「じゃあ、これに着替えてください」
チノに制服を渡され、更衣室に入る。
更衣室と言っても、今後僕が寝泊まりする部屋なんだけど………
僕の制服はバーテンダーの様な制服だった。
ちょっと袖が長いけど、折ればいいか。
袖を少し折って、鏡で姿を確認し、部屋を出る。
一階に降りると、ココア姉とチノ以外に、ツインテールの女性がいた。
「テイ!この制服どうかな?似合う?」
ココア姉は目の前で一回転して僕に制服を見せて来る。
「うん。似合ってるよ、ココア姉」
「わーい!ありがと!」
そう言って僕を抱きしめる。
もう中学二年にもなるんだし、そろそろ止めてほしいんだけど…………
「えっと、ココア。そいつは誰なんだ?」
すると、ツインテールの人は僕を見るなり、そう言って来た。
「初めまして、ココア姉の弟の保登テイと言います。今日からココア姉と一緒にここでお世話になるのでそのお手伝いを。よろしくお願いします」
ココア姉を離して、頭を下げる。
「ココアの弟か。私は天々座理世だ。苗字は呼びにくいし、リゼでいいぞ。よろしくな」
そう言ってリゼさんは僕の頭を撫でて来た。
「あの……これは……」
「あ、ああ!すまない。嫌だったか?」
リゼさんは慌てて、腕を引っ込め、謝ってくる。
「いえ、大丈夫です。ちょっと驚いただけなんで」
「そうか。私は一人っ子だから、姉弟ってのに憧れているんだ。もし、弟がいたらこんなのかなって」
そう言うリゼさんは何処か寂しそうだった。
少し悩んだが、僕はリゼさんを見上げ言う。
「……リゼお姉ちゃん?」
するとリゼさんは雷にでも撃たれたような表情になり、チノは目を見開いていた。
「す、すみません!リゼさんがなんか寂しそうに見えて!」
あたふたしながら言い訳をしてると、リゼさんは一瞬ポカーンとし、急に笑い出した。
「ありがとな。気を遣ってくれて」
そう言ってまた僕の頭を撫でる。
なんだろう、リゼさんの撫で方は凄く安心する。
目を細め、気持ちよさそうにしてると―――――――
「テイのお姉ちゃんは私だよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ココア姉が涙目で僕を抱きしめて来る。
「リゼちゃんに、テイは渡さないからね!」
ココア姉を剥がして、顔を見る。
「ココア姉、大丈夫だよ。僕のお姉ちゃんはココア姉だけだし、勝手にどっか行ったりしないから」
「本当?」
「本当だよ」
慰めるように頭を撫でるとココア姉は嬉しそうに笑い、僕に頬擦りするように抱き付く。
「テイ~♪」
「よしよし」
「あの………いい加減仕事してください、特にテイさん」
え?なんで僕だけ名指し?
てか、なんで不機嫌なの?