この素晴らしい日常に祝福を! 作:変な天道虫
相当久しぶりの投稿になります。
それでは、本編どうぞ
この学校での私の目標、それは上級魔法を覚えること。
マジカルソードマスターは、上級魔法を覚えないとはっきり言ってゴミ。
かといって剣術スキルを覚えなくても結局ゴミ。
もうおわかりだろうか。
スキルを覚えるためにはスキルポイントがいる。
つまり、魔法剣士系の職業は異常にスキルポイントとられるってこと。
そう、私はこの学校でスキルさえ覚えられたらそれでいい。
だから、私はこの行事が一番嫌いだ。
「テストDAZE★」
「くーたんくーたん、キャラ変わってる! しかもなんか星黒いよ!!」
「まあ、くーたん頭悪いですもんね」
「ねえめぐみん、今のは私に馬鹿って言ったの?」
そりゃね? 入学テスト主席のめぐみんや成績二位のゆんゆんから見れば? 私は馬鹿かもだけど?
「それでも私十位だしっ、頑張ったら五位くらいはいけるかもでしょ!」
「このクラスは十一人……フッ」
「は…ははは……が、頑張って」
もう二人なんか知らないっ!
「あるえ~」
「それで私に泣きついてきたと」
「もう頼れるのはあるえだけなの、勉強教えて」
彼女はあるえ、めぐみん、ゆんゆんに続き成績三位の天才ちゃん。
将来は作家になりたいんだとか。
「まず、くーたんはどれくらい勉強ができないんだい? じゃあまずこの数式はどうだい?」
そう言ってあるえはさらさらとノートにこんな式を――
【(3X-4Y)(3X+4Y)】
「…………」
「うん、重症だね。この範囲今日やったばっかだよ? しかも先生が全く同じ問題を例題にしてたよ?」
「数学はちょっと……」
あくまで数学は、だよ。
「じゃあ機動要塞デストロイヤーを作った国は?」
「…………」
「……はぁ。ここまでならもうテストは諦めた方がいいんじゃないかい? くーたんは実技で成績とれてるんだろう?」
もういいもんっ! 一人で勉強するから!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「お母さん、お父さん、今から勉強するから部屋に入らないでね!」
「くーたん、熱でもあるの?」
「あまり無理するなよ?」
私ってそんなに勉強できない子だと思われてる?
魔法学はそれなりに得意なつもりなんだけど?
頑張って勉強してめぐみんたちを見返してやるんだから!
「『デストロイヤーは魔法大国ノトスの科学者が作った』うーん、ノトス、ノトスねえ」
ノトスってどんな国だっけ、魔法は異常に発達してたらしいけど……。
「だー! もう分かんない! 一夜漬ってこんなに難しいの!?」
もうテストは諦めよう。
こんな無駄なものなくなってしまえばいいのに。
格好いいセリフでも考えていた方が千倍もましだわ。
今日は将来の為に決め台詞を考えて、終わったら寝ましょう。
――結果 数学10点 社会3点 魔法学72点 国語満点
「どうよめぐみん! 国語満点よ、満点!!」
「ぐぬぬ、くーたんのくせに……」
「やっぱり私にも才能があったみたいね!」
「この学校の国語、おかしい気がするんだけど……」
「何言ってるのゆんゆん! 格好いいセリフは紅魔族に必須なはずよ!!」
私が国語で満点をとれた理由は、昨日の猛勉強……じゃなくて、寝る前のセリフ探しにあった。
ここの国語のテストは、いかに“格好いいセリフ”を書きだせるか。
たまたま昨日そう言うことを考えまくっていた私は、何なくめぐみんやゆんゆんに勝つことができたのだ。……もっとも、総合点では遠く及ばないけどね。
「おーい、そろそろ席に就けー。授業始めるぞ」
ぷっちん先生が入ってきて、今日もまた始業のベルが鳴る。
そして私は今日も願うのだ。
この素晴らしい日常に祝福を!
いかがでしたか?
次の投稿もいつになるか分かりませんが、どうぞよろしくお願いします。