少し時間が出来たので、前回のコクベツを少し変えました。後、1話だけ更新させて頂きます。
これからはこのように不定期更新になるのでどうぞよろしく。
第2章に入りました。
第2章からは漫画に沿うように書いていきます。
それでは久しぶりの投稿で緊張もありありの13話をどうぞ。
ハジマリ
黒崎 真白side 5日目 16時20分
私の名前は黒崎 真白。巡ヶ丘学院高校の2年生で、元園芸部で現学園生活部だ。
学園生活部とは、私が所属している部活動の名前で、学校の施設を借りて学校の中で生活する部活。
勿論施設を借りた恩は、他の部活の手伝いや、学校の警備という形で返さなければいけない。
丁度今も他の部活の手伝いとして、園芸部の活動を手伝っている。
手伝いと言っても、土を耕したり、種を撒いたりと、私が今やっている事は園芸部だった時とやっている事となんら変化はない。
因みに今ここにはもう1人、私以外に学園生活部の部員が園芸部の活動を手伝っている。
若狭 悠里先輩だ。
[りーさん]の愛称で呼ばれている先輩は、学園生活部の部長で、私と同じ元園芸部員の3年生の人だ。
先輩は私の後ろでトマトの茎の剪定をしている。
「おっす、手伝いに来たぞー。」
暫くすると、「ガチャッ」という音と共に屋上のドアが開き、中から髪をツインテールにして、手にシャベルを持った少女 恵飛須沢 胡桃先輩と、猫耳のような突起の付いた帽子を被った少女 丈槍 由紀先輩が現れる。
2人とも3年生で、共に学園生活部の部員である。
「あら、2人ともいらっしゃい。」
「あっ、りーさんにしろちゃんだ、やふぅ!」
由紀先輩が駆け寄り、悠里先輩に抱き付く。因みに[しろちゃん]とは由紀先輩が私に付けた愛称だ。[真白]だから[しろちゃん]とは少し単純かなとは思うけど、私はこの愛称を気に入っている。
「由紀ちゃん、良い子にしてた?」
「またまたぁ、良い子って子供じゃないんだからぁ。」
りーさんは由紀先輩の頭を撫で、由紀先輩は子供っぽく微笑む。
子供っぽい由紀先輩の顔は無邪気でとても高校生には見えず、2人はまるで姉妹の様だった。
「・・・。」
その様子を見て私は一瞬影を落とすが、すぐに元の表情に戻す。
「聞いてよ、りーさん、真白。こいつさー「あっ、言っちゃダメ」今日授業終わって家帰りそうになってさ。」
胡桃先輩が、由紀先輩の抵抗を無視し由紀先輩が今日帰りかけたという話をして来た。
それを聞いた悠里先輩が、「えっ!? そうなの? 由紀ちゃん。」と、由紀先輩に詰め寄る。
「う、うん。部活あるの忘れてて。」
「こら!」「ひゃぅ。」
悠里先輩は由紀先輩に軽くデコピンをする。
「由紀ちゃん、合宿なんだから皆揃ってないとダメでしょ?」
悠里先輩は由紀先輩の両手首を持ち視線を合わせ優しく注意する。
「うん。ごめん、りーさん。」
「謝るのは私だけなの?」
「ううん。2人ともごめんね。」
由紀先輩は胡桃先輩と私にも謝る。
「気にするな。」「でも、次から気を付けて下さいね。」
「はーい!」
元気よく返事した由紀先輩の顔はいつも通り、太陽のような笑顔だった。
そう、いつものように・・・。
「由紀ちゃん、学園生活部 心得第一条!」
突然、悠里先輩が「ビシッ」と人指し指を立て由紀先輩に向けた。
「学園生活部とは、学園での合宿生活によって授業だけでは触れられない学園の様々な部署に親しむと共に、えっと・・じ、じしゅどくりつの・・・「自主独立の精神を育み、皆の模範となるべし」そう、それ!」
由紀先輩の言葉を補い私は学園生活部の心得第一条を言いきる。
これは学園生活部が出来た日に作った学園で生活する上での部のルールであり、他にも4つある。
「真白、よく覚えてるな。つまり、学校の設備を借りまくって寝泊りしようって事だな。」
「胡桃ちゃんっ、それは言っちゃダメでしょ!」
由紀先輩は胡桃先輩にツッコミを入れる。
「じゃあそろそろ、園芸部の活動、再開しましょうか。みんな手伝ってね。」
「「「はーい。」」」
悠里先輩のひと声で私達4人は作業を再開する。
悠里先輩はトマトの茎の剪定を再開し、私と胡桃先輩は土を耕して、由紀先輩はバケツに水を入れ運んでいた。
そして数分後・・・、
「お、野球部頑張ってるのう。おーい! ねぇくるみちゃん見て見て! 手、振ってくれた!」
早くも集中力の切れた由紀先輩が落下防止柵に寄り掛かり、校庭に向かって手を振っていた。
その後ろから胡桃先輩がそーと近付き、
「さぼってんじゃ・・・ねぇ!」
「あうっ!」ビクッ
胡桃先輩は手に持っていたシャベルで由紀先輩の横腹を小突く制裁を入れた。
「ちょっと、シャベルは反則だよ!」
「大丈夫、峰打ちにしたから。」
「なるほど~、峰打ちか~。ってシャベルに峰なんてないじゃん! もー、それならこうだよ!」
「うわっ。やったな~。」
由紀先輩が胡桃先輩に水をかけと、胡桃先輩も反撃と水をかける。
その後すぐに水の掛け合いへと発展した2人に悠里先輩は「作業が終わらないわよ。」と声をかけるが2人は聞いていなかった。
勝敗は分かり切っている事で、数分後、ぐっしょり濡れた由紀先輩と、良い笑顔でVサインをする胡桃先輩がいた。
「もう由紀ちゃん、風邪ひいちゃうわよ」
悠里先輩がタオルで由紀先輩を拭いていると、由紀先輩は「へぷしっ」と、くしゃみをする。
「あらら。由紀ちゃんほら、鼻かんで。」
悠里先輩はポケットからティッシュを取り出し、由紀先輩に鼻をかませる。
「由紀ちゃんびしょ濡れね。この後肝試しがあるし、風邪を引く前に着替えて来てらっしゃい。」
「うん、そうする・・・。」
悠里先輩に言われ、由紀先輩は屋上から出て行った。
「・・・真白さん?」
ドアに近付いて行く私を悠里先輩が呼び止めた。
「・・・由紀先輩、1人じゃ心配なので付いて行きます。」
「そう。じゃあ、お願いね。」
「はい。・・・あれ?」
再び歩こうとしたらドアからぴょこんと顔を覗かせている由紀先輩の姿があった。
「先輩どうしたんですか?」
「あっ、えっと、えーとね。みんな好きだよ。っていうか・・・。」
「「「?」」」
先輩はもじもじしながら言った言葉に私達の頭に?マークが浮ぶ。
「ほら、合宿忘れて帰りそうになったけど、別に皆の事を忘れたんじゃないよっていうか・・・。」
「由紀先輩・・・。」「分かってるわ。」
「うん、えーと、それだけ// じゃあ、また!」
そう言って彼女は行ってしまった後、残った私達の間に穏やかな風が流れるのを感じた。
「じゃあ、行ってきます。」
少しした後、私はそう言って由紀先輩の後を追って屋上を出て行った。
私は由紀先輩がいるであろう2-Cの教室に向かう。
「うん、忘れ物。宿題置きっぱなしだった。」
案の定、その教室から彼女の声が聞こえてきた。私は声が聞こえた教室を覗く。
・・・そこには荒れ果て、誰もいない教室で独り、虚空に向かって話している由紀先輩の姿があった。
由紀先輩は佐倉先生がいなくなったおとといから現実逃避をしている。
今の彼女の瞳には、この荒れ果てた教室は見えておらず、あの日以前の平和な教室の風景が今も変わらずに映っている。
そのせいで先輩は今日と昨日、おかしな行動を繰り返していた。
今みたいに誰もいない空間に話しかけていたり、“かれら”のいる2階に降りようとしてたり、帰宅しそうになったり・・・。
危なくなる度に私達が止めているけど、どうしても見ていない時がある。
その時に“かれら”に出会ったら“かれら”を普通の生徒として見えている今の先輩は、さっき屋上から校庭にいる“かれら”に手を振っていたように普通の生徒として接するのだろう。
そうなったら“かれら”に近付いて行くなんて事も十分あり得る。
そんな事が起きればきっと・・・。
「これ? 屋上で水遊びー。えへー、うん。まだ部活。」
由紀先輩の明るい声が廊下まで聞こえてくる。
佐倉先生がいた頃となんら変わらない明るい声が・・・。
(佐倉先生、あなたがいなくなって由紀先輩は現実逃避をし始めた。
そんな由紀先輩を悠里先輩はそのまるで妹の瑠璃ちゃんのように接するようになりました。
そして胡桃先輩は寝ている時、魘されるようになりました。
先生、あなたは今どこにいるんですか・・・?)
私は心の中でいもしない先生に語りかけた。が当然答えは返ってこなかった。
「うん。じゃーねー。」
暫くした後、“話し終わった”由紀先輩が教室から出て来た。
「由紀先輩、話は終わりましたか?」
「・・・あれ? しろちゃんだ。どうしてここにいるの?」
由紀先輩に声をかけると、先輩は私がいる事に少し驚く。
「先輩の事を待ってたんですよ。」
「そうなんだ。待ってて貰ってありがとうね。」
「どういたしまして。じゃあシャワー室に行きましょうか。」
「うん!」
私達はシャワー室に向かって歩き出した。
原作との相違点
・真白の存在。
それにより会話や行動が結多少変更しています。まぁ、SSなので・・・。
・りーさんの由紀に対する依存度の強さ
原作よりも強くなっております。
・日数
パンデミックがあった日から、まだ1週間も経っていない現状。
理由としては真白がいる事で漫画やアニメより、制圧が進んでいるから。
箒の残数:8本
感想お待ちしております。