思ったようにいかなくて悔しい限りです。
浩太の右手がカットの左胸に突き刺さる。
カットが浩太の耳元で呟いた。
「答える気になりました?」
カットが浩太の耳元で呟いた。
「あなたはどうするべきだった?」
「あなたは今、幸せ?」
浩太の右手がカットの左胸に突き刺さる。
意識は急速に現実へと引き戻されていく。
〇━〇━〇━〇
〈ボーダー遠征艇〉
ん、、遠征艇か?
「ああ。」
すげー眠い。
ああ、迎えに来てくれてありがとう、迅。
なんか食べもん。腹減った。
「おれだけじゃないよ。これでいいか?」
そうか。すまなかったな。レーションかよ…はぁ。
「…向こうで何かあったろ?」
ん?あー。まあな。
「お前に自己暗示のような類の何かがかかってたよ。」
自己暗示?なんじゃそら。
「すこし思考を阻害する系だな。」
へえ。まあなんでもいいよ。何があったのか聞きたいか?
「聞きたい。」
後悔すんなよ?
「ああ。」
そうして浩太は全てをそのまま迅に説明する。
「すまないな…」
なんでお前が謝ってんだよ。
「おれが読み逃してなければ…」
ふぅん。そんなに気に病んでるのならもうすこし聞いてくれ。
戦争しているのはお前も見ただろ?
そのさっきのところもっと詳しく話すよ。
「それが何かあるのか?」
俺に課せられた何かをお前に話すことによって同罪、ってのはすこし言い方が悪いけど、それで何というか、そうだな。
お前の負い目と俺の罪を半々で分け合う感じ。
「聞かせてくれ。」
だいぶ端折って話したからな。とりあえず気体と液体と固体になれるトリガーと戦ったあとくらいの話だ。
俺は逃げ遅れた市民の、、大体200人くらいかな。そんくらいを引き連れて逃げてた。防壁の中に入れれば、一応は安全だからな。
そこまでは聞いてたろ?
そっからなんだよ。俺が黒トリガー使って、あ、黒トリガーってどうなってんの?
「ヴァルクールって奴に渡されたよ。」
貰ってきたのかよ。まためんどくせえことになりそうだな…
話を戻そう。それでトリオン兵と戦いながら逃げてた。そのはなから人がどんどん攫われていったり、殺されたりした。
目の前で、モールモッドに胸を貫かれるんだぜ。そんで俺と目があうんだよ。諦めた顔をしてた人もいたし、怒ってる顔をしてた人もいた。
一人は俺に、何で助けてくれなかったんだって、死にながら言ったよ。そん時くらいからかな、俺の目には電磁波が映りだしてた。
果てしなく集中してたんだろうな。
それから少しくらいたって、トリオンの流れが目に映った。
そっからは少し記憶が飛んでるんだよ。
気が付いたら俺の右手が、敵の左胸を貫いてた。
その俺が殺した敵が耳元でこう言ったんだ。
「殺してくれて、ありがとう…。私の未来はもう、決まってましたから…」ってな。
訳がわからなかった。
だって俺はそいつの命と人生を、奪ったのに。ありがとうなんて言われるとは思ってなかった。
眠いな。
あ、続けるぞ。
そのあと俺は倒れたらしい。そっからはずっと夢を見てた。多分夢だろうな。そいつを殺し続ける夢だった。
そいつが俺に尋ねた。
「あなたは幸せですか?」って。
答え?そんなこと教えるわけないだろ。お前にだけは言いたくないね。
笑うなよ。
そのうち尋ねる奴が殺した女じゃなくて、俺になったりした。俺が俺に尋ねるんだぜ。ゾッとしない話だろ。
ああ、やっぱ眠いな。
一回寝るわ。トリガーくれ。
ん?何それ。
寝たら死ぬぞってやつ?
まあお前がどうにかするだろ。
あ、そうだ…
一つ聞いておきたいことがあるんだよ。
もし、まあ仮定の話だけど。お前がさ、戦ってる敵でも、味方でも、友達でも誰でもいい。
そいつに「自分を殺してくれ。」って言われたらどうする?
お前ならいい解を聞かせてくれると願ってるよ、悠一。
イラプセル編は今回と次回で終結です。
ちょいちょいしてから原作合流します。
なかなかいい経験にはなりました。しっかりストーリー練れって言われてる気がします。次回作はしっかり考えてから作りたいっす。
ここまで読んでいただいた皆さんに、最大級の感謝を。