シロオト暮らし   作:ミツフミ

10 / 15
祝10話♪
なので、サブタイトルに縁起の良い[福禄]という言葉を使いました〜。
読んで頂いたみなさんに幸せが訪れますように。

これからも頑張りますので応援よろしくお願いします。

それでは緑色な第10話をどうぞ!


齎されたフクロク

6時40分

「お! 缶詰コーナー、発見♪」

 暫く店内をうろつき、目的の場所である缶詰コーナーを見つける。そこの壁の棚一面には缶詰が並んでおり、思わずテンションが上がる。

「こりゃ、宝の山だな。」

 缶詰の種類を選ばずに次々とリュックの中に詰め込んでいく。

 

 その後、数度“やつら”との戦闘を行い、地下にいる“やつら”を片づけていく途中で、他のコーナーにある水や菓子等の保存の効く物もリュックの中に入れていく。

 

「そろそろ上に行こう・・・。」

 リュックに物が入りきれなくなった所で、姉さん達の元に戻ろうと決め、階段を上がる。

 

 

「あー、息苦しかった・・・。」

 1階に戻ると速攻で口元に巻いていた布を外し、大きく深呼吸をすると、地下で嗅いだ食料の腐った臭いの代わりに“やつら”の臭いが鼻をつき、おもわずむせてしまった。

 

 

 来るまでに粗方殲滅したおかげで帰りは1体も“やつら”に出会う事はなく、俺は悠々と姉さん達のいる店に戻った。

「ただいま~。・・・ん?」

 シャッターをくぐり店に入ると、瑠璃ちゃんがいたが、その服装が白の横縞の入ったピンク色の襟付きの長袖に茶色のロングスカートといった服装に変わっており、そしてその後ろで姉さんがドヤ顔をしていた。

 

「・・・・。」

 

 とりあえずシャッターを閉める。そして振り向いた瞬間姉さんに頭を思いっきりチョップされた。

「痛ぅ、何すんだよ、姉さん!」

「うるさい、折角若狭さんがお洒落してんだからなんか言いなさいよ!」

 瑠璃ちゃんの方を見ると、ぷくぅ、と頬を膨らましていた。どうやら怒ってしまったらしい。俺は瑠璃ちゃんの近くに膝を付き、両手を合わせる。

「ごめん、ごめん。突然の事でビックリしちゃってさ。・・・とても似合ってて可愛いよ。流石瑠璃ちゃんだ。」

 最後の方は笑顔でそう言うと、瑠璃ちゃんは機嫌を治してくれた。・・・その後ろで姉さんは「うわ、くさい台詞!」と、呟くが、そっちは無視する。

 

 

「・・・それで、下はどうだった?」

 コートを近くの服掛けにかけると、姉さんが聞いてきた。

 

「生鮮食品はもう駄目だったから、缶詰を適当に詰めて来た。・・・生存者は、地下しか見てないからまだ分からない。」

「そっか・・・。」

「・・・いると思うか?」

「分からない。でも、いるとしたら上の階よね・・・。」

 そう言って姉さんは上を見上げる。それにつられ、俺も上を見た。

 このモールに来るまでも、コンビニやマーケットなど生き残っている人がいそうな所を探して来たのだが、建物の階数が少ないためか1人も生存者を見つけられないでいた。

 ここは5階建てと階数も多い為、階段を上がるのが苦手な“やつら”から生き残れる確率は高いはずなのだが・・・。

 

 

「音緒、あんたは服どうする?」

 4階に辿り着いた時、姉さんが聞いてきた。

 ここは紳士服の店が多い階であり、俺が買い物をするならこの階だろう。

 ホームセンター等では武器や食料しか取っていなかったので、衣服は家から持ってきた物しかなく、正直もう着替えが残り少ない状態だった。

「そうだな、じゃあどこかの店に・・・!」

 視界の隅に動く何かを感じ、急いでそちらに視線を向ける。そこにいたのは・・・、

 

「・・・犬?」

「・・・みたいね。」

 

 一匹の柴犬がそこにいた。

 犬も感染する為、その犬に近付こうとする瑠璃ちゃんを姉さんが抱え、俺はリュックから地下から取ってきた大和煮の缶詰を開け、注意を引き付け、その隙にその犬を抱きかかえ傷口が無いかをチェックする。

 

「・・・どうやら感染はしていないようだ。」

 隈なく調べた結果感染していない事と、この犬の名前が『太郎丸』という名前だという事が分かった。首輪を付けてるって事は太郎丸は誰かの飼い犬なのだろう。あの日、このモールにいた誰かの・・・。

 太郎丸は床に降ろすとすぐさま缶詰に飛びつき、大和煮を食べ始める。

 

(それにしても、この犬どっかで見たような・・・。)

 そう思いながらも思い出すことが出来ず、大和煮を食べる太郎丸を暫く見ていた。

 

 

 数分後大和煮の缶詰を食べ終わり仰向きになった太郎丸の腹を瑠璃ちゃんが撫でると、太郎丸は気持ち良さそうな声を上げた。

 

「この犬、やつれた感じはしないからあの日以降も食事をしているって事よね?」

 姉さんが太郎丸を見ながら呟く。

「ん? あぁ、そうだな。それがどうした?」

「缶詰でもドックフードでも、開けるのは犬じゃ無理よね? って事は?」

 そこまで言われ、姉さんの良いた事が分かった。

「・・・誰か、生存者がいるって事か?」

 姉さんの方を見ると、姉さんは頷く。

 

「なぁ、太郎丸。お前、生存者がどこにいるか知らないか?」

 ダメ元で太郎丸に尋ねると、太郎丸は身体を起こし、数m駆けた後立ち止まり俺達の方を振り向いて一回吠えた。その行動はまるで・・・。

「・・・『ついて来い』って事か?」

 

アン!

 

 太郎丸は「そうだ」と言うようにもう一度吠えた。

「そっか、じゃあ道案内よろしく頼むな。」

 

ワン!

 

 俺達は太郎丸を追いかけて走り出した。

 

 

 太郎丸は5階に続く、止まっているエスカレーターを上って行く。

 それを追って5階に行くと“やつら”は1体もいなかった。

 上に上がる毎にその数が少なくなっていっているのには気付いていたが、やはり“やつら”は階段を上がるのが苦手なようだ。

「やっぱり、階段上るの苦手なんだな。」

「そうね。でも油断せずに行こう。」

「あぁ。」

 

 

 結局“やつら”と1度の戦闘もなく、俺達は従業員の休憩室に辿り着いた。

 そこの扉を開けようとするが、扉に鍵かかかっているのか、扉の向こうに何か物を置いているのか、扉を開ける事は出来なかった。

 

「おい! 誰か中にいるのか? いるのなら開けてくれ。俺達は“やつら”じゃない!」

 そう言って扉を叩いていると、扉の向こうで物音が暫くした後、扉が開く。

 

 中には、巡ヶ丘学園の制服を着た2人の少女がいた。

 1人はワインレッドの瞳と茶色いセミロングの髪をハーフアップにした少女。もう1人は青色の瞳とパールホワイト色のショートカットの少女。そしてどちらも制服に着いているリボンの色は青色、2年生が付けるものだ。

 

 その2人には俺も姉さんも見覚えがあった。

 何故なら、その2人は真白の友達の祠堂 圭と直樹 美紀だったからだ。

 

「良かった、圭ちゃん! 美紀ちゃん!」

 

 俺以外の生存者に会えて感極まった姉さんが2人を抱きしめた。




美紀と圭と太郎丸が仲間になったよ♪
この2人と1匹はアニメ基準です。


・前回しなかったプロフィール公開♪
今回はるーちゃんです。

名前:若狭 瑠璃
髪:ロング。色は薄茶色。髪型はストレート。
瞳:紅。
年齢:11歳。小学5年生
趣味:?
特技:?
武器:なし。強いて言うなら人を和ますその存在感。
服装:黄色い長袖のシャツ、半ズボン。(漫画6巻の表紙の服。)
ちなみに今回登場した服は、漫画2巻、アニメ5話でりーさんが着ていたものを参照にしました。

備考:
りーさんの妹。[るり]で[るーちゃん]。まぁ、現在彼女をるーちゃんと呼ぶのは音緒達sideにはいないからるーちゃんという言葉の出現率はほぼ皆無。
あの日の教室の出来事のせいで、精神的にかなりのダメージを負い、声が出せなくなる。(音は出せる。)
彼女と話す時、葵や音緒は話しているるーちゃんの口の動き見て何を言っているかを判断している。

音緒が合流してからは、一度も“かれら”が殺されるところを見ていない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。