「うわ~、可愛い街!」
「ココア
僕の名前は保登テイ。
今年から中学二年になります。
そして、目の前でそわそわしながら街を見渡しているのが僕の姉、保登ココアです。
「ココア姉は今年から高校生なんだし、もっと落ち着きを持って行動してよ。まったく、これだからココア姉は心配で、目が離せられない」
ココア姉は今年からこの街の高校に通うことになった。
だが、家から通うのは無理なのでこの街のある人の家で下宿することにしたらしい。
そして、僕はそんなココア姉が心配だから一緒に来た。
通っていた中学も転校し、この街の中学校への転入手続も済ませ、今年からこの街で中学二年を迎える。
ココア姉はいつもフラフラしていなくなるから、僕が見張ってないといけない。
全く、しょうがない姉だよ。
僕は下を向き、溜息を吐きながら言う。
「とにかく、速く下宿先の香風さんちを見付けよう。急がないと日が暮れちゃう」
そう言い、前を歩くココア姉の方を見ながら呼び掛ける。
だが、そこにはココア姉はおらず、白い一匹の兎がいた。
「……………あれ?」
ココア姉がいなくなった!?
あの僅かな間に何処に行ったんだ!?
辺りをきょろきょろしながらココア姉の姿を探す。
だが、見当たらない。
どこに行ったんだ、ココア姉!?
僕は街を走り、ココア姉を探し始める。
「私、春からこの街の学校に弟と一緒に通うことになったの」
ココアはテイの事を忘れ、目の前に現れた兎を追い掛けてるうちに、ラビットハウスと言う喫茶店に着いた。
兎が沢山いる喫茶店だと思ったら、実際は兎はおらず、ショックを受けた。
その後、コーヒーを三杯頼み、店のマスコットであるアンゴラウサギのティッピーを撫でていると、当初の目的を思い出し、店員である少女に尋ねた。
「でも、下宿先探してたら迷子になっちゃって。道を聞くついでに休憩しようと思って。香風さんちって知ってる?この辺りのはずなんだけど」
「あ、香風はうちです」
「凄い!これは偶然を通り越して運命だよ!」
ココアは少女の手を取り喜びを表現する。
「私はここのマスターの孫のチノです」
「私はココアだよ!保登ココア!そしてこっちが私のカワイイ弟の保登テイ!」
そう言ってココアは自分の後ろを振り向く。
だが、そこにテイはいなかった。
「…………あれ?」
そして、ココアは重大なことに気付いた。
「テイとはぐれちゃった!?」
(なんて騒がしい人………)
チノがココアに抱いた最初の感情はそれだった。