんじゃないかなぁ……。

 つーかマジ凄い。結構私の名が通っているはずの都市で、だれも私に気が付かないとか。噂とかも直に入ってくるぶんいろいろ嫌になるが、それももうすぐ解消できるだろう。つーか、私の噂流しすぎだMM。私もキレるぞ。ちょっと調子に乗ってしまったDQNみたいに。

 ササムがいちいち反応しそうになって困る。大太刀に常に手を添えているとか、それ威嚇と変わらんだろ。』

 

『17Δ〇年 冬

 

 正直不安だ。いくら潔白を証明しようと考えても、本拠地での行動には精神的に疲れる。護衛としてササムも、セランの紹介した法律についての専門家もいる。心配になる必要はないだろwwこれで負けたら国とかの威信も法設備も世紀末になってまうww。それに、あちらもまさか証拠やら準備やらを整えて来るとは思ってはいなかっただろう。ちょっと名誉取り戻してくる。そして私はアリアドネー以外でも研究をするのだww。科学万歳wwおっと、私は魔法使いだったなw。

 正直研究にも行き詰っている。闇の魔法はほぼ完成形態を見せている。後は魔法の種類によって型を作り上げれば、さらに戦闘力は上がっていくだろう……戦闘力か、いつから私は超人類になってしまったのか……生まれた瞬間でしたね分かります。停滞、遅延、停止、此処までは容易い。アーティファクトなどの補助が在れば、難しい物ではなくなった。加速なんてものはさらに容易い。だが、遺失呪文で得たとはいえ、反対は難しい。魔力の取り扱いを間違えれば、大事故も起こりうる。

 が、そんな失敗私はしない。準備時間は腐って渇くほどあるのだから、のんびりやればいいんだ。』

 

――――――

 

 待宵の月が薄暗い部屋の一室を照らし、ササムの影を映し出した。いつもの黒の衣装を身に纏い、壁へもたれるように片膝を立てて座っている。その部屋には二つのベッドがあり、奥側にはセランの秘書の一人が、そして手前側にはササムの主であるエヴァンジェリンが眠っている。町の灯りもほとんどが消え、時計の針の音がやたらと大きく聞こえる時間帯にも関わらず、ササムの瞳は開かれている。

 本来真祖の吸血鬼は夜行性であるが、精神の休養や情報の整理のために半刻ほど眠るのだと、ササムはエヴァンジェリンから聞いている。対してササムは人間であり、睡眠をとらないことも慣れてはいるが、活動に支障が出るだろう。あと数分もすればエヴァンジェリンも起きるため、朝までは睡眠をとるつもりだった。

 エヴァンジェリンとササムは現在MMへと訪れていた。セランの手引きで大衆へは内密で訪れることができたのだが、逆にエヴァンジェリンは街の噂を直に聞くことになっていた。気にしなければいい、とササムは考えていても、その張本人は気にしていた。だから精神的な疲れも溜まっていたのだろう。

 

「……馬鹿か?」

 

 昔、聞いたことがある。どうして面倒な契約なんてものを行うのか。追いかけてきた賞金稼ぎたちに契約を行い、そして挑んだ代償を奪っている。記憶を消去し、四肢の一部を消し、ギアスを刷り込ませる。二度と追いかけて来れぬよう、だが生きることができるように。

 

『なぜこのような面倒なことをする』

 

かつてササムは彼女へとそう問いかけた。命を狙った。ならば逆に奪われる覚悟もあってのことだ。それらの命を奪うのはエヴァンジェリンの権利でもある。それをなぜこのように手間のかかることをするのか。

 

『怖いからだ』

 

 恨まれることがか、とササムは尋ねるが、エヴァンジェリンは首を横に振る。もちろんそれも理由の一つではあるがな、と。そう言い寂しそうな表情で口を開いた。

 

『私が、本当に『私』でいられなくなることが、私が『悪』となってしまうことが』

 

 真祖の吸血鬼、強大な力が持つがゆえに怖れられる。何かを破壊する力を持ってしまう事が悪だとするのならば、彼女はまぎれもなく悪であろう。しかし己が目的のために誰かを犠牲にすることを厭わぬ者が悪であるとするのなら、彼女が当てはまることは無い。

 その本質は偽善者だ。傷つけなければ生きられないくせに、傷つけることを厭わぬくせに、その傷つけた相手を気にして生きている。そして自らを傷つけられそうになってでも、誰かを護るためではなく、自分のために誰かを殺す、という行為を彼女は躊躇する。それが、彼女の定めた悪なのだから。どこまでも甘い、そう思わずにはいられなかった。

 ササムはかつて、エヴァンジェリンを殺したかった。

 なぜこの身はただの人なのだろう。なぜ、彼女は自分を眷属へとしてくれないのだろう。自分は彼女を愛しているのか? わからない。ただ、彼女と共にありたかった。たった三文字の漢字の名前で呼ばれるだけで、落ち着いていくのが分かった。

 自分のものにしたい、という欲求と、神鳴流剣士である強大な魔を斬り伏せたいという感情が爆発し、あるとき本気でエヴァンジェリンを殺そうとした。殺してしまえば、彼女は自分だけのものであると納得できると、本気でそう思っていた。結果は無残なもので、結局致命傷の一つさえも与えられずに終わった。

 自分は殺そうとした、だからその結果逆に殺されても構わない、ササムはそう考えていた。それでも彼女はギアスの一つすらしなかったのだ。殺したくないと、傷つけたくないと、そう言って泣くエヴァンジェリンを見て、ただササムは思ったのだ。自分は、いったい何者なのだろうか、と。

 神鳴流の剣士であるのなら、エヴァンジェリンという魔を刈ることは正しいはずだ。だから斬りたいと望むことは間違いではないはずだ。ササムはそれまで、ただ魔を刈るだけだった。神鳴流の剣士、という在り方を文面のみでしか知らぬササムにとって本質を理解することはできず、自分の剣に迷いが生まれていた。

そもそも魔とはなんだ。種族で言うのなら間違いなく彼女は魔だ。だが、本質はなんだ?

 自分を殺しにかかる相手すら、殺したくないと泣く少女がいた。そして殺してしまった事を後悔し、悲しむ少女だった。魔を刈りたいと、斬り殺したいと望み首を刈り続けた男が居た。自分自身が誰かを斬り殺せることを、喜ぶ男だった。

 

 どちらが人間でどちらが化け物だ。

 

 ササムは懐から一枚のカードを取り出した。戦闘時の自分の姿を描かれているが、その手には普段使っている大太刀ではなく、真っ赤な刀が握られて、表情には笑みを作り出している。エヴァンジェリンと仮契約をしたとき出現したものだった。

 

「……来たれ」

 

 そして一言呟く。ササムの手に出現したのは、カードに描かれたものと同じ、三尺ほどの赤い刀だった。 そして、ゆっくりと立ち上がり手前のベッドへと近づくと、そこに寝ているエヴァンジェリンへと向けた。

 今なら、殺せる。

 それは、彼女を殺すためだけの刀だった。仮契約でのアーティファクトは主と従者の相性や性格、そして望みによって変わる。エヴァンジェリンの望みをササムは知っている。何のために彼女は叡智を求め、何のために彼女はその在り方でいるのか。

 

 自分の願いはエヴァンジェリンを殺すことだった。そして彼女の願いもまた、彼女自身を殺すことであるのだから。

 

 それでも、今のササムがたとえエヴァンジェリンを殺せる手段を持っていたとしても、それを実行に移すつもりは全くなかった。

 月日がたち、理解をしたのだ。自分がどのような在り方でいるべきであるのか。そして望んでいることは何か。

 

「……ササム?」

 

 眠っていたエヴァンジェリンの眼がゆっくりと開かれる。既に刀を消していたササムは小さく尋ねたその声に、なんだ、と聞き返す。

 じっとエヴァンジェリンはササムの顔を見た。しばらく無言の静粛が続き、ふっと息を吐いて呟く。

 

「……だいぶ、老いたのだな」

 

「ご主人と出会ってから何年たっていると思っている」

 

 そうだな、とエヴァンジェリンは呟きササムの頬を触れた。かつて青年だった男の顔には若々しさは無く、あと数年もすれば皺も目立ってくるだろう。対して、エヴァンジェリンは齢10歳の少女の姿のままだった。それが、両者に種族としての違いを知らせているようだった。

 

「……眷属にする、と言うのなら抗いはしない」

 

 老化を止めるのなら、共に在るというのなら、ササムという存在を吸血鬼の眷属へと変えてしまえばいい。その提案にエヴァンジェリンは首を横に振る。

 

「いや、いいさ。それが本来あるべき時間の流れなのだから、私が干渉すべきことではないのだろうよ」

 

 そしてそう答えることもササムは分かっていた。それでも聞いてしまったのは、もしかしたら未練だったのかもしれない。

 エヴァンジェリンはベッドから起き上がり、ササムの隣へと立った。そしてササムの服の裾を掴むと、重心を崩してそのままベットへと倒した。特に抵抗することも無く、ササムはベッドへと倒れこみ、エヴァンジェリンを見上げた。

 

「もう寝たほうがいい。夜は私にとっては動く時間だが、人にとっては眠る時間なのだから」

 

「ああ、そうさせてもらう」

 

 目を瞑れば、予想以上に早く睡魔が襲い掛かってくる。彼女が眠りの霧か何かを使ったのか、本当に寝ても大丈夫なのか、懸念はある。しかし今やるべきことは睡眠であると、そう切り替えた頭は既にその体を休めようと意識を落とした。

 

 

―――――

 

 アリアドネーの執務室でセランは、いつも通りならば忙しなく書類の整理などを行っている時間だった。しかし今セランは執務室のテーブルで、渡鴉の人見の映す映像をじっと眺めていた。其処に移るのはエヴァンジェリンとササム、そして自分の秘書の一人だった。その映像はMM本国に送った一体のゴーレムから流されており、最大で六体のうちの五体を送っている。無論許可もとってあり、エヴァンジェリン達に同行させていた。

 エヴァンジェリンへかけられていた容疑の否認、潔白の証明のため然るべき場で決着をつけるために、本人とその弁護人としてセランの秘書が滞在している。本来、セランとしてはそんな無駄なことをする必要はないと考えていた。アリアドネーに居る限りMM側がエヴァンジェリンに手を出すこともできず、ただ生活する分にはなんの問題もない。だが、彼女が気にしていたのはそこではなかった。

 彼女が気にしていたのは、人間の魔法使いへとエヴァンジェリンという存在が悪である、という噂が真実になってしまう事だった。そうなれば、彼女が人間たちの住む場所へと足を踏み入れることも難しくなってしまうだろう。

 

「……人、か。彼女は……」

 

 エヴァンジェリンの事を思い出してそう呟き、小さく溜息を吐いた。

 ただ、人が百数年を同じ場所で過ごすのなら問題は無い。ただ、彼女は不老不死で、そして人間たちの住む場所へと足を踏み入れる必要もあるのだ。それが、彼女の目的なのだから。しかし今のままでは永久に、危険人物扱いされることは変わりない。

 例外的な措置ではあるが、あくまでも被告人という扱いでMMには向かわず、国賓とも言える扱いで送り届けた。法についても問題は無い。潔白の証明ということを果たすための資料も証拠も、そして弁護人も用意してあるのだから。

 アリアドネーとしても悪くは無いのだ。潔白を証明できれば現在アリアドネーに向けられている圧力も軽いものになるだろう。

 

「友人なんて言っても打算ばかり、少し嫌になるわね」

 

 映像は既に移り変わっており、秘書が渡鴉の人見を入れ、映像を取る許可を貰っている。マジックアイテムで水晶の形の記憶媒体がこの世界には存在しており、セランは渡鴉の人見から送られる映像を全て、そのマジックアイテムへと記憶していた。何か不備があればすぐさま突けるための材料でもあるのだ。

 やがて映像は裁判へと移り変わる。ササムと秘書は弁護人席へと移り、エヴァンジェリンは被告席へとたった。そこで差し出されたのは、一枚のギアスロールだった。

 この裁判の判決が出るまで魔力の放出の禁止をさせてもらう、という内容であった。最低限の制限であり、契約の魔女、の異名を持つ彼女であるからこそ、些細なものであろうと契約は重くなる。おそらくその彼女のプライドを引き合いに出し、制限しようとMM側は考えたのだろう。こちらとしても最悪、ギアスロール自体を無視してしまえばいい。真祖の吸血鬼である彼女にはそれができる。

 ギアスロールを持ち彼女の近くに寄ったのは、品の良い服を着た老人、キャメロン・クロフト執政官だった。最も情報操作に力を入れていた人物だと資料で目にした。此処に居ることは聊か奇妙に見えるが、本人が力のある魔法使いであり、エヴァンジェリンを抑えるためだと考えれば納得がいく。そしてギアスロールに書かれた内容を読み上げると、エヴァンジェリンに許可を取った。それに対してエヴァンジェリンも答える。我が名に懸けて誓うと。

 それを聞き届けクロフトは、ギアスは交わされました、と答え彼女へ一礼する。そして、彼女の言葉に反応する様に、ギアスロールへと条文が足され――――ていなかった。

 

「……?」

 

 どこかセランは言いようのない違和感抱いた。それは、映像の中のエヴァンジェリンも同じであったようだ。不意にクロフトが顔を上げた。その顔には、その表情に似合わぬ、凶悪な笑みを浮かべていた。

 

 

「!!!!?」

 

 

 その時、部屋全体に魔力が行き渡り魔法陣が照らし出された。

 秘書はとっさの事で机の下へと震えながら潜り込み、ササムはそれと同時に大太刀を引き抜いて地面を蹴り飛ばした。そして張られた透明質な壁を切り刻み、召喚された何かの首を刎ね飛ばす。小さな魔法陣から現れ召喚された黒い異形の何かの拳が、映像いっぱいに映し出された。

 

 そこまで流れて、ゴーレムは破壊されたようだった。セランの前に存在する渡鴉の人見は砂嵐だけしか映してはいない。勢いのままに立ち上がっていたセランは、とっさの事でしばらく頭の中が真っ白になり、よろよろと力なく椅子へと座った。

 ありえないことが起きた。例外的に裁判という場であったが、招く立場であり、公平でなければならないはずの場所で、MMのナンバー2である執政官が、仕掛けたのだ。そのときの映像を残ることを知っていて、その上で何らかの危害を加える行動に出ていたのだ。

 

「……なんて、馬鹿なことを」

 

 ギアスをかけてからの行動、発動した魔法の種類は分からなかったが、召喚術の何かということと、結界。それはササムによって斬られたが、阿鼻叫喚の騒ぎになったその部屋で渡鴉の人見は壊れていた。

 当然、空を巡回していた物の一つを、ササム達の元へと送る。しばらくすると、砂嵐だった画面に映像が流される。MMの役人たちの逃げ纏う姿や、それを追いかける黒い異形の姿、悪魔たちが見える。そして理解した。大規模の召喚魔法が行われたということを。

 裁判室までゴーレムは入り込むと、多数の消えゆく悪魔の首と、テーブルの下で震える影が見えた。セランが送り出した秘書の一人であった。映像を映す渡鴉の人見の下に添え付けられた、通信機を手に取り声を出す。

 

「もしもし、聞こえる? いったいそっちで何が在ったの!?」

 

『セ、セセ、セラン総長ぅぅ! 私弁護するだけだと思ってたのにぃ! 急にササムさんが剣を抜いたと思ったら光って轟音がなって、エヴァンジェリンさんが転移魔法で浚われちゃって私、なにがなんだか分からなくなって……』

 

 混乱して涙声で返す彼女の身体は震え、とても平静な判断を下せるとは思わない。ササムはその場にはおらず、召喚された悪魔を刈りに行ったのだろうか。

 

「……分かったわ、貴女はそこの避難指示に従って。そして渡鴉の人見を一体送るから、現在の最高責任者へと繋いで。アリアドネーの総長からだと伝えれば、悪い様にはしないわ」

 

『は、はい了解しました!』

 

 だからこそ、命令で縛れば人はそれに従おうと頭を動かす。震える足を無理やり動かし、秘書がその場を離れたことを確認すると、アリアドネーの騎士団にも指示を出す。

 まだ決まったわけではないが、それを動かさなければならない事態へと陥る可能性もある。MMからの対応はどうか、騎士団を動かすにあたっての輸送経路の確保、現在アリアドネーに全て飛ばしている渡鴉の人見の操作。やることは一気に増え、各場所へと指示を飛ばした。事前に在る程度の準備はしてあっても、本当に念のためと呼べるものしかない。

 やがて渡鴉の人見の一体から通信許可が入る。そして映像を流せば、そこには見知った友人の顔が在った。

 

『セラン、俺のご主人は何処に居る。調べろ今すぐに』

 

 ササムの有無を言わせない言葉に、セランは苛立った声を返した。

 

「分かっているわよそんなこと!」

 

 そこには護衛でありながら、護れなかった彼への苛立ちもあったのだろう。

 ササムは召喚された悪魔たちの掃討へと向かった。そして、セランは各所へと指示を飛ばすことと並行して、渡鴉の人見をエヴァンジェリンの捜索へと向かわせた。

 

 何かが崩れていく音が聞こえた。誰にも聞こえないその音は、当たり前に存在していたはずの日常が壊れていく音だった。

 

 




シリアス入りまーす。とりあえずやりたいことを達成できるように頑張りたいです。

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