爆走暴走激走疾走!!俺の名前はヴォルボロス!! 作:メガネ愛好者
拝啓・御父様、御母様
自分…モンスターになりました
そりゃあもう唐突だったよ
朝かと思って目を覚ましたら…目の前は溶岩の海でした
( °Д°)…ナンダコレワ
少しの間呆然としてたね、始めて見る溶岩はそれはもう赤かったよ。後黒かった
そんな俺にも変化があったりするのに気づいたのはそれから少ししてからだ
とりあえず夢だと思い込み辺りを見渡そうとしたら…なんか体に違和感を感じるんだわ
それも仕方ないね、だって明らかに人じゃないんですもん
体を見れば茶色?オレンジ?まぁそんな感じの岩っぽい様な皮っぽい様な皮膚に困惑
立ち上がろうとしてみると…体は慣れた感じに立ち上がるのに違和感を感じてしょうがない
なんか常時前傾姿勢何ですけど?
背中に手が回らないんですけど?
そして何故か尻尾があるんですけど?
何とか移動した俺は水辺を発見、自分の姿が映るかな~なんて思って覗いてみると
それはもう…ボルボロスでした。モンハンの
何故にボルボロス?確かにお世話になった大先生で、俺が好きなモンスターTOP3にランクインするけどさ
因みに一位はザボアザギル、二位にボルボロスで三位がジンオウガだね
見事に飛竜種と古龍種がランク外だけど気にしたら負けだ
そんなわけでボルボロスになったわけだけど…何故に火山なんや
砂原とか凍土にいるもんなんじゃないの?ボルボロスって。泥や雪なんて火山に無いでしょ?それなのになんでここにいるし
はぁ…とりあえず腹減ったな…
ボルボロスの主食って何だっけ?………あれ?虫じゃね?嘘?俺虫食うの?ブナハブラ食うん?無理無理ありえなーい♪
………とりあえずキノコ食っとくか。後肉って食えるのかな?
現在全力疾走中だぜ☆
それは何故かって?簡単な話だよ
『グオオオオオオオオオオオッ!!!』
何か後ろから深緑色の『オレ、ハラヘッタ。オマエ、クウ』みたいな感じのニュアンスを言動で伝えてくるお仲間さんが追いかけてくるんだよ
はい、どう見てもイビルジョーです。お疲れっす乱入先輩!!
獣竜種では最上位に位置する程にお強い方、シンプルながら大胆な攻撃手段の数々は下手な攻撃よりも強力でしたね
何よりあんさんの唾液、防御下げるから嫌いです
言ってるそばから唾液をまき散らして俺を追ってくるのはなんでなんだろうね?ほら其処に美味しそうなアプトノスがいるぞい?そっちの方が俺みたいな固そうな奴より美味しそうですぜ旦那?
…え?噛み応えのある奴が食べたい気分だって?さいですか…
まぁ俺も食われたくないからボルボロス自慢の脚力を使って逃げているおかげで追いつかれる心配はなさそうで安心だ
流石だぜボルたん!逃げ足だけは獣竜種一ってか?シンプルな体つきだから小回りも効くんだよなこれ
そう考えながら火山の中で追いかけっこしていると…
なんかハイジャンプで跳びかかってきた
流石にそのボディープレスは勘弁だわ。押し倒されて食べられちゃうってか?何それエロイ
…え?物理的にだからそうでもないって?まさかのリョナですか
とりあえずそれを確認した俺は危なげなくひらりと避けるのだった
だがそこで悲劇が発生!!
地盤が崩れ始めた
おいいいいいい!?何やってるんですかジョーさんんんんんん!?
アンタ図体デカいんだから自重してよ!?辺り一面に亀裂が入って溶岩噴き出し始めてんじゃないかよ!?
まさに地割れ、一撃必殺の名は伊達じゃないね!!…あれ?それは違うモンスターの技だっけか?
そう考えてる間もその亀裂から逃げるようにして走る俺、ジョーさんは自分で作った亀裂の間に吸い込まれるようにして溶岩に沈んでいった
アイルビーバック…!安らかに眠っていてくれジョーさん!!俺は生き残るよ!!
だがしかし、現実は非情である
足を踏み外した。それはもう盛大に
くそぅ…誰だこんなところにフルフルの皮を置いた奴!!絶対これハンター辺りが手持ちに持ちきれなくて仕方なく捨てていった素材だろ!?ポイ捨てはダメだぞこらあ!!
そして俺も溶岩にアイルビーバックするのだった…ジョーさん今からそっちに行くね…?
………なんか追いかけ回される未来しか見えない
こうしてボルボロスになってから数時間で俺の人生…竜生?獣生?まぁいいや、とりあえず終わります
追記としては…意外と溶岩って熱めの風呂って感じで気持ちよかったです、はい
あれ?気持ちよかったなら死にはしないんじゃね?
―数年後―
「クソッタレが!!なんだってこんなとこにディノバルドがいんだよ!?」
「知らないわよ!?そんなのあいつに聞いてみなさいっての!!」
「うぇえええん!!もうやだああああ!!」
「今のうちに遺書とか書いておいた方がいいかな?」
『ガアアアアッ!!!』
とある密林、そこに一体の竜と四人の人間がいた
その人間達は世間で言うハンター達なのだが、最近ハンターになったばかりで集まった、いわば素人集団なのである
今回もドスマッカォという鳥竜種の討伐に来ていたはずなのだが、いざ来てみればそこにいたのは対象を喰らう斬竜であった
そこからはもう全力疾走で逃走するハンター達、だがそんな彼らを見逃す斬竜ではない
その巨体とは裏腹に素早く近付いてくるディノバルド
悠々と迫りくるその姿は最早新人達には死の権化にしか見えないだろう
「短かった…ハンターになって一週間もしないうちに人生幕を下ろすとか…不幸だ」
「辛気臭い雰囲気出さないでよ…なんかもう諦めそうじゃない…」
「ママアアアアア!!ダディィィィィィ!!」
「いや親の呼び方ぐらい統一しろよ」
最早生きる希望を失ったかのように立ち止まってしまうハンター達
ヤケクソとばかりに各々の武器を構えて迫りくるディノバルドを迎え撃つのだった…
………ァァァァァ………
「…?今何か聞こえなかったか?」
「気のせいでしょ。聞こえたとしても目の前のデカ物の腹の音よ」
………パチッ…パチッ………
「なんか…暑くないですか?ここ…」
「密林だからじゃないか?蒸し暑いのは元からだ」
………ドッ………ドッ……ドッ…ドッドッドドドッ!!!
「や、やっぱなんか聞こえないか!?なんか地響きも聞こえるしよ!?」
「いやきっと目の前の奴だって!!これ以上増えるとか冗談じゃないわよ!?」
「お爺様と婆ちゃんの姿が見えます…」
「だから呼び方統一しろよ」
迫りくる斬竜、だがそれとは違う地響きが間違いなく聞こえてくる
四人は確実に迫りくるであろう脅威に備え、武器を構える
そして…そいつは現れた
『ヴォルアアアアアアアアアアアアッ!!!!!』
ドゴォォオオオオオオッ!!!
『ガァァアアアアアッ!?』
「「「「―――」」」」
目の前に突如として現れたそれは、斬竜を天高く吹き飛ばした
灼熱を模す朱色の甲殻、熱を発して光を発する三又の尾、岩の様な頭部はまるで血が流れるように流動する部位が見受けられる
ボルボロス
新米の四人も耳にしたことはあるだろうその竜を
主に砂原等で見かけ、獣竜種の中では比較的危険度は低い
だがその突進力は他の獣竜種よりも秀でていて、衝突の衝撃は並のモンスターでは一瞬にして命を詰まれることになるだろう
だが、コイツは違う
明らかに従来のボルボロスを逸脱している
その姿はさることながら、かもしだす威圧感が並のボルボロス以上…それこそ獣竜種に置いて最も凶悪で名高いイビルジョーの威圧感に似ている
『ヴァルアアアアアアアアアア!!!!!』
その特異なボルボロスは方向をあげ、再び走り始めた
頭から噴火の如く溶岩を周囲にまき散らしながら走り去るそいつの後には何も残らない
後に残るは全てを焼き尽くし爛れた焼野原のみ
四人のハンターは始終その威圧感に押され、ただただ呆然と走り去っていく特異なボルボロスを見送るのだった…
そんなボルボロスはというと
『ヒャッハァァァァァ!!!
キチッていた
これは後に『灼熱纏いし撃走竜』『走る小型火山』『ヴォルたん』『火災の元凶』『ノンストップヴォルケーノ』『アイツマジどうにかしてくれ』とハンター達から呼ばれることになる竜
走滅竜・ヴォルボロス
これからもその身に秘めた焔が消えるまで走り続けるのだろう…それが今の彼の生き甲斐なのだから
『俺は風になる!!そして目標は宇宙闊歩だあああああ!!!』
少し頭の螺子が外れたようだが、まぁ気にしなくてもいいだろう