雨にも種を。(リライト版)   作:re=tdwa

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ガーデンの進行方向に、人口建造物が見えてきたと連絡がきた。

フィッシャーマンズ・ホライズンだろう、特定したのはゼル。

方角やら速度からを計算すると、ほぼ間違いないと言っていた。

 

あそこはエスタの技術者たちが独立して出来た町だ。

きっと修復素材もあるだろうとニーダが息を荒くして言っていた。

若干きもいなって思ったのは、ここだけの話である。

 

近接するのは明日の昼ごろ。

修理によって止まれるようになったガーデンを直前で停止する。

そして、学園長をスコールが護衛して交渉を行う手筈である。

 

最初は、スコールを交渉にいかせると学園長が言い出した。

勿論、そんな責任逃れが認められるわけもない。絶対にない。

命令ですなどと言い出す前に、シュウと二人で力尽くの説得をした。

 

そんなこんなで交渉事である。

引き渡すことが出来る物資と必要な物資を考え出す必要がある。

正直、こういうのは苦手だけども、担当なのでしょうがない。

 

……なんで苦手なのに担当してるんだろうか。

そんな素朴な疑問は、学園長と一緒に海の藻屑と変わればいい。

というか変えよう。あのおっさんを鮫かなにかの餌にしよう。

 

少なくとも必要なのは食料の補充とガーデンの修復素材だ。

見積もりだけだけだと案外高いものでもないけれども。

加工費やら何やらで、残念ながら足を見られてしまう可能性もある。

 

もし、無茶なことを言われてしまったら。

そのときは、Seedが戦闘集団というあたりを強調せざるを得ない。

恐喝じゃないよ。本当だよ。そうスコールには言っておいた。

 

「とはいえそんなに都合のいいものはないんだよな」

 

傭兵なだけあってガーデンは結構金を持っている。

しかし今後を考えると、そんなに湯水の如くだすわけにはいかない。

何せ、当分の間は依頼というまともな収入がないわけである。

 

正当な値段できてくれると面倒くさくなくていいなあ。

そんな些細な願いぐらいは、許してもらいたいと思うぐらいには。

俺は流石に疲れていたのであった。大体悪い大人のせいで。

 

 

 

 

 

無事にF・Hにぶつかることなくガーデンは停止した。

交渉の護衛として、スコールはセルフィとアーヴァインを指名。

俺を含めた、後のメンバーは学内に待機することになった。

 

一応警戒態勢を整えるように、とシュウに依頼だけをして。

俺は交渉後の、物資の搬入の手配だけを先にしておくことにした。

交渉の結果はともかく、物資の搬入は必要事項だからだ。

 

どんなに対価が高くなろうと、物資がないと何も出来ない。

ここからまともな移動も出来ないので、選択肢がそもそもないのだ。

後から慌てるよりはと、先に人員の手配をしておいた。

 

数時間たって、みんなは無事に戻ってきた。

学園長も無事である。いや、特に思うことはないんだけども。

何かあったらそれは問題だし、無事に戻ってきて何よりである。

 

交渉は問題なくいったらしい。食料は正当な値段での販売。

ガーデンの修復に至っては、人員の貸し出しまでやった挙句。

人件費抜きで、材料費だけでもいいらしい。正気だろうか。

 

「平和主義らしいですよ」と日和見主義のおっさんが言う。

暴力を振るう者にはさっさと出て行ってほしいそうです、と。

そういった学園長は異様に都合のいい契約書を見せてきた。

 

この人何したの?とスコールを見る。

すると、別に特にはなにもしていないとばかりに首を振った。

嘘でしょう。こんなの武力恐喝でもなければ無理でしょう。

 

「武力を持った集団と関り合いを持ちたくないらしい」

 

そういうスコールも、何と言うか微妙な表情をしていた。

スコールがおかしくなかったというなら、そうなんだろうけど。

原作でもこんな都合のいい契約だったのかなと想いを馳せる。

 

「とにかく、後は任せましたよ」

「搬入と修復のための派遣引き受けを頼む」

「了解」

 

搬入の指示をキスティスとゼルに。

修復の受け入れをセルフィとアーヴァイン、修復をニーダに任せて。

俺は物資計画やらの事務書類をサクサクと済ませて行く。

 

現状、俺以上の立場がスコールと学園長しかいない。

その為必然的に、書類検閲の実際のトップは俺ということになる。

なんて怖い状況だと慄きながら各部署と打ち合わせをしていく。

 

俺の統括になっている部署は事務・図書室・食堂・医務室。

修理班と補給班は事務の下の組織になっていて、俺の直下だ。

俺は実質、マスターの後釜をついた位置合いになっている。

 

残ってくれた事務方の皆さんには、本当にお世話になっている。

皆さんには以前の仕事を、優先度の高い順に実行をお願いした。

それでも毎日忙しいようなので、今後人員を増やす必要があるだろう。

 

バラムに避難しているはずの人たちが戻ってきてくれる。

そんな甘い幻想は叶えば良いねというレベル。現実は無理だろう。

今は、どうあがいても現状維持が精いっぱいだった。

 

図書室には当分新刊の補充は我慢してもらうことになった。

ガーデンが動けるようになって、バラムに行けるようになったら。

業者に連絡していままでの分ごと割高で買い取ろうと思う。

 

食堂が一番気を使う。

もしもを思うと身体が震えるが、食堂のおばちゃんたちはプロである。

当分の食堂計画書を即座に持ってきて、直ぐに対応してくれた。

 

医務室には元々ある程度の在庫があった。

若干包帯が少なくなっていたので、今後を考えてかなりの量を買った。

使わないならそれに越したことはない。カドワキ先生も同意見だった。

 

そして、ガーデン修復後の話である。

細かく考えるのであれば、トラビアガーデンの無事を確認すること。

バラムに避難したはずの生徒たちを回収することなど、色々ある。

 

しかしそれよりも大事なのは、今後の魔女への対応であった。

 

F・Hに着いてから3日目、ガルバディア軍が来たそうだ。

駅長に対してエルオーネの身柄を要求、さもなくば街を焼き尽くす。

機動兵器を引き連れて、そういう脅しを掛けてきたということだ。

 

これは、F・Hに行っていたSeedによって難なく撃退されたが。

恐らく、他の街でも同様の要求をしているだろうと学園長が言う。

珍しく仕事をした学園長に、俺とシュウは若干ではなく驚いた。

 

バラム・ガーデンを守る為にも。

魔女の討伐をする必要があるだろうと、意見は直ぐに統一された。

その方針の上で今後を考えれば、戦力が足りない問題がある。

 

何より、ミサイル発射の誤情報でガーデンを降りた生徒が痛い。

いや、確実に俺のせいなんだけど。それにしても痛い。

結構な割合の生徒が避難をしていたようで、正直大ダメージである。

 

それとは別に、バラム・ガーデン側の戦闘能力を持った集団。

そんなものは、現状、やはりトラビア・ガーデンしかありえない。

ただ、そちらも安否をまだ確認できていないのが問題である。

 

トラビア・ガーデンの安否確認を行い、人員を借りること。

そしてバラムに行って生徒を回収することが復興後の最初の目標だろう。

トラビア・ガーデンにおいては重火器を借りることも考慮したい。

 

ガーデン全体の任務として魔女討伐を発令。

総指揮はスコール・レオンハート。改めて、委員長を拝命である。

そもそも、指揮を取れる人材がそう多くもないので必然だった。

 

名目3択の実質1択で、学園長かシュウかスコール。

 

学園長は指揮能力がないのでお飾りとしての意味しかない。

シュウは生徒全体の統括をしているため、これ以上の担当は難しい。

思わずスコールを見てしまったことは俺の責任ではないはずだ。

 

別に一人で仕事をするわけではないだろう。

そう言ってスコールがあっさり引き受けてくれたので、直ぐ決まった。

俺は、今までと同じくスコールの補佐をやっていくだけである。

 

確かに防衛の責任はシュウが、補給と事務は俺がやるのだ。

正直体制としては今までと何も変わらないよね。

そう、シュウがこぼしたのに俺は目を逸らすことしか出来なかった。

 

そして、学園長がガーデン全体に校内放送をする。

 

これからの任務は魔女討伐であること。

委員長はスコール、補給班は俺、生徒の統制はシュウが行うこと。

ガーデンの運営自体は今まで通り職員と一部のSeedが行うこと。

 

これからがseedの本当の戦いです、という言葉で放送は締めくくられた。

 

 

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