雨にも種を。(リライト版)   作:re=tdwa

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司令官による撤退命令の発令が行われたのちに。

命令どおりに、それぞれの班で伝令と撤退が行われた。

暴走した敵機動兵器に追われながら、ではあるが。

 

上陸地点と街の入り口付近の担当であったA班は最初に撤退完了。

その後班長ニーダによるC班への伝令が実行された。その彼は無事合格。

判断の冷静さと総合的な能力、粗のない任務態度を評価された。

 

その他構成員二人。因みに雷神と風神である。

緊張感を失いガルバディア軍の奇襲を受け、戦場にて戦闘不能。

合格基準を満たしていないと判断され不合格となった。

 

ニーダの伝令を受けた市街地中央部担当のC班。

撤退時に敵機動兵器との戦闘を回避するために民家に逃走。

その民家は戦闘被害を受け、半壊している。

 

最重要とされる撤退行動中に民間人に被害を出したこと。

戦力的に撃破が容易であったのに、逃走するなどの行動に疑問。

seedの行動基準を大幅に外れた行動に、班全員が不合格とされた。

 

D班マイア・カステルはガルバディア軍と交戦中のseed本隊に伝令。

本隊の指示に従い撤退を行うが、機動兵器に開いていたバーに避難。、

撤退直前までそこに居たのをC班と同様に評価され、不合格となった。

 

そしてB班とD班である。

 

電波塔において敵行動の妨害をしていたB班に。

俺は山間部に入る直前で通信に成功した。

ギリギリ、距離がそこで足りていたらしいのは幸運だった。

 

「スコール!」

「シオンか」

「聞こえているんだな?!」

「大丈夫だ」

 

年齢と違って落ち着いた声が、俺の心をほっとさせる。

実際の年齢では、間違いなく俺の方が年上なのだけども。

そういうのではなく、彼の声は、人を安心させる力がある。

 

「良かった。

 伝令だ。ガルバディア軍との交戦を中止し撤退行動に移れ。

 司令官が撤退命令を出した。1900に撤退を行う。

 繰り返す、1900までに撤退せよ」

「了解した。1900までに撤退する」

「撤退に援護は必要か?」

 

勿論、俺は状況を知っていて聞いている。

 

「現在敵機動兵器に襲われている。

 援護を頼めるならお願いしたい」

「了解。

 D班よりセルフィ・ティルミットを派遣する」

「助かる」

 

これは、原作通りの話にもっていくために。

セルフィには、スコールとゼルと仲良くしてもらわないと。

 

「通信を切るが構わないか?」

「ああ」

「そうか。無事を祈る」

「感謝する」

 

走りながら、通信をしていた俺の肩が軽く叩かれる。

隣を走るセルフィが指示を、と強い視線で訴えてきた。

 

「B班に撤退命令を伝達した。

 B班は現在電波塔で敵機動兵器と交戦中。

 撤退を行うが、援護が欲しいとのことだ。

 お願いできるか?」

「了解。

 場所はこの先に向かえばいいんだよね?」

 

記憶の中ではここから先は一本道。

それに、電波塔はここからも見えていた。

 

「ああ。ここからは一本道だ。

 交戦中というし、迷うこともすれ違うこともないだろう」

「判った。いってくるよ

 班長は?」

「このまま撤退する。

 スコールたちを頼む」

「任せて」

 

橋を渡って電波塔へ。

速度を上げて向かうセルフィを見送ると、俺は反転。

市街地を通りぬけて、上陸地点へと走った。

 

市街地の掃討は完了しているし、撤退も始まっている。

なので、これ以上襲われる可能性も低いだろう。

一人でも大丈夫だと思える程に静かな市街地をただ駆け抜けた。

 

 

 

 

 

かくして、俺は撤退完了。

B班は機動兵器に苦戦していたが、セルフィの援護を受けて撤退に成功。

サイファー、ゼル、スコール、セルフィの4人は無事に撤退完了した。

 

彼らが引き連れてきた機動兵器は半壊になりながらも追跡。、

その後浜に来た所で、高速艇に搭載されていた重火器によって殲滅。

ギリギリになってマイアも無事に、撤退完了した。

 

セルフィと俺は無事に合格。

市街地の掃討戦及び、その後の伝令が非常に高い評価を受け合格。

特にセルフィは今回で一番高い評価を受けていた。

 

そしてB班である。

掃討戦は無駄のない戦闘が行われ、それは最高の評価を受けた。

問題となったのは司令官の命令を無視して電波塔に襲撃を行ったこと。

 

その襲撃によってガルバディア政府との交渉が加速。

任務終了へ貢献したという一面もあり、結果的には良好である。

その上で考慮されたのが俺による通信である。

 

事後とはいえ、司令官の判断を確認したD班の仲介。

これを、どう判断するかによって評価が変わるという展開になった。。

俺の通信したのが班長サイファーの判断かそうでなかったか、である。

 

俺は当然通信が偶然ではないこと。

サイファーの指示によりスコールが受信体勢に入っていたことを主張した。

これは勿論、真っ赤な嘘ではあるのだけれど、ばれようがない。

 

何故ならば、俺の意図をスコールは受け入れるだろうし。

サイファー自身が否定しても、サイファーの言うことに信憑性は薄い。

ガーデン上層部も反抗期だと受け止めて、俺の主張を真実だと扱った。

 

それによってB班の問題はただ一点に集中される。

「司令官の判断より先に行動したこと」だけが、問題視された。

 

これに関しては、現場指揮官であるサイファーの判断が優先。

それはそこまで問題ではなく、seed試験の合否を決めるライン上。

ギリギリではあるが、十分に合格の領域にあった。

 

よってB班は3名とも合格。

班長サイファー・アルマシーの問題行動も不問とされた。

代わりに3か月分戦闘行動や戦闘指揮などの講義を受けなおしが決定。

その間はseedではなく学生として扱われることになった。

 

 

 

 

 

その夜。

seed認定パーティーが大広間で行われることになった。

 

認定パーティといえども、実際にはそんなに大したものではない。

最初に短い認定式が行われたら、後は挨拶回りと社交ダンスをする程度。

主賓であることには間違いがないが、特別な何かがあるわけではない。

 

特に俺みたいに地味な学生で有ったりすると、

俺と同じようにちょっとした御馳走と友達の祝福で終わるわけで。

 

挨拶回りは始まった直後に回ってきた。

社交ダンスに誘うようなそんな関係の知り合いはいない。

そうなるとそれこそ食べることしかやることはなくなってしまう。

 

スコールは余りパーティーに興味なさそうに壁で背を向け。

ワインを片手にしかめっ面をしていた。どうやら苦いらしい。

一緒に居ようと誘ったが「人ごみは苦手だ」と言われたので諦めた。

 

それに彼にはここで出会うはずの人がいる。

その時だけ俺が離れているというのも至難の業であるかもしれない。

スコールが楽しめていないのは、ちょっと残念な気がするけれども。

 

曲が変わった。

eyes on meの三拍子アレンジが流れ始めた。

ダンスホールに目をやると、そこには一組のカップルが目立ちまくっていた。

 

まあ上手くいったのならいいや、と親友の晴れ舞台から目を逸らす。

そういえば、この曲だから彼女はスコールを誘ったのかな?

そんなことを、ローストビーフをとりわけながら俺は思った。

 

お母さんの歌だしね。

もしかしたら異性の好みもお母さんに似てるのかな。

これから色々あるけど、2人には幸せになってほしいな。

 

俺はこれからの、長い長い戦いのことを思い、夜空に目をやる。

 

「あ、流れ星」

 

 

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