自分なりの区切りなので出します!
――ガキィィィィィン!!!――
激しい衝撃と共に、金属の様な衝撃音が辺りに響きわたる。
その衝撃音の後・・・、
――メキッ・・・メキメキメキ・・・ベキッ!――
何かが潰れる様な怪音が響きわたった。
ツ級「うぐぁ!?」
悲鳴を上げたのはツ級の方であった。ツ級の拳を見ると、人差し指と中指が曲がってはいけない方向に捻れ曲がっていた。
ツ級「・・・・ッ!!」
ツ級は直ぐに捻れ曲がった指を無理やり元に戻す。
メキッ!メキッ!と嫌な音をたてながら指が難とか元の位置に戻った。だが、元の位置に戻った指は完全に潰されており、赤い戦士の拳の跡がくっきりと残っていた。
一方の赤い戦士は叩きつけた右腕をぷらぷらさせながら涼しい顔でツ級を見ていた。
ツ級は、これ以上ない程に激昂した。
ツ級「キサマァ・・・!!!只じゃおか・・・ごぉっ!?」
ツ級の怒号は、赤い戦士の蹴りに掻き消された。ツ級の脇腹に赤い戦士の蹴りがめり込みメキメキと音を発てる。あまりの威力にツ級の体は“く”の字に曲がる。
ツ級「ぐぅ・・・ッ!!」
ツ級は、なんとかその場に踏みとどまる。蹴り込まれたミドルキックが想像以上に強烈だったのか、ツ級は堪らず片膝をつける。だが・・・、
赤い戦士「・・・まだ休む時間じゃないぞ?」
ツ級「!!??」
―拳―ツ級の顔面に赤い戦士の拳が飛んできた。渾身のアッパーカット。
ツ級「ふぐぁ!!」
ツ級はアッパーで身体を無理やり起こされた。
そこから赤い戦士の怒涛の連撃がはじまった。
ワン・ツーパンチからボディブロー、頭が下がったら鋭い蹴りでカチ上げる。体が起きたら喉元へチョップを浴びせ相手の呼吸を妨害する。体がまた下がればその背中に何発もチョップを振り落としていく。
ツ級も反撃しようと拳をくり出すが意図も簡単に躱され、逆にその勢いを利用され投げ飛ばされる。投げ飛ばされ体勢を直そうとするツ級だが、瞬時に間合いを詰められ、新たに連撃を浴びせられた。それも、どの攻撃も異常に重く、人間が一撃でも喰らえば即死は免れない程の威力ばかり。その速く鋭い連撃の前に、ツ級は反撃の時を与える事を許されず、ツ級は身体中に無数の傷を作っていった。
そんな状況を周りの者は、ただ観ている事しかできない。
そんな中、摩耶だけは隙を見て浜風達に接近していた。
摩耶「浜風!雪風!大丈夫か!?」
雪風「雪風は大丈夫ですが・・・浜風が・・・」
そう言って雪風は浜風を見る。浜風は心配させない様に笑ってみせる。
浜風「私の事は大丈夫だ。安心しろ。雪風・・・」
摩耶「何、馬鹿言ってんだ!そんなボロボロで大丈夫な訳無ぇだろ?」
浜風「ハ、ハハハ・・・すいません・・・」
雪風「違うんです摩耶さん!浜風は雪風の為に・・・」
摩耶「雪風!お前もあんな無茶しやがって!」
浜風「摩耶さん!違います!雪風は私の為に・・・!」
戦場のド真ん中で、お互いを必死に庇い合う二人の姿に、怒ることもできない。怒りを通り越して呆れる程。
摩耶「・・・・・あーも!分かったから!お前らの仲の良さはイッタ~い程伝わってるから!」
浜風「べ、別にそういう事を言っているんじゃ・・・」
反論しようする浜風を手で制す摩耶。そして戦闘中である赤い戦士の方に目を向ける。
摩耶「なんだよ・・・アイツ・・・めっちゃ強えじゃねぇか・・・」
加古『おおう・・・ヤバイよヤバイよ・・・』
浜風「・・・ですが、これはチャンスですね・・・」
摩耶「・・・!そうだな・・・!」
摩耶は耳に装着している無線に触れる。
摩耶「北上!大井!聞こえるか?」
北上『ん~?聞こえるよぉ』
大井『こんな近くにいるのに無線ですか?』
摩耶「あぁ、自分達の状態を教えてくれ」
北上『北上、大井っち共に健在だよぉ。まぁ、馴れない対空射撃で弾が残り少ないけどね・・・」
大井『私も北上さんと同じです。そんな分かりきった事何故聞くんです?』
摩耶「そうか・・・、じゃあ魚雷の方はどうなんだ?」
大井『魚雷?まだありますけど?』
北上『あぁ~、そういえばあまり使ってなかったねぇ。対空ばっか目がいってたよぉ。えへへ』
摩耶「お、おいおい・・・雷巡が魚雷使わないでどうすんだよ・・・たく・・・」
大井『な!?失礼ですね‼私達を雷撃しか取り柄がない人だと思わないで下さい!!』
北上『え?私達って、それが取り柄でしょ?』
大井『えぇ!?北上さぁん!?』
摩耶「はいはいはい!分かったから静かにしろよ・・・!お前達が魚雷を残してくれていたのは幸運だ・・・!」
大井『・・・!!、反撃ですか?』
摩耶「・・・あぁ、こちとら手痛い奇襲を受けてやったんだ・・・、それ相応の礼はしないとな・・・!!」。
北上『・・・リョウカ~イ。負けっぱなしは嫌だしね・・・!』
加古『アイツら!赤い奴の戦闘に夢中で周りを全然見ていないぜ!ありゃ恰好の的だな!ヒヒ!』
・・・・・ほんの数時間前に自身が“恰好の的”にされてた事を忘れているのだろうか?加古以外の艦娘達が少し心配になる。
大井『・・・・・』(ジト目)
北上『ハ、ハハハ・・・』(汗)
摩耶「・・・と、兎に角だ!これより反撃を開始する!雷撃戦・・・用意!」
静かに闘志を燃やし動きだす摩耶達。己の魚雷を装填しながら、反撃のチャンスを今か今かと待つ。
摩耶達が反撃の機会を待つ中、赤い戦士とツ級の戦闘が続いていた。
格闘戦で苦戦するツ級は、堪らず赤い戦士から距離を取る。
ツ級「キサマァ・・・!ふ、ふざけんな・・・!ふざけんなよぉ!!」ガッチャン!
ツ級は腕の大砲を赤い戦士に向けた。格闘戦は不利と思ったのか、砲撃戦に移ろうとする。
赤い戦士は、ツ級の大砲に怯む事なく、真っ直ぐツ級に突っ込んでいった。
ツ級「来いよぉ!!蜂の巣にしてやらぁ!!」
ツ級は赤い戦士に向け、大砲を打つ。
――ドン!ドン!ドン!――
だが、赤い戦士は、ツ級の放つ砲弾を右に左にと難なくかわしていく。そしてどんどん間合いを詰めていく。
ツ級「・・・っちぃ!!」
赤い戦士が、ツ級に触れるか触れないかの間合いに近づいた。その時、ツ級は大砲を海面に向け砲弾を放った。
赤い戦士「・・・!?」
その瞬間、赤い戦士とツ級の間で大きな水柱があがった。お互いの姿を完全に隠してしまう大きな水柱は、赤い戦士の動きを止めるには十分だった。
ツ級「ギャハ~!引っ掛かりやがったなぁ!?」
そう叫びながらツ級は、止まった赤い戦士の水柱に向かって渾身の右ストレートを繰り出す。ツ級の強烈なストレートが水柱に大きな風穴が空けた。
だが、そこに赤い戦士の姿はなかった。
赤い戦士「・・・どこを見ている?」
ツ級「なっ!?何ぃ?!」
側面から声がする。ツ級が振り向いた時には、赤い戦士の脚がツ級の顔面にメリ込んでいた。
ツ級「んぐはぁ!!」
赤い戦士の強烈なハイキックを顔面にくらったツ級は、水面を跳ねる水切りの小石の様に吹っ飛んでいく。
そのツ級のやられる様を見ていた仲間の深海棲艦達、特に駆逐艦のイ級は動揺を隠せずにいた。
イ級「お、おい!ツ級が押されているぞ!?どうすんだよ!?援護しないとヤバイんじゃねぇか!?」
慌てるイ級とは対称的に駆逐艦ロ級は余り乗り気じゃなかった。
ロ級「だけどなぁ・・・、ツ級ってケンカの邪魔したらマジキレるからなぁ・・・」
ホ級「・・・触らぬツ級に祟り無し・・・だ!」
ヌ級1「そうねぇ・・・、助けて~って来たら援護すればいいじゃない?」
イ級「そ、そう言うもんなの・・・?」
ロ級「そう言うもん、そう言うもん!ヌ級2号!どっちが勝つか賭けてみないか?」
ヌ級2「ヌフフフン!ツ級が勝つよ!異論は認める!」
イ級「認めるのかよ!!」
ヌ級2「後、一つ言いたい事がある」
ロ級「ん?なんだよ?」
ヌ級2「艦娘の奴らがこちらに向けて魚雷を打ってきた」
ロ級「へぇ・・・・・ヘェ!?!?(゜◇゜;ノ)ノ」
ヌ級2「只今、超接近中!!避けなきゃ死ぃヌ!!」
ロ級「そう言う事は早く言えぇぇぇ!!」
イ級「か、回避行動を・・・」
――ドォォォォン!!――
ヌ級2「ぬきゅぅぅぅぅぅん!!!(被弾)」
イ級 ロ級「2号ぉぉぉぉぉぉ!!!」
ホ級「2号が殺られた・・・か!」
――ドォォォォン!!――
ホ級「ほきゅぅぅぅぅぅぅ・・・・・んん!!!(被弾)」
イ級 ロ級「ホ級ぅぅぅぅぅぅ!!!」
巧妙?なる奇襲であった。
深海棲艦達は、赤い戦士とツ級の戦闘に気をとられ、雷撃への反応が遅れた。正に慢心。その慢心により艦娘の雷撃がヌ級2号とホ級に直撃。深海側は軽巡1隻と軽空母1隻を失った。
イ級「い、一旦距離を取ろう!このままじゃオレ達もやられちまう!」
ロ級「そ、そうだな・・・!ヌ級1号!後退する・・・」
ツ級「おぉい、ごらぁっ!!!」
ドスの効いた声で呼び止められる。イ級とロ級が振り向くと、怒りに震えるツ級の姿があった。顔は強烈なハイキックを受けた為か、頭の装甲が酷く歪んでいた。
イ級 ロ級「げぇ!?ツ級!?」
ツ級「てめぇら・・・!何、俺の許可なしに逃げようとしてんだ・・・あぁん!?」
イ級「い、いや!?違いますよぉ!?自分達はツ級さんの闘いの邪魔をしない様にって・・・ねぇ?」
ロ級「そ、そうですぜ!そしたら艦娘の連中がいきなり魚雷を打ってきやがって・・・態勢を立て直す為にちょっと下がろうかなって・・・ねぇ?」
ビクビクしながら説明するイ級とロ級だが、怒り狂うツ級が聞く耳を持つ訳がなく・・・。
ツ級「あぁん!?言い訳なんざ聞きたくねぇんだよ!!!艦娘が打ってきたぁ!?やり返しゃ良いだろうが!!!!」
ロ級「そ、その為に一旦後退しようって・・・ね?」
ツ級「アホか!?ヤツらは、さっきの戦闘で消耗しきってんだろうが!!満身創痍なんだよ!!わかってんのか!?」
イ級「ツ級さんもなかなかの満身創痍っぷりですが・・・」
ツ級「あぁん?!」
イ級「い、いえ・・・なんでもないです・・・」
ロ級「わ、分かったよ・・・、反撃するよ・・・な?な?」
ツ級「・・・分かったならやり返せ!!!アホ共が!!!」
イ級 ロ級「ひぃぃ・・・!」
イ級とロ級、生き残ったヌ級1号も慌てて反撃に移る。もう一対一なんかにこだわっていられない。ツ級はこれまでの鬱憤を晴らす様に、叫ぶ。
ツ級「このクソ共が!!手間かけさせやがって・・・鬱陶しい艦娘も赤いヤツも!全員沈めてやる!!!」
ツ級の怒りの号令を発した。
赤い戦士が身構えた。艦娘達も武器を構える。艦娘達の中には、もう弾薬が殆ど無い者もいる。
だが、それでも今は、先程までの絶望していた自分達は、もう何処にもいない。
どんなに絶望的な状況になっても、もう希望は捨てない。“皆で一緒に帰るんだ!”そう決意に満ちた表情を魅せた。
ツ級はそんな艦娘達を見て更に激昂する。
ツ級「ま~だ希望があるとでも思ってんのかぁ!?ふざけんじゃねぇ!!!そんな希望も!今!ここで!まとめて水底に沈めてやるよぉ!!!」
ツ級は、腕を振り上げる。イ級 ロ級が構え、ヌ級1号は今ある艦載機を全て放った。ツ級は続けて叫ぶ。
ツ級「油も無ぇ!弾も無ぇ!救援も来ねぇ!!・・・分かんだろぉ!?お前達はもう・・・・・沈むしかねえんだよぉ!!!ギャハァ!!!」
ツ級の腕が振りおろされる。深海棲艦の艦載機らが赤い戦士と艦娘達に向かって突っ込んでいく。
轟音をあげながら突撃する敵艦載機。艦娘達を射程内に捕らえようとした・・・。
前後編を付けるのを止めて番号をふりました。
その方が作りやすいね!
更新速度が早くなるかは、わかりませんが・・・(^_^;)