レオ様に追剥ぎの件を報告した結果、私と七海ちゃん、ジョーちゃん、ベルちゃんに加えてお目付け役としてビオレさんが同行することになった。
最初はレオ様とその弟、ガウル君も来ると言ったのだけど、さすがに領主様が行くのはいけないということで私たちに配役が回ってきたということだ。それにしても領主がわざわざ行こうとするとは、でも自ら動く領主だからガレットは良い国なのかもしれない。
それはいいとして私は今、さっき言ったメンバーでアヤセに来ています。
レオ様のお城の近くや、ビスコッティと違って、日本っぽいというか、江戸時代っぽい。東洋から来た文化らしいのだけど、フロニャルドって少し地球と似てる気がする。
とこれも必要だけどそれより今、気にしなければいけないのは別だ。
「レオ様、空気読み過ぎでしょ」
レオ様は和風建築建ち並ぶアヤセにぴったりの着物を用意してくれていた。ビオレさん含めた5人全員の分を。しかも全員似合っている。
青をベースとした七海ちゃん、エメラルド色に桜のような模様があるベルちゃん、黄色とオレンジに何かの花の模様があるジョーちゃん、紫色に白い蝶が書いてあるビオレさん、そして赤をベースにした私。
写メ、撮りたいです。
「というわけで調査開始~」
可愛い着物を着れてテンションが上がった七海ちゃんはベルちゃん、ジョーちゃんと一緒に走って行った。
「美保さんは行かなくていいんですか?」
「あ、行きますよ。ただ、七海ちゃん、はりきってるなって」
かなり偏見が入るかもしれないけど、16歳にもなれば、仕事を自ら請け負ったりしないはずだ。みんな、人に押し付けたりするだろう。少なくとも私の周りはそうだった。
「……ビオレさん、それじゃあ行ってきます」
「はい」
この事件を通してもう少し七海ちゃんのことが知れたらいいのだけど……。
さて太陽は沈みかけており空はオレンジ色だ。私は疲れたので七海ちゃんより一足早く宿に帰ってきた。正直なところ、私は聞き込みなんて得意ではないのもあるのだが、本当に疲れているのであくまでそっちはついでだ、誰がなんと言おうとも。
「それで、美保さんはどれくらい情報を?」
「えっと、追剥ぎに会うとき、その着物綺麗ねぇ、うちに頂戴と言われることと、犯人が小さい女の子らしいです」
どこか噂が1人歩きしたような気がしないでもないけど、まだ全然分からない。
「それだけではまだ犯人は特定できませんね」
「そうなんですよね。ですので、私助っ人を呼びました。ドルチェさん、どうぞ」
そう言うとともに、私の胸の辺りから光が出てきてドルチェさんになった。
「なるほど、それで私は呼ばれたのか」
「そう、こういうことは先人に訊くのが一番」
「ふむ、話からして追剥ぎうさぎの線が一番濃いな」
追剥ぎうさぎ、これは名前だけで今回の犯人に確定したくなるな。
「追剥ぎうさぎ、か。ビオレさん知ってます?」
「いえ、ですが、今回の犯人は女の子と……」
「あいつらは化けることができるからな」
きつねでもたぬきでもなくうさぎが化けるとは、フロニャルドは不思議だ。
「いよいよもって決まりだね」
「そうですね。ですけど、どうやって追剥ぎうさぎを見つけましょう?」
正体が分かったところで次は対処法、追剥ぎうさぎは化けることが可能だし、きっと速い。かなり難易度は高そうだ。
「ただいま~」
そう思った矢先、七海ちゃんたちが帰ってきた。
「あ、みんな、お帰り。どうだった、聞き込み?」
「バッチリです!」
「おぉ、頼もしい」
みんなが帰ってきたので私たちの持つ情報と合わせてみる。けど、私の聞いた情報と同じ部分が多くて、新しい情報は子供が怖くて出歩けないと言っていたことともう一つ七海ちゃんは怪しい人物が見たということだった。
「う~ん、ここで新しい可能性が出てきましたね」
「そうですね。七海さん、その人物の特徴など覚えてますか?」
「えっと、着物を着ていました。それと髪はこれくらいで刀を持ってました」
着物、刀、だとすると東洋に住んでいたのか、ここらへんに住んでいる人物ではないっぽい。
「ふむ、しかしそれでは小さい女の子と証言が合わない。しかし、刀持ちとなれば少し気にもなるな」
「だね。でもどちらにしても犯人を捕まえる方法が思いつかない分にはどうにもできないよ?」
「あ! それについては私に良い案があるんです!」
七海ちゃんはピンと手を挙げてそう言った。
少しスランプな気がしないでもない、maguro328です。
美保はあくまでも一般人であって勇者でも魔神でもありません。