規格外れの英雄に育てられた、常識外れの魔法剣士   作:kt60

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第82話

 洋館の手前から、洋館を見上げる。

 そこそこの大きさをした、古い雰囲気の洋館。

 窓から明かりが漏れたりはしておらず、人の気配を感じさせない。

 ロリ化しているリリーナが、ドアをコンコン、ノックする。

 

「我々は旅の者だ! 雨宿りをさせてほしい!」

 

 返事はない。

 

「カネならあるぞ?!」

 

 リリーナは叫んだが、やはり返事は皆無であった。

 

「ふぅむ……」

 

 リリーナは、ドアノブに手をかけた。

 

「鍵はかかっていない……か」

「リリーナ?!」

「わたしは、監査官の資格も持っている」

「かんさかん?」

 

「このような屋敷は、盗賊やモンスターのねぐらになる可能性がある。

 よって貴族にしても金持ちにしても、守衛やメイド、あるいは執事を雇っていなければならない。

 仮に誰もいないようなら、違反建築として報告する義務がある」

 

「なるほど」

 

 意外とまともかつ真面目な資格を持っているリリーナであった。

 

「そして誰もいなければ、無断で宿として使える上に、違反建築を報告したということで一石二鳥のボーナスが……クフフフ」

 

 しかしながらまともな姿を、一瞬で台無しにするのもリリーナだ。

 ドアノブに、体重をかけて押す。

 ギイィ……。

 鈍い音がし、ドアが開いた。

 

「ホコリっぽいぜな……」

「どうやら、完全に無人のようだな」

「つまりタダで泊まれる上に、おカネももらえるってことだぜなっ?!」

「誰もいなければな」

「ぜなあぁ~~~~~~~~~~」

 

 リリーナがまんざらではなくうなずくと、カレンは元気に走りだした。

 

「ぜなあぁ!!」

 

 そして転んだ。

 バナナの皮でも踏んだかのようにすべり、宙で一回転してうつ伏せになった。

 お尻がちょこんとつきだされ、パンツが丸見えになっていた。

 お尻の割れ目に食い込むパンツが、そこはかとなくエロい。

 

「ぜなあぁ…………」

「痛そうだな」

 

 リリーナが、指パッチンでヒールをかけた。

 これでどこか痛めていても、傷は完全に完治だ。

 リリーナすごい。

 リンが槍の柄を使い、カレンがころんだあたりをなぞった。

 

「コケ……? 粘液……?

 よくわかりませんが、なにかぬるぬるとしたものがありますね……」

「掃除もろくにされていないってことか……」

 

 ミーユが、嫌そうな顔をした。

 

「まぁでも、豪雨の中で野宿するよりはいいんじゃないかな」

 

 オレはマリナのほうを見た。

 

(カタカタカタカタ。)

 

 マリナはやっぱり震えてた。

 

「……マリナ?」

(びくっ!!)

 

 声をかけると、驚きすくむ。

「へいき………。」

「まだなにも言ってないんだけど……」

「おばけ………こわくない。」

「おばけが怖いんだ……」

「?!?!?!」

 

 オレのマリナは、ほんのわずかに目を見開いた。

 元が無表情なのでわかりにくいが、『どうしてわかったの?!』の顔である。

 

「見ればわかるよ……」

「すごい………。」

 

 そしてまた、好感度があがった。

 

「確かにおばけは、ボクも苦手かな……」

「ミリリも、得意ではないです……にゃあ」

「しかしそれはそれとして、館のヌシがいないのは困るな」

「リリーナは平気なんだね」

 

「倒せばそれで済むからな」

 

 つよい。

 リリーナは、白く光る魔力の玉をだした。周辺を見やる。

 

「手ごろに泊まれる客間があるとすれば、二階であることが多いが……」

 

 階段とオレを、交互に見やる。

 

「行こう」

「うむ」

 

 這いつくばっているカレンを助け起こして、階段を登った。

 

(カタカタカタカタ。)

 

 震えるマリナがくっついてきてかわいい。

 

「この部屋は、鍵もかかっていないようだな」

「おたからがあれば、持って帰っても大丈夫ぜな?」

「希少な魔剣や魔石となると、国で保護するように言われるな」

「ぜなぁ……」 

 

 カレンは露骨に落ち込んだ。

 

「しかし多少の金貨であれば、くすねたところで文句は言われん」

「ぜなぁ……!」

 

 リリーナが淡々と言うと、カレンはうれしそうにした。

 頭の羽も、ぴこぴこゆれる。

 

 リリーナがドアをあけた。

 意外と綺麗な部屋がでてきた。

 ベッドやカーテンは古ぼけているものの、地面にホコリなどが積もっているようなこともない。

 こういうところにはつきものでありそうな、クモの巣などもなかった。

 

「悪くない部屋だな」

 

 リリーナは、ずかずかと入る。

 旅慣れているんだろうけど……。

 つよい。

 

「そろそろ落ち着いた? マリナ」

(こくっ!)

 

 マリナは強くうなずいた。しかし体は震えてた。

 そもそも『強くうなずく』というのが、ウソである証拠だ。

 マリナの場合、本当に平気なら普通にうなずく。

 オレはマリナにキスをした。

 

(………?!)

 

 驚くマリナを押し倒し、胸元のリボンをほどいた。

 おっぱいが弾けでる。すばらしいそれを握った。

 

「気持ちいいことをすれば、気もまぎれるんじゃないかと思って」

 

 と言いながら、オレはマリナの股間に手を伸ばす。

 

「えっち………。」

 

 オレのマリナは、頬を染めて顔をそらした。

 しかし股間のほうの準備は、しっかりとでき始める。

 痛くならないようにやさしくふれているだけなのだが、愛液でぬるぬるだ。

 行為を始める。

 

「あっ、あっ、あっ、あっ………!」

 

 マリナはいつも通りと言うべきか、巨乳をたぷたぷゆらして喘いだ。

 

「オマエらな……」

 

 ミーユがジト目でぼやいたが、ぼやきつつも頬は染めてた。

 オレとマリナから目をそらしつつ、もじもじとしていた。

 リリーナがつぶやく。

 

「しかしここは、屋内でもある……」

「…………」

 

 つぶやいたリリーナはもちろんのこと、ミーユも服を脱ぎ始めた。

 

「ミリリは普通に、ご主人さまが大好きですので……」

 

 ミリリも服を脱ぎ始める。

 

「……外の見張りをしておきます」

 

 真面目なリンが外にでた。

 カレンは金貨を探してる。

 

 行為が終わった。

 四人のことは普通に抱いたし、カレンにも口でしてもらった。

 かなり上手になってきている。

 

「けっこう、クセになる味だぜなぁ……♥」

 

 射精が終わったあとも、先っぽをぺろぺろ舐めたりとしてきた。

 オレは服を着なおした。

 リンを呼ぼうとドアをあける。

 が――。

 

「あれ……?」

 

 リンはどこにもいなかった。

 

「トイレぜな?」

「それはないな……」

 

 なぜなら槍が地面に落ちてる。

 トイレであれば、普通に持っていくはずだ。

 

「リン!」

「リンさまー!」

「リーーーーーーーーン!!!」

 

 オレたちは叫んだが、返事は帰ってこなかった。

 

「困ったな……」

「はにゃあ……」

「手分けして探すしかなさそうだな」

「分散するのは危ないけど、早く見つけないのも危ないしね……」

 

「戦力バランスも考慮すれば……。わたしとミリリ。

 少年とミーユで探索し、カレンとマリナはここで待機、がよさそうだな」

「そんな感じかな」

 

 六発ヤッて落ち着いたマリナだけど、また怖がっているし。

 異論は特にないようだった。

「それではこれを渡しておこう。魔力で光る蛍光石だ。時間が経つと、輝きも消える」

「光が消えたところで、ここに戻るっていう感じ?」

「そうなるな」

 


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