爆走暴走激走疾走!!俺の名前はヴォルボロス!!   作:メガネ愛好者

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とりあえず一話完結な感じに投稿することにしました
気が向いたら投稿します


ヴォルさんの生態

 

 

走滅竜ヴォルボロス

 

それは数年前から突如として現れたボルボロス系統の特異個体だ

通常のボルボロスと比べ一回りも二回りもある巨体は同じ獣竜種の中で小山と勘違いされるほどの巨体を持つ尾槌竜ドボルベルクに相当する

その特徴も従来のボルボロスとは異なる点が多々あり、最早ボルボロスとは別の個体ではないかと思えるほどの姿をしていた

外見を詳しく挙げるのならば、以下の通りだ

 

まず通常種と比べ、その甲殻は赤みを増し橙色から朱色へと変貌

岩の様な冠状の頭殻は漆黒へと変色し、まるで黒曜鉄かと思われるほどの強度を持っている

頭部にある五つの鼻孔からは呼吸だけではなく溶岩と思しき灼熱の液体が迸り、まるで火山の噴火を現すかのように噴出することが可能

基本的に前脚が退化している獣竜種だがこのボルボロスは少々特殊な形状をしていて、鉤爪型の前脚はまっすぐに伸び、空気の抵抗を無くすかのような腕へと変化

尻尾の形状も三又の槍の様な形状へと変わり、その尻尾は斬竜ディノバルドと似たように高熱を浴びているかのような光を放っている

その発光は尻尾だけに留まらず、先ほど言った頭部や背中も発光していた

そして何より目を引くのが…そのボルボロスの頭部にある溝に浮き出る流動する溶岩だろう

まるで血管に流れる血のように流れるそれは、夜でもなお光が眩しく灯り照らしている

そんな走滅竜の周囲は常に高温、その場にいるだけで火山地帯にいるかのような温度上昇を引き起こす

その熱にやられた動植物にも影響が出ており、近づくのでさえ危険な存在とかしている

何より本来火や乾燥に弱いボルボロスは泥を身に纏うことによって身を守るというのに、走滅竜は平然として溶岩を身に浴びている

 

以上から、この個体はボルボロスに似通っているだけで別の生物なのではないかと予測することとなった

現状はかの個体をボルボロス希少種と断定するも、その危険性は通常種や氷砕竜で知られる亜種とは次元が違うのだった

 

それはまるで自然災害に匹敵する程の脅威を秘めている

歩くだけで踏みしめた大地を燃やし、植物とすれ違えば即座に枯らす

池や川に足を踏み入れれば水が蒸発し、周囲の昆虫は暑さにやられて命が潰える

岩に当たれば粉砕だけで終わることはない、その飛散る破片は逸脱した熱により瞬時に融解する

その融解により並大抵の動物は体を溶かされ、その場に残された変死体は後を絶たない

 

そして何より、その個体は常に走っている

止まることを知らないのか一向に足を休める気配はなく、確認時全ての状況で、走滅竜は問答無用で爆走している

場所は問わない、とにかく爆走する走滅竜はどんな場所でも現れる

これは恐暴竜イビルジョーに見られる傾向でもあるどんな状況下においても適応する環境適応能力の高さを示していた

どんな厳しい環境下に置いても気にも留めない、とにかく走ることが出来る場であれば姿を現すのだ

それによって災害レベルの環境破壊を生み出してきた

 

ある時は氷山を溶かし洪水を起こした

ある時は雪山を通るだけで雪崩が発生

ある時は振り撒く溶岩による大火災を

ある時はその爆走により村を滅ぼした

 

そんな状況を引き起こすことから走滅竜は「走り滅ぼす者」の名を冠することになる

全てを溶かし、燃やし、滅ぼす者

まるで火山(ヴォルケーノ)の化身だ、大地の怒りだ、滅びの体現者だと恐れられる

その力は既に古龍種の域に足を踏み入れ、まさに災厄とも呼べるほどに強大な生物となっている

 

故にハンター達からはその希少種に火山の名を当てはめ、ヴォルボロスと名付けられることになるのだった…

 

 

 

 

 

追記として、かの者は昼の間は確認が出来るのだが、夜になると地中に潜り、何処かに姿を消すため追跡が困難とされている

夜中には確認されたことがないため、発見次第ギルドに報告してほしい。以上

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなヴォルボロスさんはというと

 

『あ~……生き返るわー……』

 

生まれ育った火山に位置する溶岩の海に頭部だけ出してのんびりしていた

目を細めて心地良さそうにするその仕草は、まるで人間達がお風呂や温泉に浸かるときのような雰囲気だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼、ヴォルボロスは基本的に夜は静かだ

まだギルドには確認されていないが、基本的に夜は溶岩の中で大人しくしている

 

ぶっちゃけ夜は賢者タイムなのだ

 

昼に元気ハツラツしすぎるせいで日が暮れる時間帯に体に秘める焔は冷め、通称ヒャッハーモードが解除される。そして自分の生まれ故郷(生まれたといえるのか微妙だが…)へと帰還するのだった

戻った後はそれはもう別人(別竜?)のように落ち着きを取り戻し、夜が明ければ再び体に焔が灯ってヒャッハーモードへ…その繰り返しなのだ

 

『今日も振り切ってたな~俺。何か途中で同じ獣竜種っぽい奴吹き飛ばした気がしたけど………まぁ目の前にいたのが悪いな。うん、俺は悪くねぇ』

 

だが冷静さを取り戻しても理不尽極まりなかった。結局ヴォルさんはヴォルさんです

因みに吹き飛ばされた獣竜種っぽい奴、まぁディノバルドなのだが…あれから数秒後に四人のハンター達の目の前に落下、吹き飛ばされた時の衝撃と落ちた時の衝撃で絶命した

追い打ちとして熱線を放っている頭部により衝突面が黒焦げに焼け爛れていてそれはもう酷い有り様、比較的火耐性が高いのにもかかわらず燃やすとか最早火耐性の概念が危うい。ある意味原型を残した辺りそのディノバルドは通常より強力な個体あったのだろうか…?

そんな斬竜をちゃっかり持って帰った四人のハンターは一気に名を上げることとなったのは別の話

まぁとりあえずは夜は冷静なのである程度はまともに頭が働くだろう。せめて今までやってきた自分の行いを振り返って反省をしてくれるといいのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

『明日はどこにいこっかな~?ん~…塔にでも顔出しならぬ頭出してこようかな?』

 

反省なんてなかったんや

 

塔にいるモンスター達逃げてえええええ!!!全力で逃げてえええええ!!!絶対ヴォルさん塔のどてっぱらに風穴空けて崩落させるからあああああ!!!

てかなにのんびりとした口調で簡単に決めちゃってんの!?アンタ火山から出ないでそのまま浸かっててくださいよ!?

 

『とりあえず挨拶回りは大事だよな。塔に言ったらとりあえず全力全開で玄関ノックしてみよ』

 

それ確実に入り口吹き飛ばし確定じゃないですかー

少しは自嘲というものを………もう無理か

 

『む?なんじゃ若いの、また来おったのか』

 

『あ、グラ婆』

 

そんなヴォルさんがのんびりと溶岩の海を犬掻きしていると、近くの溶岩が膨れ上がり、そこから巨大な竜が現れた

鎧竜グラビモス、その亜種だ

彼女はヴォルさんが現れる前からこの溶岩の海の主が如く鎮座していたものだ

 

ついでに溶岩に沈んでいたヴォルさんを掬い上げた竜でもある

救ったのではない、掬ったのだ。文字通り沈んでいたヴォルさんを地上に引っ張り出したのだ

 

 

 

 

 

 

因みにヴォルさんが沈んでいた期間はとても長かった

イビルジョーの後を追うようにして溶岩に沈んだ後、何故かは知らないが溶岩に焼かれることはなかった

それこそヴォルさんが言ったかように熱めの風呂に入っていた様な状態だった

だがそこで問題が起きる

 

泳げなかったのだ

 

今でこそ犬掻きを覚えているため支障は無いが、当時はそのせいで溶岩の奥深くまで沈んだヴォルさんは地上に這い出ることができなかった

溶岩の底に足を突いて飛び上がろうとしても、その時点でかなりの深度に達していたため自慢の脚力でもなかなか上に上がれないでいた

その上呼吸がままならない状況…最早意識も途切れかけていた

 

そんな状況下でヴォルさんが行った行動は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハラヘッタ、オレ、ヨウガン、ノム』

 

まさかの溶岩飲食だった。てかジョーさん憑りついてない?

この時点で頭がハッピー状態になりかけていたヴォルさんは、何を思ったのか溶岩を胃に収め始めて行った

正気の沙汰じゃない、普通のボルボロスだったら最早気が狂ってるとしか言えない暴挙

 

だがその行為が功を奏した

 

何と溶岩を飲み込んでいる間、その間だけ呼吸が…意識が保つようになったのだ

訳が分からないよと言いたくなる原理、だが実際にそれは現実に現れていた

その原理は…自分の体を無意識化で変異させ、生物としての概念を覆すことで実現させたのだ

 

 

 

 

 

 

 

溶岩を生命エネルギーに変換し、呼吸を必要としない生命体へと

 

 

今のヴォルさんは生物であって生物とはかけ離れた存在だ

いわば車にガソリンを入れるかのように体内に溶岩を吸収する

それを燃料に生命活動を維持しているのだ、最早生き物の構造とは異なっている

肺がある部分を溶岩をため込む燃料タンクとして変異させ、心臓と血管で繋ぐ

そして心臓から伸びる血管に血の変わりに溶岩を流し始めることによって、血管に溶岩を流すための回路として機能し始めた

そして、その溶岩を循環させエネルギーと変えることにより、爆発的な進化を遂げたのがヴォルボロスという個体だ

その身に秘めた焔の正体とは…体内に循環させた溶岩の燃焼による爆発的なエネルギーなのだ

そんなヴォルボロスは、さながら暴走列車と言っても過言ではないだろう

夜に大人しくなるのも、いわば燃料切れに近いのだから…

 

その変異は数年間溶岩に体を沈めて黙々と溶岩を取り込んでいた結果なのだろう…

そんな長い間溶岩を取り込んでいったヴォルさんは…

 

『この濃厚でトロットロな舌触り!だが喉を通ればそこにあるのは炭酸の如く弾ける刺激!胃の中ではグツグツと燃え上がり膨れるかのような満腹感!火山の溶岩は世界一ィィィィイイイイイッッッ!!!至高の飲料ドゥアアアアア!!!』

 

深く考えることをやめた

膨大なエネルギーによる思考回路の低下が原因なのだが…まぁ元から頭がアッパラパーだったのもあるのだけど

 

 

こうしてヴォルボロスは強大な力と引き換えに理性が吹き飛んだのであった

 

『燃え上がれッ!!!焼き尽くせッ!!!秘めたるは我が身に宿し小宇宙(コスモ)オオオオオオオオ!!!!!』

 

おちけつ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その数年後に異様な溶岩の流れに気づいた黒グラビが気づいて引き上げることになり、それを縁に黒グラビ、通称グラ婆と交友関係を気づくことになったのだった

基本温厚な性格のグラ婆は意外と親身に接してくれたのでヴォルさんも大助かりなのである

 

『俺としてはここは故郷の海みたいなもんなんだよね、だからここにいると落ち着くのですよ』

 

『別に構わんが…相変わらず呑気の物だな』

 

『くつろいでる時にハキハキと何てしてられないッスよ』

 

『…お主ならそうでもなさそうだが…』(ボソッ…)

 

『なんか言いました?』

 

『何でもないわい』

 

因みにグラ婆はヒャッハーモードのヴォルさんを知ってます

何せ第一被害者ですからね、引き上げて地上に出た瞬間錯乱していたヴォルさんのヘッドバットをくらったのですから…

そこは鎧竜と名高いグラ婆は耐えたのだが、一か月間痛みは続いたそうです

それでもその暴挙をも簡単に許す寛大さにヴォルさんは『流石グラ婆!そんなグラ婆にマジリスペクトッス!』などとほざいていた。やっちゃっていいですよグラ婆?

これがヴォルさんの保護者の様な立ち位置に鎮座するグラ婆というものだった

 

『そういやグラ婆、今日もグラブってたん?』

 

『む?あぁ、グラブってたよ』

 

『グラ婆のグラブるときって爽快なんだよねぇ、今度またハンター来た時に見学してもいいかな?』

 

『別に構わんぞ。ワシもストレス発散のためにグラブるのは好きだからな』

 

 

因みにグラブるとは、通称「グラビームブッ破する」という意味の略称だ。断じてグランでブルーなファンタジーではない

 

 

 

 

 

 

 

彼女は普通のグラビモスとは少し行動傾向が異なるのだ

しかもそれは、ハンター達からすれば厄介極まりない習性を

彼女は…

 

 

ハンターを確認すれば即座にグラブる習性を持っている

 

 

高台からの高所から、溶岩の海からと、ところ構わず視界に入れば問答無用で熱線を放つのだ

しかも距離関係なく撃ってくる。長距離は勿論零距離だとしても熱線を放つのだ

ハンター達は堪ったもんじゃない、討伐目標と対面しているときに死角から狙撃するかのように放ってくるのだ。一体何人の犠牲を生んだことか…

 

 

そう、キチガイの友にはまともな奴はいないのだ。その例がこの通り魔ならぬ砲撃魔、グラ婆である

 

 

『今度ビーム教えてくんね?なんか鼻からなら撃てる気がするからさ!そしたら熱線放ちながら走れんじゃん?その熱線が体を纏ってさながら流星のようになるかも…!!!』

 

『ほう?面白い発想だな。だが前に放つ分速度は落ちるのではないか?』

 

『んなもん気合でどうにかするし。とりあえず明日試してみようかな?丁度いい()もあるんだし』

 

次の日、一つの塔が地図から消え失せることとなるのだった…

 

 

 

 

…切実な話、誰かこいつらを止めてください

 

 




やりたい放題のヴォルさんは環境破壊とか気にしないのです!
とにかく爽快に走ろう、ただそれだけを考えて…

溶岩の海から固定砲台の如く放射し続けるグラ婆を想像した
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