-U7- ~海上の戦乙女たち~   作:堅物サンチェリオ

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妄想の暴走により、前編になりました。
艦娘?安心してください。出てますよ。


1話 その名はセブン 1

20XX 夏 早朝

そこには、海沿いに広がる一際大きい軍事施設があった。対深海棲艦の為、元々そこにあった小さな港を大改装、また増設して、今では人類の希望と呼ばれる“艦娘”達の居住場所になっている。

第5前線鎮守府“アマギ”である。

そのアマギ鎮守府の執務室でせっせと勤務しているのが、鎮守府の長、キリヤマ。そして、キリヤマの横で秘書艦を勤める、巫女服のような服と知的な眼鏡が印象的な女性が“高速戦艦”霧島である。

 

霧島「提督?現時刻、07:00です。総員起こし、致しましょうか?」

 

キリヤマ「ん~?もうこんな時間か。そうだな、頼む」

 

霧島「了解しました!」

霧島は、机の隅にある無線機を手に取る。

 

霧島「マイク音量、大丈夫?チェック!ワン・ツー!・・・よし!」

軽快に無線機の点検をする霧島、・・・そして、

 

霧島「みなさーん!おはようございます!秘書艦の霧島です♪ 総員!!直ちに起床!! 艦隊に所属する艦娘は、朝食を済ませ、0800には、鎮守府内で勤務を始められるよう、しっかり準備お願いしますね♪ 繰り返します!艦隊に所属する艦娘は・・・」

楽しそうにアナウンスする霧島を見て、

 

キリヤマ(ホントなんだろう・・・、前線基地の総員起こしとは、とても思えないな・・・)

 

と、苦笑する。霧島は、普段キッチリと仕事をこなしてくれる心強い存在なのだが、こうした事は少しだけ抜けているところがあった。

キリヤマ「まぁ、そういう所が、愛嬌というか、可愛い所というか・・・フフッ」

霧島に聞こえない様につぶやく。そして、視線を霧島から窓の外へと向けた。

大改装をした鎮守府は、大きな建物が至るところにあった。執務室のある提督棟は勿論、改装・開発を行う工廠、艦娘達が戦いの傷を癒す入渠ドック、訓練等をする為の多目的演習施設、腹が減っては戦は出来ぬ艦娘達の補給線アマギ大食堂、スイーツが欲しい!お年頃の艦娘達、憩いの場 甘味処間宮etc.etc.・・・、様々な艦娘の為の施設が建てられていた。

だが、キリヤマはそれらの施設ではなく、正門付近を見ていた。

鎮守府の正門は、内陸から来る客人を迎える為に作られた。その正門の横には、最近新しく作られた建物があった。鎮守府内の施設とは、かなり見劣りするほど、人が2、3人住める程の鉄筋コンクリート製の小さな建物である。

その中から、提督とはまた違った制服を着た一人の青年が出てきた。作業服のような制服を着た青年は、正門付近で何らかの作業を始めていた。

 

キリヤマ「お?アイツも動き出したな?」

 

霧島「もう・・・提督ったら、あの人は、珍しい野生動物とかではないですよ?」

いつの間にか、総員起こしの放送を終えた霧島が、キリヤマの直ぐ後ろに立っていた。

 

キリヤマ「違う、違う、アイツも最近仕事に慣れてきたなと思ってな」

 

霧島「あぁ、確かに・・・、最初はよく失敗してましたっけ?最近はそんなことも無くなって、大変良くなったと思いますよ?」

 

キリヤマ「フフッ・・・そうだな、最初から飲み込みの早い男だったからな・・・」

まるで自分の事の様に嬉しそうに話すキリヤマ、霧島は、そんな提督の姿に苦笑を浮かべながら、正門にいる青年に視線を向けた。

 

霧島「“ナガト・リョウ”・・・、あの人が来て、ほぼ1ヶ月ですか」

 

キリヤマ「そうだな・・・、あれから、もう1ヶ月か・・・」

“長門 亮”青年は、そう呼ばれていた。

ナガトは、元は海上保安の隊員だった。だが、あの七夕の夜、大型輸送船の護衛任務の途中、突如現れた深海棲艦と交戦、強敵相手に善戦するもの、敵の激しい砲撃に見舞われて、乗っていた護衛艦が大爆発、彼は爆発に巻き込まれ、一時行方不明になる。誰もが彼の死を覚悟した。だが彼は、爆発現場から少し離れた、人気のない小さな砂浜に打ち上げられていた。あれほどの爆発に巻き込まれたにも関わらず、彼は、海水を飲んで衰弱はしていたが、他は軽い火傷と打撲程度で済んでいた。まさに、―奇跡―だった。そして、不幸中の幸いか、打ち上げられた場所が、“アマギ鎮守府”の近くであった為、キリヤマ提督が、彼を保護し、今に至る。

 

霧島「今でも信じられません。あの爆発に巻き込まれた人が、あんなピンピンしているなんて、今ではこの鎮守府の警備員ですよ?」

 

キリヤマ「確かに、1週間もしないで退院したからな。アイツの回復力には驚くばかりだよ」

 

霧島「鎮守府内では、ここ最近まで“ミラクル☆メーン”って呼ばれてたそうですよ?」

 

キリヤマ「フフッ・・・初耳だな?誰が考えたんだ?」

霧島「金剛お姉様です。最近は言われなくなりましたけど」

 

キリヤマ「金剛かぁ・・・」

英国生まれのアイツなら言いそうだ、そう思っていると正門から、噂の大きな声が、

 

金剛「HEY!Miracle☆meeeen!!おはようございマース!!」

金剛型一番艦“金剛”が正門を通っているところだった。その後ろから、比叡、榛名と、金剛型の姉妹が続く。秘書艦の霧島も、金剛型四番艦である。

 

キリヤマ「・・・メッチャ言ってるぞ?」

 

霧島「あれぇ?私の分析では・・・、またブーム来ちゃったかな(ボソッ)?」

 

キリヤマ「ブームって・・・フフッ」

 

霧島「と、とにかく!あの人は、おかしいんです!あの方と同じ名前だから、かなりの強運設定されてるんじゃないでしょうか!?」

 

キリヤマ「せ、設定?」

 

霧島「そうです!あれで生きてるのですから!そりゃあもうあの人に、戦艦長門の念やら魂やらが・・・」

霧島は、完全に墓穴を掘った。

 

???「おい霧島、私はまだ生きているぞ?」

 

霧島が、バッと振り向いた視線の先には、一人の艦娘が仁王立ちしていた。霧島は目を見開いた。

 

霧島「ナ、長門秘書艦・・・!?」

 

――戦艦“長門”――

かの、有名な戦艦の一隻。第二次世界大戦で、日本海軍の総旗艦を務め、大戦終結まで戦い抜き、壮絶な最期を遂げた大戦艦。

そんな長門は、艦娘として生まれ変わり、アマギ鎮守府で秘書艦を務めていた。昨日は非番の為、霧島に勤務を託していたのだ。

 

長門「全く、私が休んでいる間、秘書艦を務めてくれたお前に、一言礼を述べようと思っていたのだが・・・」

 

霧島「えぇ!?何時からそこに!?」

 

長門「ついさっきだ。ちょっと早めに来てみたら、私の悪運がどうだ、怨念がどうだとか・・・」

 

霧島「そそそ、そんなことは、言ってません!!警備員さんの事を言ってただけで、決して長門秘書艦の事では・・・」

 

長門「同じではないか!!・・・霧島、お前は私のことを、そんなふうに思っていたのか?・・・・・信じていたのに・・・くっ!!」

 

長門は俯く。それを見て霧島は目を白黒させる。

 

霧島「ごごご、誤解ですぅ!!許してくださーい!」

 

長門「・・・フフフッ、なーんてな、冗談だ」

 

霧島「え?」

 

長門「戦艦長門は、あれぐらいで怒ったりはしないぞ?お前もよくわかってるだろ?」

 

霧島「・・・・・も、も、も、もう!!ひどいです!」

 

長門「ハハハッ、すまんすまん。提督と楽しそうに話していたからな、少しからかってしまった。許せ」

 

霧島「わかるわけないですよ!もー・・・」

 

長門「そうか?提督は、分かっていたぞ。なぁ提督?」

 

霧島「え?ウソッ!?」

 

二人は、提督に視線を向ける。

 

キリヤマ「・・・随分、上手くなったな、長門」

 

霧島「・・・本当に、分かってたんですか?提督?」

 

長門「そう言うな、霧島、秘書艦という者、提督のプライドを尊重する事も、大切な仕事だ」

 

霧島「な~るほど~、勉強になります!長門秘書艦!!」

 

長門「今、秘書艦は私ではなくお前だ。その呼び方は間違っているぞ?」

 

霧島「!、失礼しました!長門さん!」

 

長門「うむ」

 

キリヤマ「あの~、もうよろしいか?」

 

キリヤマが二人の会話を妨げる。時計を見たら07:50になろうとしていた。

 

キリヤマ「08:00なっても、執務室が仕事始めていなかったら駄目だろ?やることはやらないとな」

 

長門「・・・そうだな。すまん」

 

霧島「私としたことが・・・、すみません」

 

キリヤマ「別にいいさ。さぁ、始めよう」

 

キリヤマは、その場から立ち上がる。

霧島、長門は、提督の机を挟んだ位置に立った。

 

霧島「気をつけ!!」 ザッ!

 

霧島「キリヤマ少将に対し・・・敬礼!!」 ザッ!

 

朝の日課、朝礼が行われる。10分程の短い朝礼。艦娘だらけの鎮守府で、唯一海軍らしさが出るところ。昔は30分程はやっていた朝礼は、日を重ねる毎に、段々短くなっていった。もう、止めていいんじゃないか、艦娘からは、そんな言葉もあった。だが、キリヤマは、

 

キリヤマ「昔、君達に乗って戦った海軍が、規律と誇りを守る為に、行った訓練の一つだ。今、海軍である我らが、これを本当に止めてしまったら、もう我らは海軍ではない」

 

これを聞いた艦娘は、二度止めようとは言わなかった。

キリヤマは、この仕事に誇りを感じている。だが、時代は変わっていく、今までのやり方では、収まりきらない所まで来ている。

深海棲艦が、いい例だ。現代の兵器では通用しない、今までの経験が全て無駄だったのではないか、そう思わせる程の破壊力。そこに、人類の希望として現れたのが、艦娘達だった。だが、操縦席もない、自分で思考し戦う人型兵器、初め艦娘は人々から怖れられた。だが、艦娘達は、深海棲艦から制海権の一部を取り戻した。深海棲艦と渡り合える事を証明した艦娘は、人々から信頼を勝ち取る。

そうして、今となっては、艦娘が海軍の最強の矛と盾となり、海軍の殆どが艦娘を所有している。

時代は変わった。キリヤマは、そんな時代の流れに、せめて、これは欠かさずやろう。そう決めて、今日も朝礼を行う。これが、時代の流れに少しでも逆らおうとする、キリヤマ自身の、意地、プライドの表れだった。

 

霧島「・・・以上で、報告を終わります。提督、指示事項等お願いいたします」

 

キリヤマ「うむ、霧島、ご苦労だった」

 

霧島「はい!」

 

キリヤマ「では、これより辞令を言い渡す!」

 

キリヤマ「現時刻を以て、戦艦 霧島は、提督補佐、第一艦隊旗艦の任を解く!及び、戦艦 長門!」

 

長門「ハッ!!」

 

キリヤマ「現時刻を以て、戦艦 長門は、提督補佐、第一艦隊旗艦の任を命ず!・・・霧島、ご苦労様だったな、ゆっくり休め」

 

霧島「はい!お心遣いありがとうございます!」

 

キリヤマ「長門、引き続き頼む」

 

長門「了解した」

 

キリヤマ「では、海の平和を目指し、今日もよろしく頼む!以上!」

 

長門・霧島「了解!!」

 

朝礼が終了し、三人は、それぞれの持ち場に着く。長門と霧島は、秘書艦の引き継ぎを、提督は変わらず書類整理を、各々が持ち場に着いたとき、時計は、08:00を指していた。

時間通りに、アマギ鎮守府全体が動き出した。これより一日が始まる。

だが、この一日が、壮絶な出来事の始まりになるとは、誰も知るよしもない。




日本海軍の事は、正直いうと、勉強不足。ほぼ妄想です。文章の書き方は、まだ慣れません。実力不足。ほぼ妄想です。
・・・・・・・・全部妄想やん!?
失礼しましたm(__)m
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