IS IS学園って本来は女子校だから恋愛は基本的に百合なはずだよね?   作:セキエイ

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お久しぶりです。


第二十三話 開催!クラス代表戦&専用機所有者タッグ戦 専用機所有者タッグ戦 前

「さぁ、そろそろ私達の番だね」

「…その前に、対戦相手発表」

今まで居た第一アリーナから、タッグ戦を行う第三アリーナへとわたし達は向かう。

今回のタッグ戦は学年関係無しに行うもので、各国のIS関係者や要人がこれを観覧する。

それぞれの国家の人間が、それぞれの代表候補生の装備や本人の練度を確かめる意味合いがある。

また今回は日本国総理大臣の藤堂新一と、あの物議を醸したテロ復興大臣がこれを観覧しに来るという。

勿論これは非公式な情報だが、わたしはそれが真実だと前持って知っていた。

「それにしてもさ。学年が違う相手と戦うのに、ペアを組めるのは同学年のみってヒドイよね」

「…ええ。で、でも学年が違うとノウハウも機体の扱いの差も出るから妥当と、思う」

成る程、わたしの目線の少し上で感嘆が生まれた。

 

〜〜〜

 

第三アリーナの地下待機ホールはかなり人がごった返していた。

二人がなんとか人垣の最奥に到着した頃、丁度対戦相手が発表された。

このタッグマッチ戦は参観する国内外の政府要人やIS関係者へとデモンストレーションと言ってもいい。

だから通常の競技の流れである勝ち抜きトーナメント形式ではなく、全て一回戦までなのが特徴だった。

また昨年のような襲撃を恐れ、競技者が出来るだけフィールドに居る事を避けているという節も有るような気もする。

と、どういう理由であれ私たちはたった一回戦うだけで良いのであった。

さくらにとってはその後に行うシリアでの化学兵器奪取作戦へ余力を残せるし、百合香にとっては単純に精神的に楽に感じた。

 

そして人垣の合間から、発表されたわたし達の対戦相手の名前が見えた。

一瞬、いや三瞬の間言葉を失う。

 

「…緊張する?」

ルームメイトの心境を逆なでしないように口を開く。

「そりゃあね、深角さんはどう?」

…わたしは、うん、緊張するよ

なんとか彼女は虚勢で動揺をコーティング出来たらしい、ぎこちなくこちらを見て笑う。

しかし直ぐに、暗い視線を足元に落とした。

彼女にひとまず見切りを付けて、頭の中を戦いに切り替えよう。

 

(まず一番の目標は、いかにボロを見せずに綺麗に負けるか)

 

ミラージュ・ダンスの性能を以ってすれば、彼らであったとしても八割がた制圧する事は可能だ。

しかし自分が一年生である以上、ここで勝利するのは様々な点からみて得策とは言えない。

「多分、私達は負けるね」

隣の拳が震えていた。

「……ッ、ええ」

まただ、いかに負けるかを思案しているのを見たように言う。

いちいち驚くから辞めて欲しい。

少々疑心が過ぎるきらいが有るのでは、という自覚はあった。

 

〜〜〜

 

私達は初戦で戦う事になっていた。

できるだけ学年が若い順から組を決めて行くのは知っていたから、頭を飾ることには決心が付いていた。

「それにしても、このタッグマッチで初心者なのはやっぱり私だけなのね」

ピットへの廊下を歩きながら私は嘆く。

でも自分から望んだ道だ、後悔はしてない。

けれど苦境に際せば誰だって嘆きの一つは出るもの。

何たって相手は…

「…ねえ、南條さん」

思考に引きずられていた私は、驚いて上ずった声が出た。

恥ずかしいにも程がある、目線の下でハテナマークが浮かぶのもありありと分かって余計に。

「な、なぁに〜?」

誤魔化そうとして地雷を踏む。

なんだこのカメリアさんみたいな口調は、全く似合わない。

「あの・・・」

「………」

あーあ、やっちゃった。

不可解な沈黙が生まれて、非常に居づらい。

その折、深角さんはスカートのポケットに手を入れて何かを私に差し出した。

「…これを、持っていて欲しい」

手にしているのは一枚の金属プレート。

それは幾何学模様が薄く精緻に刻印されていて、両端の硝子パーツが瑪瑙色に光を透過している。

ISの管制データを蓄積する、所謂メモリープレートのそれだ。

「どう、するの?」

「…わたしに、協力して欲しい」

深角さんは言う、何と無く察する。

「…ログが欲しい、戦った相手の戦闘ログが欲しいの」

規定的には問題無いのだろうけど、あまり褒められたものでも無いのだと思う。

でも彼女自身が最も気が進まないのが伏せたその目を盗み見てよく分かった。

私は黙ってプレートを受け取った。

 

〜〜〜

 

簡素なブラジャーを取り去って、最後に下の方も脱ぐ。

何の躊躇いも無く全裸になったわたしに、ルームメイトは何故だか驚いていた。

以前浴場でも見せた事が有るから始めてでは無いのに、よくわからない。

「綺麗だね」

わたしの方をチラチラ見ながら、頬を赤く染めたルームメイト。

「…何が?」

「み、深角さんの身体よっ。引き締まっててカッコいいなって」

そうかな?

「…痩せてるし背も小さいし、魅力なんて無いよ」

 

ミラージュ・ダンス専用のISスーツに袖を通す、学園指定のものと違って頭と手足首以外の全身を覆う造りだ。

指摘品がスクール水着だとすると、こちらは競泳用の水着と言った所。

最後に関節保護のハードプロテクターを取り付けてわたしは立ち上がった。

「…先に行ってる、じゃあ…また」

「あの、待って」

不意にいややっぱり前からか、わたしは彼女と一緒に居るのが怖い。

今、自覚した。

自分が自分でもよく分からない、先の見えない方向へ変化していく気がしてならない。

それが怖い。

ただ、ひたすらに。

ごめん、とルームメイトの彼女に聞こえない声量で呟いて、わたしは更衣室を出た。

 

〜〜〜

 

IS ミラージュ・ダンス

国内の某大学研究室に研究用として充てがわれている、という建前の機体。

その実は日本の打鉄をベースに米軍と自衛隊、政府傘下のIS関連企業が開発した特殊任務用途の純軍事インフィニット・ストラトスである。

全身を濃紺に染めた鋭角的な装甲で固めさらに大型シールドを最大六枚展開が可能、何より当代最強のステルス機能が特徴だ。

光学迷彩、空間ホログラム投影機能、ジャミング、電波吸収塗装、それらが計算し尽くされたこの鋭角的な濃紺のシルエットに組み込まれている。

それは正にミラージュ

「…影も形も見当たらず、わたしは何処にも居ない」

誰にも見せない微笑を浮かべて、身に纏った 幻影 の装甲をなぞる。

 

「一年生!カタパルトに載って!」

身を取り囲む六枚のシールドの外から声がした。

喧騒に巻かれた先輩の声にわたしは機体を数センチ床から浮上させ、電磁射出カタパルトの固定ロック部分に足底を接続した。

そろそろだ。

「…全ステルスシールド、バッテリー問題ナシ。…シールド一番二番プライマリスラスターベーン可動異常ナシ、同三番から六番、各サブアームの可動異常ナシ。各種武装異常ナシ」

異常が有るとすれば、このすーすーする胸元だろう

実戦では無くあくまで競技としての闘い故に、今回わたしの身体には競技ISと同等のアーマーしか装着されていない。

つまり殆ど生身と言え、これがどうも頼りなく違和感を感じる。

けど、いずれにしてもやるしか無い。

「…上手く闘って上手く負ける、出来る、かな?」

 

、、、

 

一年生、準備はいい?

「はっ、はい!」

その意気やよし!

三年の整備科の先輩が打鉄の脚をポンポンと叩いた。

バトルに関して教科書で見たこと以外は右も左も分からない私に、この先輩は直前の最終調整をレクチャーしてくれた。

「武器は中距離射撃武器を中心に、アンロック・ユニットの他に実体盾を一対追加と、典型的な支援装備ね。手堅いわ」

長いポニーテールの先を手慰む。

「あ、有難うございます」

彼女はちょっと吊り目がちで高圧そうな第一印象だったが、話してみると全くそんな事は無かった。

むしろ、ガチガチに緊張しきった私を宥めさえしてくれた。

だから今は割に落ち着いている。

指示が入り、カタパルトに足底を装着させる。

「ペアは同学年でしか組めないせいで、人生初のバトルが専用機タッグマッチだなんて貴女も大変ね」

ふと、私は口を噤んでから返す。

「いえ、これは私から立候補したのでその…」

ふっ、と先輩は笑んだ。

「ならさ一年生、頑張れ!」

「はいっ!」

 

〜〜〜

 

こうして二人は現代の鎧を纏い、戦いに身を投じる。

対する相手は… 一体?




次回「第二十四話、専用機所有者タッグ戦 中」
御意見御感想お待ちしております。

それとガンダムビルドファイターズとアニメWIXOSSのクロス小説を執筆中でして、気が向いたら投稿しようかと思いっています。
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