規格外れの英雄に育てられた、常識外れの魔法剣士   作:kt60

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グリフォンベール騒乱編
ミーユの変化とこれからのこと ※マリナさんは平常運転


 戦いの日から一週間がすぎた。

 オレたちの暮らしは、変わったところと変わらないところの両方があった。

 まず変わらないところは――。

 

 マリナがエロい。

 

 朝からその豊満なバストで、描写できないことをしていたりする。

 

「なにしてんの……?」

「あなたが………元気にしてたから………。」

 

『元気』がなにを意味してるかと言えば、つまり股間の下ネタだ。

 そんな調子で、朝から三回ぐらいやる。

 

 昼もかなり誘われる。

 トイレでイチャつき屋上でイチャつき、女子更衣室のロッカーの中でイチャついたり、

 ヘタをすると人に見つかる図書館の本棚の隙間でイチャついたりした。

 

 誘うマリナはマリナだが、応じるオレもオレである。

 でも裾を(キュッ………。)と握られ、「したい………。」と見つめられたら、普通は断れないと思う。

 

 朝や昼からそんな状態であるため、夜になったら当然すごい。

 人に見つからないよう、(マリナ基準では)ガマンしていた分もしまくる。

 

 そしてミリリが、そんなマリナの影響を受けてる。

 リンと戦うために魔法や武芸の訓練をしていた時とまったく変わらない懸命さで、

『ご奉仕の術』をマリナから学んでる。

 

 細かいことは言えないが、口やおっぱいでの『ご奉仕』も勉強してる。

 マリナはマリナで、丁寧に教えている。

 そんなミリリは、自分の尻尾で練習していることもあった。

 

(はむっ……にゃあ、にゃあっ……)

 

 自分の尻尾を、胸に挟んでいたりする。

 顔立ちや体格は小さくて幼いミリリだが、スタイルはいい。

 胸は普通に巨乳だし、尻もしっかりと揉める。

 

 そんな中、変わってきたのはミーユであった。

 細かいことは言えないが、痛いのや荒っぽいのを悦ぶ。

 

「レイン……、んッ、好き……。好き……」

 

 荒っぽいのが終わると、オレの体に覆い被さりキスをしてくる。

 オレの唇を唇で挟み、舌には舌を絡みつける、深い愛情のこもった熱烈なキスである。

 オレを好きという声も、熱にうなされているかのように色っぽい。

 頭を撫でてやると、オレの肩を枕にして寝入る。

 

(くぅー……。くぅー……)

 

 穏やかなる寝息と安心し切った愛らしい寝顔は、つい先刻まで乱れまくっていた少女のそれとは思えないほど愛くるしい。

 甘い吐息が流れる横で、オレにくっついてきたマリナが言った。

 

「レイン。」

「なに?」

「ミーユには、やさしくしてあげて。」

「痛いのがいいって言われても、普通にしろっていうこと?」

 

 マリナは静かに首を振る。

 

「ミーユがどんなミーユでも、嫌わないであげて。」

「??」

「ミーユはたぶん、自分のことが嫌い。」

 

 マリナはしばし沈黙した。自分の考えをまとめながら続ける。

 

「自分が嫌いで仕方ないから、常に『罰』を求めてる。

 あなたとの行為を見てると、それを感じる。」

 

 マリナが言うと、行為でダウンしていたリンが補足した。

 

「確かに……ご主人さまは……。

 ご自身を、お嫌いになられているところがございます……」

 

 

「でも具体的に、どうしてやればいいんだ?」

「あなたは………ミーユをどう思う?」

 

 オレは寝ているミーユを見つめる。

 オレの腕にしがみつき、静かな寝息をもらすミーユを。

 つい先刻も思ったが、寝息はとても穏やかで、寝顔はとても愛らしい。

 

「普通に好き……かな」

 

 最初は心底ウザかったけど、反省をする心は持っている。

 素直になっている今では、かわいいと思うことも多い。

 そもそも好きじゃなかったら、こんなペースと勢いで抱かない。

 

「それなら………そのままでいい。」

 

 マリナは、オレの胸板にキスをすると言った。

 

「今のまま、ミーユを好きでいてあげて。」

「わかったよ、マリナ」

 

 オレはマリナの頭を撫でた。

 気になったことを尋ねる。

 

「マリナも、そういうことあったりするの……?

 行為を求めるって意味では、ミーユ以上だけど」

 

 マリナは、頬を染めて言った。

 

「わたしは………あなたとのえっちが、ちょっと大好きなだけ。」

 

 マリナの中では、朝からイチャつき学校のトイレでイチャつき屋上でイチャつき、女子更衣室のロッカーの中でイチャついた上に、ヘタをすると人に見つかる図書館の本棚の隙間でイチャつく行為も、『ちょっと』であるらしいかった。

 

 だが愛らしいので気にしないことにした。

 

 

 事件が起きるのは、これから二週間後のことである。


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