清掃船「きんこう」です!   作:腐った饅頭

2 / 13
本編書けなかったすまない。だけどこっちが書けたから出しておく。


番外編 過去話

さて話でもしようか。

 

ん?裏切り者が何をほざくだって?

 

まぁ良いじゃないかそんな事は。

 

君は私に負け、その損傷では近いうちに沈むのだから。

 

いわゆる冥土の土産という奴さ。

 

異論は無いかな?ふむ、では話そうか。

 

 

 

何時だったか突然海に深海棲艦が現れるようになった。

 

その事は知っているだろう?

 

私達、深海棲艦の話だ。

 

ある所に駆逐イ級と呼ばれる艦がいた。

 

そのイ級は素早いだけの臆病者だった。

 

そのイ級の他にも、共に軽口を叩きあった同じく駆逐艦のロ級、ハ級、ニ級などおり自分より先に作られた先輩であり頼れる一部戦闘狂の戦艦ル級、タ級、レ級、無口ではあったが気にかけてくれた空母ヲ級、ヌ級、誰かが沈まぬよう常に身を張っていた重巡リ級、ネ級、雷撃を誤射しない様に努力していた雷巡チ級、共に行動する事が多かった軽巡ホ級、ヘ級、ト級、ツ級、共に笑い合ったりした潜水艦カ級、ヨ級、ソ級、何時も弾薬不足に落ちぬよう補給をしてくれた輸送艦ワ級。

 

そして彼女達を纏めていた姫様達。

 

他にも沢山の仲間が居た。ただそれだけで良かった。ただ仲間と過ごせれば良かったんだ。

 

だが現実は無情だ。

 

艦娘達との戦いによって沈んでゆく仲間達。

 

当然そのイ級も参加していた。

 

だが運が良かったんだろう。相手からの砲弾は一つも当たらなかった。カスリすらもしなかった。

 

仲間には当たるのに自分には1発も当たらない。

 

最初は偶然かと思っていた。だが実際は違った。

 

庇われていた。

 

それを目にした時、何とも言えない感情が身を駆け巡った。

 

だって

 

自分よりボロボロの仲間に庇われたのだから。

 

イ級を庇って沈む仲間。

 

沈んでなお笑みを絶やさなかった仲間。

 

泣きたくなったよ。

 

何故庇った!と大声で叫びたかった。泣きたかった。だが出来なかった。その場は戦場だ。一つのミスで誰かが沈む。そんな事は出来なかった。

 

だからイ級は心を殺した。

 

だがそれでもイ級が生き残る度に誰かが沈む。

 

仕方のないことだ。それが戦場なのだから。

 

仲間を守る為に相手を沈める。

 

分かっている。分かっていんだ。

 

誰も沈まないで欲しい。それが身勝手なエゴだって事を。

 

そしてイ級が知る仲間達が居なくなり、また新しく艦を作られることになった。

 

少し期待していた。

 

また仲間に会えると思ったから。

 

だがその期待は裏切られる。

 

当然だ。イ級が知っている仲間達はもう沈んだのだから。

 

だがそれでも諦めなかった。

 

ならばまた前のように親しもうと思った。

 

だが新たに作られた深海棲艦達は何処か違っていた。

 

また艦娘達との戦いが始まった。

 

そしてまた仲間が沈んだ。

 

悲しかった。だが何かおかしいと思った。

 

ふと回りを見た。

 

そこには、仲間が沈んだ事など知らないといった風にただ艦娘に向けて砲撃している仲間達が居た。

 

何故誰も悲しまない!とイ級は言った。

 

砲撃していた仲間達の1人がこちらを向いた。

 

その目には悲しみも無く後悔も無い。有るのは憎悪と殺意だけだった。

 

困惑した、何故だ!?仲間が沈んだんだぞ!何故その目をしていられるんだ!?そう思った。

 

不意にこう考えた。本来なら考えてはいけなかった。まさか他の奴も同じなのでは?とな。

 

考えてしまった。そして行動に移してしまった。

 

()()()()()()()()()

 

そこにはただただ無機質で昆虫のような機械ような目でこちらを見て視て観て見て見て見て見て見て見て······

 

そこから記憶が無く、何処か分からない場所に居た。

 

最後の記憶を思い出すだけで寒気がした。

 

だから基地には戻らなかった。

 

そこからイ級は旅をする事にした。

 

何もわからない。だが何をするか考える為に各所を見て回ろうと思った。

 

当然旅は楽なものでは無かった。深海棲艦が一隻で海を回る。

 

それがどんなに危険な事か言わなくても分かるだろう?

 

艦娘と遭遇する事もあった。

 

その度に身体は傷つき疲労も溜まっていった。

 

逃げる為に放つ弾薬も無くなり、燃料も切れ。

 

最後にはただ浮かんでいるだけであった

 

そのイ級は思ったよ。”あぁこのままだと沈むな”と。

 

その時前からやって来る者がいた。

 

見えたのは弓に矢を番え艦載機を放とうとしている瞬間であった。そこを最後にイ級は意識が無くなった。

 

 

 

 

次に目を覚ました時に居た場所は見知らぬドックだった。

 

隣に最後に見た彼女の姿もあった。

 

イ級は問い掛けた。

 

何故助けた?

 

そう言ったら彼女は微笑んで

 

”あなたが沈みそうでしたから”

 

敵なのにか?

 

"えぇ"

 

そう言った。

 

そこからはどちらも話さず無言だった。

 

その間イ級考えた。

 

何故彼女は私を助けたのだろう?

 

そう思った。

 

不意に彼女が喋った。

 

"実を言うとあなたを助けたのはある理由が有ります。"

 

"前からあなたの存在を見かける事が多く、その度にあなたは攻撃をしてきた。"

 

"そこまで大したことではありませんでした。他の深海棲艦も私達に攻撃をする。だから仲間を沈めないために深海棲艦を沈める。"

 

"だけどあなたは攻撃をしても私達には当てなかった。"

 

"ただそれだけですよ。"

 

イ級は困惑した。

 

攻撃を当てなかっただけで助けたことに。

 

だが何処か温かった。嬉しかった。

 

彼女は深海棲艦と艦娘との対立の壁何て物は無いって言っているように聞こえて。

 

私も貴女のようになれるのだろうか?と聞いた。

 

その言葉に微笑みながら

 

"あなたは私にはなれません。あなたはあなたですから。"

 

その言葉にそれもそうかと思った。

 

時間が経つのは早いと思った。

 

傷も治り弾薬、燃料と共に満タンになった。

 

別れの時が来た。

 

この恩は忘れない。貴女の優しさを私は決して忘れない。

 

そう言ったら彼女は困ったように微笑みながら私を見送った。

 

そして彼女に見送られながら私は旅を再開した。

 

この時も艦娘達に出会ったが攻撃はしなかった。

 

何故か砲弾が遅く感じて避けるのが容易かったから避けた。

 

この時で気づくべきだった。自分の身の変化を。

 

ある時駆逐艦と思われる少女が深海棲艦に襲われていた。

 

他の艦何処にいると思って探したが見当たらず、そんな事をしている間にも少女は沈まされそうだった。

 

考えすらしなかった。

 

身体が勝手に動いていた。

 

そしてイ級は深海棲艦達を沈めた。

 

深海棲艦を沈めたことに対して不思議と何も思わなかった。

 

だから気づいてしまった。

 

己を纏うオーラの色が変わっていることを。

 

今までは黄色だったオーラが黒く焔の様なオーラになっている事を。

 

だからなのか

 

だから私は恐れられていたのか。沈めた深海棲艦達に。あの少女にも。

 

この時点で分かっているだろう?これは私の過去。

 

その後は君も知っている通り、私はあの深海棲艦達を沈めた後から君たちに裏切り者と呼ばれるようになった。

 

だが呼べばいい。私は私の意志によって動く。彼の夢が私と同じだから。

 

その障害となるなら誰だろうが沈めよう。それが誰であろうと私自身であろうと。

 

これが私の意志だ。私の覚悟だ。

 

そろそろ時間のようだな。

 

君をそうした私が言うのは何だが、安らかに眠ってほしい。

 

君が次に目覚める時にはこの海には争いなど無いだろうから。

 

だからゆっくりとおやすみ。

 

 

 

その言葉を最後にわたしのいしきはなくなっていって、

でもどこかあたたかいきもちになってあんしんして、ねむ、れ、そう……

 

 

 

 

沈んでしまったか。

 

どうか安らかに眠れ。貴女がが目覚める時には平和な海になっているから。

 

その為なら私は誰であろうが沈めよう。私が沈めた彼女達の想いを無駄にさせないために

 

私の夢の為に。この海から争いを無くすために。

 

私は、戦おう。




もしかしたら少し直すかもしれない。

この駄文を見ていただきありがとうございます。
誤字脱字の報告お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。